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事業、できれば子どもに後を継がせたいという親は多い。
順調な会社ほどそう思うだろう。ほんとは他人に譲りたくない。せっかく苦労して良い会社にしてきたのだから。
中小企業、同族経営を引き継ぐには代表取締役になり、株を保有することになる。過半数の株を持たないと地位が危ない。
子に経営者としての実力が必要であることはいうまでもなく
従業員から信頼されなければ行く先は危うい。
株を子どもに譲るといっても良い会社ほど株が高く評価され
贈与税が大きすぎるので簡単に譲れるものではない。
相続により株を取得しても売れない株、その相続税が払えないということも起こる。小規模な会社、土地や株の資産保有会社ほど高くなり、従業員の多い会社ほど評価は低くなる。解散しにくいからだろう。
株を譲るのに税金の負担を猶予し、8割相当を最終的に免除する事業承継税制が、平成20年10月にできたが、要件が厳しく、この適用を受ける人は少なかった。
平成30年から変わった。割合すっきりした形になった。
次の承継までの納税猶予という形であるから、もし、要件を外れると猶予を取り消され利子をつけてそっくり追徴されるのがこわい。
その要件が大きく緩和された。また、次に無事承継ができれば猶予が免除に変わる。
ただ、5年間は毎年の届け出も必要。
リスクを十分理解して適用を受けたいもの。
後継者も代表者であり続けることが要件。生身の人間には、絶対はない。
要件の一つに、後継者は5年間平均、雇用を8割維持することがあった。
会社はやむを得ず縮小すべきこともある。
大震災、大不況など不慮のことがあるかもしれない。それを考えると怖くて使えないだろう。
それが平成30年から緩和されて、5年平均で8割の雇用維持を満たさない場合でも
認定支援機関になっている税理士等の指導や助言を受ければクリアーできることになった。
そのほかの要件で緩和されたことは
〇現在の経営者の持ち株のすべてを納税猶予の対象にでき、納税猶予の割合も100%となった。
要件さえ満たせば、全く無税で後継者に株を譲れることになった。
〇廃業、事業譲渡でも2年連続の赤字転落などの要件を満たせば
それ相当の時価で株を再評価して支払うべき猶予税額の算定をしてもらえる。
万一の場合でも後継者の負担の減少になる。
〇後継者は3人までとすることができる。親族以外でもよい。
後継者を子供二人にしてもよい。
後継者が株を保有して事業を継続しておれば株の贈与税及び相続税について
納税猶予を100%受けられる有難い制度だが
都道府県に対して事前に特例承継計画書を提出し、その認定を受けることが必要になる。
受けたい人は平成35年3月までに出すことになる。
この計画書に変更が生じた場合でも変更が認められるので
とりあえず、提出しておくことでもよい。



