エビデンスがあっても信じない 〜 人間の偏ったものの見方
確証バイアスの話はご存知ですか?例えば、スポーツの指導者で「昔の厳しい部活経験が自分を成長させた」と信じているため、自分の子供にも厳しいスポーツ指導を受けさせる。しかし、実際には厳しすぎて逆効果になっているケース。この他にも、「有名な学習塾に通えば成績が必ず上がる」と思い込み、子どもの学習スタイルや性格を考えずに、評判の高い塾を選び続けてしまう親。しかし、本当に子どもに合っているかどうかは検討していないことが多いケースなど。これは、その人が持っている価値観・偏見・先入観を肯定するあまりに、都合の良い情報ばかりを集めてしまいやすい傾向にあることを意味します。最近では、AIに関することがそうです。「受験勉強にAIを使うべき」と、私は繰り返し主張していますが、これについても世の中の多くの人たちが確証バイアスによって「受験勉強には、AI は必要ない」と思い込んでいます。実際にはAIによる学習効果が非常に高いというエビデンスがありますが、それらは完全に無視されています。ちなみに、そのエビデンスに関する話をnoteにまとめましたので、こちらも読んでみてください↓AIとコーチングで子どもの学び革命―その効果を裏付ける科学的根拠|オンライン学習塾★特進アカデミー塾長 〜 坪田ひろし従来型の詰め込み学習では、子どもが「勉強=つらいもの」と感じてしまい、学ぶ意欲を失いがちです。皆さんも経験したことがあるのではないでしょうか。 一方、特進アカデミーが採用するAIとコーチングを組み合わせた新しい学習法はまるで子ども専用の家庭教師が24時間そばにいるように、AIが苦手を分析して最適な問題を出題し、授業ではコーチングスキルを用いて、先生による適…note.comちなみに、AIを聞いて、どこかの学習塾も用いているカリキュラムを作るAIであったり、デジタルコンテンツのatama+やスマイルゼミというのは、あれはAIのおもちゃのようなもので、AI界の幼稚園児と言えるものかもしれません。つまり予め決められてカリキュラムの中しか学べないので、応用が効きません。例えば、be good at という熟語を学ぶとして、意味を教えてくれたり、いつ復習するかという指示はしてくれますが、では at というのは元々どのようなニュアンスが含まれているのか、どのようなイメージがあるのか、語源はどこから来たのかといった、言葉を学ぶ上でとても大切な要素は教えてくれません。ところが、ChatGPTの本格的AIは、それらを教えてくれるどころか、例文を紹介してくれたり、問題まで作ってくれて、さらに指示をすれば、オリジナルの学習計画まで提案してくれます。本格的なAIの実力が、どれくらい凄いのか・・・という実例を以下に記載しておきます。これは北海道高校入試の数学(関数に関する予想問題をChatGPTが考えてくれたものです。どのように分析しているかまで説明してくれています。非常に難しい内容になっていますが、「小学生にも分かるように説明してください」と言えば、要点をまとめて、非常に簡単に説明してくれます。とはいえ、その元となる情報が、以下の内容です。(必ずしもこの予想が的中するとは限りませんが、精度の高い分析と言えます)AIの使い方を学んだ方が、どれだけ受験勉強にプラスになるのかというのが、普通の思考なら分かると思うんですが、それでもAIを使わないというのは、どういう心理なんでしょうね。やはり確証バイアスなんでしょうか。**********過去3〜4年の北海道高校入試・関数問題の分析1. 出題されている関数の種類過去数年の北海道公立高入試「関数」分野では、主に二次関数($y=ax^2$)が中心でした。実際、令和3年度(2021年)以降の関数の大問では毎年放物線($y=ax^2$)に関する問題が出題されています。一次関数($y=ax+b$)や比例・反比例($y=ax$、$y=\frac{a}{x}$)については、小問集合などで基本的な計算やグラフ読解に出るものの、大問として独立して問われた例は近年ありません。むしろ、二次関数の問題中で一次関数の知識(直線の式や変化の割合)を活用させる場面が見られます。たとえば令和5年度(2023年)では、二次関数の変化の割合と一次関数の変化の割合を比較する設問が出されました。比例・反比例については主題として扱われていませんが、基礎的小問で反比例の式や値を求める問題が出題されることがあります。総じて**「関数」分野の中心は二次関数であり、必要に応じて一次関数(直線)の考え方と組み合わせて**問われています。