
『風にそよぐ墓標父と息子の日航機墜落事故』門田隆将著ヨリ写真
中部方面音楽隊 大阪府警音楽隊『見上げてごらん夜の星を』坂本九
新第15話……
本作はフィクションであり、作中の自衛隊部隊は架空であり、存在しません。また、実在する人物の行動や言葉、テレビ番組放送日は…書籍やテレビ番組等を参考にした【創作(当たり障りない程度に……)】で事実と違います……。
フィルフィルハーモニー交響楽団『ウルトラセブン第三楽章ウルトラホーク発進』

85年7月下旬
千葉県房総半島⚪⚪村(架空)
⚪⚪村民会館前運動場
2300マルフタマルマル)
千葉県房総半島南部太平洋側……300m級の山々が連なる【房総丘陵】の森林地帯を背に位置する、小さな漁村の木造平屋建ての小さな体育館……〈⚪⚪村民会館〉がある……。〈⚪⚪村民会館〉前には、サッカー兼ラグビー場と、野球場が並ぶ〈⚪⚪村民広場グラウンド〉があり、小規模ナイター照明が地面を明るく照らしている……。小さな漁村の割りには、随分と立派な運動施設だ!何故だ?それは……⚪⚪村は……【ひがし野自衛隊転地訓練御用達】村なのだ!
グラウンドには、ヘルメットを被り、リュックサックを背負い、何やら棒状の物を抱えた【カエルの様な柄の緑系色作業服の汚れた顔の異様な男達】の集団約50人程がいる……。
一目で分かる……。自衛隊だ。カエル緑系色とは【迷彩】であり、ヘルメットではなく【鉄帽】であり、汚れた顔とは【ドーラン】であり、緑系色作業服とは【迷彩服】であり、リュックサックとは【背のう】であり、棒状のモノとは……?【64式自動小銃】だ!

昼間、グラウンドに日光が容赦なく照り付け、カラカラに乾いた地面の砂埃は、半径100mの空間にいる者達に、容赦なく襲い掛かかる。目も開けてられない……筈だが……異様な集団はへいちゃらな様だ……。ゴーグルをしているからだ……。
説明すると……【ひがしの野空挺旅団】が【森林降下行動訓練】等を行っているのだ……。【ひがし野空挺旅団】では訓練を『風林火山』と名付けている。風……【持続走】、林……【射撃】、火……【ラグビー合宿】、山……【武道】として、隊員達は精進に励んでいる……。が、その内の風と火と山……【持続走合宿】【ラグビー合宿】【武道合宿】をこの地域にて行うと共に『海を使った【水路侵入訓練】』【空挺レンジャー訓練】も行っている。
民有地にある自衛隊の訓練場……といったところだ。演習場と違うのは、戦車、装甲車などの、森林破壊をしてしまう【カタピラ車】が入らず、小規模訓練のみが行われていることであろうか……。
『【自衛隊さん】は、お金を落として行ってくれる(買い物)』と、村民達も【自衛隊さん】大歓迎!』の村だ……。部隊を移動させることを【転地訓練】と呼ぶが、民有地で訓練を行うことも名目上【転地訓練】と呼ぶ。⚪⚪村は……【ひがし野自衛隊転地訓練御用達】村だ!

月日は不明だが……52年頃……自衛隊の前身である警察予備隊が、陸上自衛隊に格上げされるにあたり、アメリカからの勧告があった……。

『自衛隊部隊の目標となる精鋭部隊……〈空挺部隊〉の創設』であった……。日本側は『日米の武力差、砲火支援前提の運用』に疑問を示し『隊員個人が高い戦闘能力を持つ〈特殊作戦遂行部隊〉』の必要を具申し【自衛隊空挺部隊】の創設を目指すことが決まった……。

56年には大隊規模に編成され、58年からは『レンジャー訓練』も始まった。

58年には旅団規模に編成され、現在の『ひがし野中央空挺旅団(架空)』となった……。
そして今、千葉県房総半島南部房総丘陵太平洋側⚪⚪村では【順応教育訓練】転地訓練を歓迎して迎えているところだ……。【順応教育訓練】(架空)とは……?一般部隊からの転属隊員は、ひがしの空挺旅団では【新米】にあたる。
主に体力錬成合宿や不定期に『リペリングや離脱』の転地訓練を行う教育訓練である(架空)。 訓練に参加しているのは〈落下傘基本降下訓練〉を終了し、転属してきた隊員ばかりである……。日程は、二泊三日で『森林へのリペリング(ロープ降下)、離脱訓練』『同夜間訓練』が行われているのだ……。

