お母さんの話 | でこぼこな私をおもしろがってみる

でこぼこな私をおもしろがってみる

子供のときにSJSという難病にかかり、後遺症で視覚障害があります。
どんな自分もまるっと受け止めながら、おもしろがりながら笑って生きたい。そう願いながら綴っています 。

こんばんは。

まりこです。



心のことを学ぶようになって
私は
お母さんを幸せにしたかったんやな
笑顔にしたかったんやな
助けたかったんやな
そう気づいた。


父のいろいろな言動に苦しんでるお母さんをずっと見てきたから
お母さんは不幸な人
かわいそうな人と思ってた。


自分の幸せよりお母さんの幸せが一番やった。


お母さんが笑ってくれてたらそれで十分やった。


お母さんが大好きで大切で
お母さんを幸せにできるのは私しかいないと思ってた。


それやのに
お母さんを幸せにできなくて
笑顔にできなくて
助けられなくて
私はずっと
お母さんごめんねと思ってた。


お母さんを幸せにできない罪悪感でいっぱいやったんよね。


そんなお母さんを置いて実家を出るなんて
私にはありえないことやったけど
私は去年の9月にひとり暮らしを始めた。


ひとり暮らしを決めたのは
心屋塾マスターコース受講中。


父が生きるか死ぬかの病気をして
それまでのようには働けなくなって
父が家にいる時間が増えた。


私は父が嫌いやったし
父の言動にストレスを感じてたから
限界が来たんよね。


父が病気をしたのに家を出るなんて無責任なんじゃないかと思ったけど
もうそんなことを言ってられる精神状態ではなかった。


お母さんが心配でずっと我慢してたけど
もう無理やった。


マスター中は不思議なことに
心に変化が起きるからなのか
人生を動かされるような出来事が起きると聴いてたけど
私も例外じゃなかった。


これはもう
ここを出ていいということなんやと思った。


講師を担当してくださった

うさこさん(古庄由佳さん)に相談させてもらったとき



「まりこはもう
まりこの生きたいように生きていいんだよ。
まりこは自分の力でしっかり生きていける人だよ。」


優しくそう言ってくれた。


私は7歳で病気をして
辛いとき苦しいとき
いつもそばにいてくれて
一緒に病気と向き合ってくれたのはお母さんやった。


私はお母さんに
たくさんたくさん甘やかされて育ったと思う。


困ったことがあったら
いつもすぐに助けてくれた。


だから私は自分のことを
お母さんがいないと生きていけない人と思ってたし
お母さんが死んだら私も死ぬと思ってた。


ひとり暮らしは
寂しいし
全部自分でしないといけないから大変やし
お金かかるからしたくないと思ってたけど
ほんまはずっとまえから家を出たかったのかもしれない。


でも
ひとり暮らししたいなんて思っちゃったら
お母さんのそばにいられなくなるから
したくないことにしてたのかもね。


お母さんがいないと生きていけない人という前提も
そんなだめな自分に罪悪感を持ちながらも
私自身がそういう人でいたかったのかもね。


お母さんを守るためにはそのほうが都合がよかった。


うさこさんは
うだうだ迷ってる私にこうも言ってくれた。


「まりこは家にいたらじゃまだよ?
お母さんはまりこがいるから
安心してお父さんと不仲になれる。
お母さんがまりこを支えてるんじゃなくて
まりこがお母さんを支えてるんだよ?」


なんかね
ガツンとそう言われて
うさこさんに背中を蹴飛ばされたみたいやった。笑


頭のてっぺんからなにかが抜けたみたいで
体が軽くなって
ひとり暮らしを決意した。


そのあと一緒に帰ったマスター同期の子に
「スッキリした顔してるね」って言われたのを覚えてる。


このときにやっと
背負ってたものをおろせたのかなと思う。


うさこさんは私の悩みに
本気で
全力で
体当たりでぶつかってくれて
向き合ってくれた。


ほんまに嬉しかった。


いま思い出しても
じんわり暖かい気持ちになる。


ちょっと話しただけやのに
ここまで私の状況を理解してくれて
うさこさんのカウンセリングの威力に
ほんまに感動した。


「まりこはじゃまだよ」の言葉も衝撃的やったけど
「お母さんがまりこを支えてるんじゃなくて
まりこがお母さんを支えてるんだよ」の言葉にはかなり衝撃を受けた。


自分がお母さんを支えてるなんて思いもしてなかったから。


私はずっと
お母さんを幸せにできなかっただめな娘と思ってたから。


私のお母さんの支え方は
普通とは違ってたのかもしれないけど
それでもなんかちょっと嬉しいと思う自分がいた。


私はこれでも
お母さんの役に立ててたんやって。


☆☆☆☆☆☆☆


予想どおり
お母さんはひとり暮らしに反対やった。


「調子が悪くなったらどうすんの?
食べることはどうすんの?
お金はどうすんの?」


いろいろ言われた。


私だって心配やったし
やっていける自信なんて全然なかった。


でももう
ここまで来たら行くしかないと思った。


それが自分を信じることやし
お母さんを信じることやと思ったから。


めちゃくちゃ怖かったけどね。


怖すぎて
引っ越しまえは眠れなくて
精神的に不安定やった。


でも
私の気持ちはかたまってて
やっぱりやめるという選択肢はなかった。


☆☆☆☆☆☆☆


ひとり暮らしして9ヶ月。


いまはまだ頑張ってそうしてる感じやけど
お母さんを見張るのをやめて
お母さんは不幸もやめた。


実家が近いとはいえ
もう見張りようにも見張れないしね。


昔は
お母さんと私はニコイチなんて
なんの疑いもなく思ってたけど
お母さんの人生と私の人生を切り離せるようになってきたと思う。


お母さんから見たら
そんな私は冷たく映るのかもしれない。


大好きなお母さんに
冷たいなんて思われるのは悲しい。


でも
それでも私は我慢せず生きたいように生きる。


私は私の気持ちを優先する。


まだまだ怖いことやけど
それが自分のこともお母さんのことも大切にすることやと思ってる。


そう信じてる。



おわり