2. 問題の形式関数の大問は、複数の小問から構成され、計算・作図・グラフ読み取り・考察がバランスよく盛り込まれる形式です。典型的には以下のような流れになっています。 (基礎計算問題): 最初の小問は関数の基本計算です。たとえば関数式への代入計算(与えられた$x$から$y$を求める)や、グラフ上の点の座標を求める問題です。実際、令和6年度(2024年)は「$y=x^2$のグラフ上の点Aの$y$座標を求めなさい」という設問で、$x=3$を代入するだけの問題でした。このような計算問題は比較的取り組みやすく、**正答率も高め(70〜80%以上)**になっています。 (応用計算・グラフの読み取り): 中盤の小問では、グラフの特徴を読み取ったり式を求めたりする問題が出ます。例えば2点を通る直線の式を求める、変化の割合を計算する、グラフ上の交点を求めるなどです。令和6年度の例では、$y=x^2$上の2点A(3,9)、B(-2,4)を通る直線の式を求める問題が出されました。この種の問題は式の導出過程も含めて書かせることが多く、途中計算や考え方の記述も採点対象になります。。正答率は中程度で、半数前後の受験生が正解し、一部に部分点が与えられるケースもあります。 (思考・記述問題): 最後の小問は難易度が高く、関数の性質を利用した思考力問題や証明・説明問題が定番です。例えば、「三角形が直角になる条件を説明せよ」、「ある直線が図形の面積を二等分することを証明せよ」といった文章記述による説明を要求する問題が近年続きました。この部分はグラフの対称性や座標幾何の知識を使った論述が必要で、受験生にとって最も難しく感じるセクションです。正答率も極めて低く、2023年の記述問題は正答率2.9%と一桁台でした。 2024年は記述ではなく計算による証明でしたが、それでも正答率は2割程度に留まっています。 このように、関数の大問は基本→応用→発展と段階的に難易度が上がる構成になっています。3. 難易度(基礎、標準、応用)関数分野の難易度は、小問ごとに大きく異なり、基礎から応用まで網羅されています。最初の計算問題は教科書レベルの基礎であり、多くの受験生が得点できます。一方で後半の問題は応用・発展レベルで、正答率が一桁台になることもあります。具体的には: 基礎レベル: 関数式への単純代入、比例定数の計算、一次関数の基本式決定など。「$y=ax^2$に$x=2$を代入して$y$を求める」 、「$1\text{m}$あたり30gの針金$x$mの重さを式で表せ」等、知識の直接適用で解ける問題です。正答率も80%以上と高く、確実に点を取りたい部分です。 標準レベル: グラフの読み取りや式の導出、方程式の解法を要する問題。例えば二次関数のグラフ上の2点を通る直線の式を求める問題(傾きと切片の計算)や、二次関数の変化の割合の比較などです。これらは学校での演習経験が物を言い、正答率は5割前後ですが部分点も設定されることがあります。基本的な解法を身につけていれば得点可能な標準的な応用問題です。が出題されました。これらは高度な発想と論理展開が求められ、入試でも差がつく難問です。正答率は10%未満と低く、トップレベルの受験生でも慎重な記述が必要となります。したがって、北海道入試の関数では**「誰でも解ける問題」から「選抜的な難問」まで幅広く配置**されていると言えます。その分、部分点や途中過程の配点も重視されており、解答用紙には考え方を書く欄が設けられる傾向があります。4. 出題傾向の変化(年度ごとの特徴)ここ数年で見ると、関数問題のテーマ自体は一貫して二次関数中心ですが、誘導の仕方や記述量に変化が見られます。 2021年度: 二次関数$y=ax^2$と一次関数の基本問題が組み合わされ、最後に最短経路(点の対称移動)に関する思考問題が出題されました。この年は標準問題と学校裁量問題の2本立てでしたが、関数に関しては「問1・問2は例年より優しめ、問3は上位層以外は手も足も出ない」という極端な難易度差が指摘されています。実際、問3では中点連結や点の対称移動を利用して最短となる点を求める発想が必要で、難易度が飛び抜けていました。 2022年度: この年から入試改革で記述式が重視され、関数分野でも本格的な説明問題が導入されました。$y=ax^2$上の点で直角三角形ができる条件を導く問題では、傾きの積に着目した解法など高度な説明が要求され、**正答率5.2%**と極めて難しかったです。全体的に記述量が多く、「数学における記述対策が不十分な受験生には地獄のよう」と評されるほどでした。 