ドブ!ドブ!ドブ!ドブ!ドブ!バタ!バタ!バタ!バタ!バタ!バタ!とエンジンの爆音か轟かせて2機の自衛隊ヘリコプターUH−1Hが飛来した。2機のUH−1Hは木更津飛行隊所属のヘリコプターだ。扉は開けられたままだ。
機体側部からは十数mの【径40㎜ロープ】が一本垂らされており、ロープ先端には〈押しくらまんじゅう〉状態隊員に固まっている。4人ずつ計8人の武装隊員が吊り下げられている。
つまり、⚪⚪村民会館裏の山から、ヘリコプターで吊り下げられたまま、グラウンドまで飛行してきたというわけだ。ヘリコプターが着陸出来ない場所の上にホバリングし、垂らしたロープに吊り下げてもらう【ロープ離脱】という訓練だ!
目的地は【⚪⚪村民会館グラウンド】である!着地してロープから連結金具を外し、ヘリコプターから離れたら無事終了だ!
バタ!バタ!バタ!バタ!バタ!バタ!バタ!バタ!バタ!バタ!と独特なエンジンの爆音を響かせて、2機のUH−1Hがグラウンド上空十数mにホバリングだ!吊り下げてきた4人ずつ、2機の8人を着地させた。
〈押しくらまんじゅう〉隊員達が着地するや、隊員達はロープの連結金具から環を外し、村民会館前に向かいダッシュしていった!8人の隊員達は、集団の長らしい幹部の前に並んだ。

2機のヘリコプターキャビン内の【教官】2等陸曹が、長さ十数mの〈40㎜径ロープ〉を、機内に手繰り寄せ引き上げる。1番機キャビン内の三十代後半の【ギョロ目教官】が、剥き出しの、並びの良い白い歯を食い縛り【径40㎜ロープ】を機内に、素早く手繰り寄せ、投げ縄状に束ねた。いかにも~という……絵になりすぎの隊員だ!
バタ!バタ!バタ!バタ!バタ!バタ!バタ!バタ!バタ!バタ!と爆音を響かせて、グラウンドに着陸する2機のUH−1Hだ!
隊員の集団から、8人の武装隊員達が身を屈めて、ヘリコプターに向かい、走っていった!交代するかの様に、各2機4人ずつ計8人の隊員達が乗り込んだ。
「全員乗ったかァ~ッ!扉を閉めるゾォ~ッ!」と【教官】が叫び、2機の側部扉は閉められた。
2機のヘリコプターの中から【教官】達が〈村民会館〉の方を見ている。!2機ヘリコプターの、1番機キャビンの中から、何か???……まるで猛獣の熊の様だ!やたらギョロリと光るハッキリした目で、並びの良い白い歯が目立つ……。熊の様な屈強な体躯の中年隊員……襟の階級章は【2等陸曹】だ!
ニカッ!と白い歯が光を放った熊の様な隊員は笑顔を見せた!

ブグッ!と〈村民会館〉前の50人の隊員達は、堪え笑い大会だ!
「グッ!……ブフクゥッ!……〈熊さん〉……クック!……」訓練の長であるらしい2十代半ばの若い幹部……襟の階級章は【2等陸尉】の岡部俊哉も堪え笑いだ……。
ブルブゥワァアオヲォォォ~ン!ブルブブブゥ~ッ!と遠ざかるエンジン音の2機のUH−1Hだ……。裏山森林地帯に向かい飛んで行った……。
「何ンだか~?岡部2尉~!堪え笑いでしたよォ~ッ!」と隊員の陸士長が、2等陸尉を指差して野次を飛ばした!
ダハハハハハハハハハハハハハハハァ~ッ!バハハハハハハハハァ~!と学生達と50名の隊員達は大爆笑だ!
「ワハハハハハハハハハハハハハハハハハハァ~ッ!」と堪え切れず爆笑の幹部の2尉岡部だ!

「や~!しょうがないですよお~!どう見ても〈夏八木勲〉ですもン!〈熊さん〉の……いや佐久間2曹の~!あの〈ワイルドで爽やかすぎ〉て~笑顔を通り越して〈反則〉ですモン!」と待機していた陸士長が、野次を飛ばした!
ダハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハァ~ッ!またまた大爆笑の隊員達だ!
「いや~ッ!熊さんの~あの〈爽やか〉を通り越した~あの笑顔は~やはり〈千葉真一〉ですよ絶対に!」と叫ぶ陸士長もいた!
バハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハァ~ッ!更に、大爆笑の隊員達だ!楽しすぎるゾ!お前達~!空挺隊員は!
「では!岡部2尉は〈熊さん〉……いや!……佐久間2曹は誰に似てますか?」誰か陸士長が言った。
(「さ~!岡部2尉!誰の名前を出して笑わせてくれるンですか?ぷ!ぐッ!」)と学生達は期待して堪え笑いだ!その言葉に岡部は、腕を両腕を組み首をかしげて戻してから言った……。

