人にはそれぞれできることと
できないことがあります。
できないことが
いきなりできるようにはなりません。
できないから、できるようになろうとして、
少しずつできるようになっていくのです。
剣道の送り足という足さばきで例えるなら、
送り足の足運び自体は
決して複雑な訳ではないので、
やり方さえ教えてもらえば誰にでもできます。
この送り足という足さばきは、
剣道で最も使われる足さばきで、
姿勢、体勢を保ちながら、
隙を見つければ直ちに相手に打ち込み、
また、その打突が決まらなかったときにも
すぐに追撃ができたり、
相手の反撃を臨機応変に
応じ返したりするために
必要な足さばきだと思います。
しかし、
送り足は日常の歩き方とは
足の運び方が違うので、
慣れないうちは
スムーズに素早く行うことは難しく、
どうしてもぎこちなく、遅くなりがちです。
そうなると、
普段通りの歩く、走るで良いのではと
思うかも知れません。
確かに、目先のことを考えれば、
そのときはその方がスムーズで
良いかも知れません。
しかし、送り足で稽古をしなくては、
いつまで経っても、
スムーズで素早い送り足は
できるようになりません。
長期的に考えれば、
送り足をスムーズに
素早くできるようになる方が
強くなれると思います。
このときに、
「送り足をする」というのは、
やり方さえ知っていればできることで、
「スムーズに素早く送り足をする」というのは、
やり方を知っていても
すぐにはできないことです。
「スムーズに素早く送り足をする」ことは、
できないからといって、
やろうとしなければ、一生できないままです。
しかし、「送り足をする」ことは、
ぎこちなくても、
遅くても良ければできることのはずです。
「送り足をする」ことを続けていれば、
身体の運び方や足の運び方に慣れてきて、
送り足が段々とスムーズになってきます。
よりスムーズに、より素早く、
より正確に送り足ができるようになろうと、
送り足で稽古を続ければ、
最初の頃にはできなかった
「スムーズに素早く送り足をする」ことが、
できるようになってくるのです。
もちろん、人間のやるとこなので、
やれることには限界があります。
スムーズに素早くといっても、
いつかは限界がくるでしょう。
光の速さで足さばきとなれば、
それは無理です。
しかし、それとは程遠いとはいえ、
少しずつでも近付けていくことはできます。
どこまで素早くできるようになるかは、
やってみないとわかりません。
そして、この送り足が
スムーズで素早いほど、
相手とのやり取りを有利に展開でき、
剣道が強くなれると思います。
自分にできることをやる前から
簡単に自分にできないと諦めてしまっては、
できるようになることも
できないままになってしまいます。
先ずは、自分にできることを
できるだけやろうとする。
そうすれば、
その先が見えてきます。
剣道に限らず言える事だと思いますが、
自分のできることをやるということは、
大切なことだと思います。