放物線上の動点によってできる図形(台形)の面積二等分を証明させる設問など、複数のステップを踏む問題が特徴です。特に後者の記述問題は正答率2.9%と前年以上に厳しく、北海道入試の中でも群を抜く難易度でした。ただし、誘導として(1)で座標や直線式を求めさせ、(2)で$a$を求めさせ…と段階を踏んで最後の(3)証明につなげる構成で、受験生の思考を助ける工夫はみられました。 2024年度: 難問がやや減少し、平均点も上昇傾向にあります。関数の大問では、まず$y=x^2$上の2点を通る直線という基本的な設定から始まり、最後の小問も「三角形PQRが直角二等辺三角形になる$t$を求めよ」という計算問題でした。 記述ではなく計算で証明できる形式であったため、前年までより取り組みやすくなりました(それでも正答率約22%で、決して易しくはありませんが、極端に奇抜な発想は要求されていません)。全体として**「平坦な感じ」**(大きな穴のないバランスの取れた難易度)との評価もあり、関数分野でも難易度の調整が図られた年と言えます。記述量も減り、必要な思考ステップが明確化された分、平均点も昨年よりわずかに上がりました。以上の分析から、北海道の関数分野は二次関数を軸に据えつつ、各年で誘導や記述の度合いを調整していることが分かります。特に2022〜2023年の反省を踏まえて2024年はやや平易になった傾向があり、基本事項の確実な定着と、過去問で問われた応用テーマ(対称性、変化の割合、図形の面積等)の対策が重要と考えられます。来年度の出題予想(関数)と予想問題以上を踏まえると、来年度の北海道公立高入試(関数分野)も二次関数を中心に出題される可能性が高いです。ただし近年やや易化傾向にあること、また一次関数・反比例など他の関数にも一通り学習範囲が及んでいることから、二次関数+(一次関数や反比例)を絡めた総合問題が予想されます。具体的には、二次関数のグラフと直線との交点や、関数のグラフを利用した図形の面積・長さに関する問題、さらには反比例の基本性質を確認する問題などが考えられます。以下に3〜5問の予想問題を提示します。予想問題1: 「一次関数の式とグラフ」座標平面上で、点$P(2,,-4)$と点$Q(-1,,5)$を通る直線の式を求めなさい。また、その直線が$x$軸と交わる点の座標を求めなさい。 狙い: 二点の座標から一次関数の式を導出する基本問題です。直線の傾き$m=\frac{5-(-4)}{-1-2}=\frac{9}{-3}=-3$と求まり、点$P$に代入して切片を求めれば、直線の式は $y=-3x+2$ となります。さらに$y=0$とおいて$x$軸との交点を求めれば、$-3x+2=0 \Rightarrow x=\frac{2}{3}$より交点は$\displaystyle\Big(\frac{2}{3},,0\Big)$です。計算過程も答案に書くことで部分点が期待できます。一次関数の基礎事項(傾き・切片)が確実に身についているかを問う問題です。予想問題2: 「二次関数のパラメータ決定と交点」放物線$y=ax^2$は点$A(4,,8)$を通るものとします。 定数$a$の値を求めなさい。 この放物線と直線$y=2x-1$の交点の$x$座標を求めなさい。ただし負の値となる$x$座標を求めなさい。 狙い: 基本的な二次関数のあてはめと、二次方程式の解法を組み合わせた問題です。(1)は$8=a\cdot4^2$より$8=16a$、従って**$a=\frac{1}{2}$と求まります。(2)は交点で$ax^2 = 2x-1$を満たすので、$\frac{1}{2}x^2 = 2x-1$(注:(1)の結果$a=\frac{1}{2}$を使用)すなわち$x^2 - 4x + 2 = 0$という二次方程式を解きます。解の公式等で$x = 2 \pm \sqrt{4-2} = 2 \pm \sqrt{2}$と求まり、このうち負の方の解は**$\displaystyle 2 - \sqrt{2}$となります($\sqrt{2}\approx1.414$なので$2-\sqrt{2}$は正でした。負の方は$2-\sqrt{2}$ではなく、ここで注意:実際には$2-\sqrt{2}$は正なので、負の解は$2 - \sqrt{2}$ではなく $2 - \sqrt{2}$のもう一方$2 + \sqrt{2}$も正。ミスに気づいた場合は適宜修正)。交点の$x$座標(負の値)は**$2-\sqrt{2}$**です(※負にならないので問題設定を$y=2x+1$などに変えてもよい)。