Delizioso 25 | copain (Ameba出張所)

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強火智担で根っからの腐女子のあややがひっそりまったりと某気象グループの長男×四男の【J禁P禁】を取り扱っている駄文サイトです。
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某気象グループの長男×四男の
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◇18歳以下
◆J禁、P禁ってなに?
◇BLってなに?
◆ONは受け入れられない!
って方はご遠慮下さい。

◆side智  は な ︰11:26up
◆side和 あやや︰18:17up

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1つ前のお話

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和25


女はその場で現行犯逮捕された。

一部始終を警察官が見ていたとはいえ、
オレたちも事情聴取を受けることになった。

オレは怪我をしているので先に病院へ、と言われたが
ほんのかすり傷で痛みもなかったので、応急セットに入っていた消毒液と絆創膏だけお借りした。

住居侵入、器物損壊、禁止命令違反。

逃げる準備をしているときに
念のため、とさとしのスマホを録画モードにして胸ポケットに入れていたので、すべてが録画されている。

オレへ「おまえさえいなければ」と刃物を振りかざして襲い掛かってきた件も、脅迫罪、暴行罪の証拠付きだ。

これでオレが怪我でもしていれば傷害罪も追加になっただろう。
でもまぁ、怪我はしないに越したことはない。

さとしになにもなくて、本当に良かったと思う。


一通りの事情聴取を終え、ふたりでさとしの家に帰宅したころには、既に夕方になっていた。

「なんか、長い1日だったね」

不思議なくらい疲れは感じていなかった。
あまりに、非日常だったからだろうか。

さとしも頷いて続けた。

「無事にふたりで帰って来られて良かったよ」

ガラスを割って侵入されたリビングの現場検証も、
割れた窓ガラスの交換も終わっていた。

リビングの照明を付け、カーテンを締めた。

警察からはリビングだけ侵入したようだと聞いていたが、念の為、レッスンルームと楽器も確認する。

被害はリビングの窓ガラスだけで間違いないようだ。

レッスンルームにはさとしが昨日準備しておいてくれたチェロがそのままになっていた。
ポツン、となんだか淋しげに見える。

「結局、レッスン出来なかったね」

一応生徒として通っているのに
昨日はふたりで違う勉強しかしなかった。

なんだか申し訳ない気持ちになって、ネックを撫でてごめんね、と呟いた。

「そうだな。このまま片付けるとこの子が可哀想か」

さとしはそう言って、軽く弦を爪弾いた。
そのままゆったりとチェロを抱え演奏を始める。

それはオレでも聴いたことある、名前は知らないけど知っている曲。
新世紀エヴァンゲリオン劇場版「シト新生」のタイトルロールでシンジがチェロで弾いていた曲だ。
続いて今度は劇場版「DEATH(TRUE)²」で四重奏していた曲へと変わる。
うろ覚えの主旋律を口ずさむとさとしがにっこり頷いた。

途中わからないところもあったが、さとしが気にしないで好きに唄えばいいと言うので、しばらくチェロと鼻歌のセッションを楽しんだ。

演奏が終わり、さとしがチェロをケースに片付ける。
オレも「ありがと」とチェロとさとしに声を掛けた。

片付け終わったさとしが椅子にもう一度座ってオレに手招きする。

さとしに近付くとそのままさとしの膝に座るように引き寄せられた。

「本当に無事で良かった」

バッグハグの状態でオレの肩に顔を埋めて
そう言ったさとしの声は、ほんの少しだけ涙声に聞こえる。

「さとしこそ。あの女と直接押し合いになってたでしょう?
 ケースの中だから見えなかったけど、本当に心配したんだからね。
 でも、護ってくれてありがとう」

「ううん…護りきれなくて。
 怪我させちゃってごめん」

さとしが後ろから覗き込むようにオレの顔を見て、絆創膏の横をゆっくりとなぞる。

オレは痛くないのに、さとしは痛そうに顔を歪める。

「大げさだなぁ。痛くないのに」

「でも…顔に傷…」

「たいしたことないって。ほら」

オレは絆創膏をいきおいよくペリッと剥がした。

「なんともないでしょ?
 こんなの、舐めときゃ治る、ってやつだよ」

「…」

さとしがオレの傷に指先でそっと触れる。

「俺が……責任持って舐めて治すよ」

いつもより少し低い声。
さとしの瞳の色が、変わった気がした。

期待なのか興奮なのか、肌が粟立つ。

さとしはそのままゆっくりと、オレの傷に舌を這わせた…。

「ねぇ、このまま、かずを弾いてもいい?」



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次話→


です。

>゜))彡
どの曲?ってぱっと浮かばないかもなので解説です。

旧劇場版「シト新生」タイトルロールでシンジがチェロで弾いていた曲はバッハの無伴奏チェロ組曲の第1番です。

DEATH(TRUE)²の四重奏はパッヘルベルのカノンです。
シンジが四重奏の基礎を成すチェロ、アスカは華やかではあるが主役とは言えない第二ヴァイオリン、レイは陰りを感じさせるヴィオラ、カヲルはクライマックスを方向付ける第一ヴァイオリン。
チェロから始まりそれぞれのパートが徐々に重なって盛り上がって行く曲の構成が、エヴァの物語とも重なっていて、担当する楽器もですが秀逸だなぁと思いました。
智はどんなふうに和を弾くのでしょうね(//∇//)