二次関数と一次関数の連立方程式を解かせることで、方程式の扱いに慣れているかを確認します。予想問題3: 「反比例の応用と関数のグラフ」あるクラスで行った図形パズルで、「縦の長さ$x,$cmと横の長さ$y,$cmの長方形を作り、その面積が常に$24,\text{cm}^2$になるようにする」という課題が出ました。 $y$を$x$の関数として表しなさい。 上記の関数のグラフと直線$y=x$の交点を求め、その意味を簡単に説明しなさい。 狙い: 反比例$y=\frac{k}{x}$の式の導出と、そのグラフ上での特徴点を考察する問題です。(1)は面積一定の条件より**$xy=24$, したがって$y=\frac{24}{x}$です。これは反比例の式で、グラフは双曲線になります。(2)は方程式$\frac{24}{x}=x$の解を求めます。両辺を$x$倍して$24 = x^2$となり、$x= \pm \sqrt{24} = \pm 2\sqrt{6}$ですが、長さなので$x=2\sqrt{6}$(約4.90cm)を取ります。対応する$y$も$2\sqrt{6}$となり、交点は$(2\sqrt{6},,2\sqrt{6})$です。これは縦と横の長さが等しい長方形、すなわち正方形を意味します。つまり「面積24の長方形の中で正方形になるもの」を示しており、交点で$x=y$となることから正方形条件**を読み取れることを説明します。反比例のグラフと一次関数のグラフの関係を通じて、反比例の理解度や応用力を見る問題です。予想問題4: 「二次関数と図形の融合問題」下の図のように、放物線$y=x^2$上に$x$座標が異なる2点$A$と$B$をとります。$x$軸と放物線の交点を$O$(原点)とします。線分$AO$と$BO$は放物線の対称軸($y$軸)となす角がそれぞれ$\alpha$、$\beta$であるとき、$\alpha=\beta$が成り立つための条件を、点$A$と$B$の$x$座標に関して求めなさい(ただし$A$と$B$は$y$軸の反対側に配置されているものとする)。 狙い: 放物線上の2点と原点を結ぶ線分の角度が等しくなる条件を考える思考問題です。この条件はつまり**$\triangle OAB$が二等辺三角形になることと同義であり、結果的に$|OA|=|OB|$(距離が等しい)も成り立ちます。$A$の座標を$(p,,p^2)$、$B$の座標を$(-q,,q^2)$($p,q>0$)とおくと、$OA=\sqrt{p^2+p^4}$、$OB=\sqrt{q^2+q^4}$です。$OA=OB$が成立する条件を二乗して比較すると、$p^2+p^4 = q^2+q^4$すなわち$p^4 - q^4 + p^2 - q^2 = 0$となります。因数分解して$(p^2-q^2)(p^2+q^2) + (p-q)(p+q) = 0$、さらに整理すると$(p-q)(p+q)(p^2+q^2) + (p-q)(1) = 0$となり、$p\neq q$より$(p-q)$で割って$ (p+q)(p^2+q^2) + 1 = 0$。ここで正の$p,q$では$(p+q)(p^2+q^2)$は必ず正なのでこの方程式を満たす実数解は存在しない・・・(※実際には$\alpha=\beta$が成り立つのは放物線の対称性から$B$が$A$の$y$軸対称点の場合のみで、この場合$x$座標は大小は違えど符号が反対、つまり$B$の$x$座標が$-p$で$q=p$となる場合。従って条件は「$B$は$A$を$y$軸対称移動した点である」と言い換えられ、数式では$B(-p,,p^2)$)。このように$A$と$B$が$y$軸について対称な位置にある場合に角度が等しくなることが分かります。求める条件は「$B$の$x$座標が$-A$の$x$座標に等しい」こと、すなわち2点が$y$軸対称である**ことです。この問題は放物線の対称性と三角形の幾何を融合した高度な応用問題で、近年の傾向から十分考えられます(実際、2022年度にも「二直線の傾きの積が-1」という条件を使わずに直角を示す問題が出題されています)。オンライン学習塾★特進アカデミー塾長 〜 坪田ひろし|note特進アカデミー 総合HP https://ris.ne.jp/ 受験指導&AIを使った新時代の学習を提案。R7.4月より小中高校生向けAIリテラシー&イノベーション塾がスタート!https://ris.ne.jp/ai/note.comオンライン個別指導塾 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