「自分は……そうだなぁ~!〈熊さん〉……佐久間2曹は【羅生門】の……〈三船敏郎〉……かなぁ~!」
ヘェェェェェェェェェェ~!と隊員達は納得の感嘆を漏らし、静まり返った……。岡部2尉は〈真面目〉すぎるのか……あまりにも正解すぎる答えだ!
しかも、隊員達の中学校の時の、社会科の教科書に載っていた作品だ!朝鮮戦争特需景気真っ只中の52年、『アメリカに認められたぞ!』と自信と元気を日本国民にくれた【文部省推薦】名作映画……。【羅生門アカデミー賞】……と載っている俳優の名前だ……。
『義務教育の教科書が押し付ける名作』……勉強嫌いで自衛隊に入った隊員達は思った……。隊員達には馴染みが無さすぎる作品だ……。岡部は、若くして2等陸尉で、エリートらしい……。ハリウッド映画の主人公はどンな辛く苦しい目に会っても、軽くジョークで笑い飛ばし、更に克服してしまうのだが……。
(「自分達は【空挺隊員】であり、一般部隊よりレベルが高く、厳しい訓練に身を置いている……常に筋肉痛なンです……その辛さ……映画の主人公みたいに、冗談コイて笑い飛ばしていたいンですね……隊員達に合わせた【冗談】を……演練〈自衛隊用語……練習〉しておいて頂きたいな……」)と、若い隊員達は、岡部に対して思った……。
(「………………………」)……この【空気】どうしよう……困っていた岡部に助け舟だ!
「…………報告!」と【助教】の3等陸曹が叫んだ。
「気を付け!……直れ!……学生1番機2番機総員8名異常なし!」と降りてきた4人2機2列8人の隊員の右端の前例と後列の学生3等陸曹が叫んだ。
夜間森林降下訓練 教官2等陸曹佐久間は、常に【ハリウッド映画の主人公】のように、喋り続けている。学生達を常に奮い立たせておくためだ……。良い意味で、学生達は、佐久間に操作されているのだ……。
「お前達~!【順応訓練】で沢山リペリングをしたな!降下塔や~演習場の平らな場所で降下出来たって【駐屯地祭り】で〈シャバの人達(来場者)〉に見せる位にしか役にたたん!」
「……………………」
「我々はどんな山林の木々の間にもォ~地上からペンライト一本で合図されれば~如何なる場所にも降下するッ!……【命令】が出たならなッ!」佐久間は学生達に叫んだ!
「……………………」黙って、真剣に2等陸曹佐久間の話を聞く学生達だ!学生達は、自分達が【何か?の主人公】になって、テンションが上がって来ていることに気付いていない。佐久間の特殊技術だ!
「その為に常に訓練するンだ!我々は空挺隊員だァ~ッ!」
ハァ~イッ!と4人の学生は叫び返事した!

「気を付けろよォ~!!野郎の体重で枝の上に股がってみろ!キ⚪タマ潰れるゾォ~!」
ワハハハハハハハハハハハハハハハハハハァ~ッ!学生達爆笑だ!
「降下中~不必要に股を広げるなよォ~ッ!着地の時も地面から飛び出た木に気を付けろよ~!尖った木がケツの穴ン中~入ってみろヨ~ォ!『アン!アタシのお尻ィ~異常アリだわァ~!』なンて~オカマんなっちまったら大変だからなァ~ッ!」
バハハハハハハハハハハハハハハハハハハァ~ッ!
「熊さん~こんな時~何ィ言ってンスカ~!」
ワハハハハハハハハハハハハァ~ッ!
熊こと、教官佐久間は、隊員達が能力を発揮出来るように、テンション上げの為に常に冗談を飛ばしている!陸士達からの人気者で、慕われ、信頼されている。
ジリジリジリジリジリジリジリジリ~!とベルの音が響き渡った!
キャビンの中の笑い声が消えた!学生達はキリリ!と精かんな顔の若者に変身だ!
「扉を開けるゾォ~ッ!」UH−1Hキャビン内佐久間が叫んだ!

学生達は、キャビン外の、スキッド(ヘリコプターが地面に着陸するとき、地面に接する足にあたる鉄枠)の上に立った。学生は真下の沢から合図されている赤色の光を確認した! 事前に降下した助教隊員が【ペンライト】で、位置を示しでいる。
順応訓練の締めの『【回転翼機からの【夜間森林地域ロープ降下・離脱】』訓練だ!『木々の間』…と言っても…実際には、木々から生え伸びた枝葉の先から、隣の木から伸びた枝葉までは、5~6mの間がある。高所から見ると、まるで、木々の中に入り降りて行くような感覚であるのだ……。
『‘‘肛門’’に枝先が刺さったり、‘‘睾丸’’が枝で潰されたりして~性別が男から女に変わる~』と言うことは、適正に訓練が行われていれば皆無であろう……。教官達の‘‘持ちネタ’’なのだ!
いよいよ降下開始だ!
「学生!降下用意!」教官の佐久間が合図し、叫んだ!
「降下用意!」学生も叫んだ!
「降下はじめ!」佐久間が命令だ!
「降下はじめ!」学生が叫びスキッドから後ろに軽く跳び退き、ロープのブレーキを解いた!見事なリペリング……ロープ降下だ!

富士総合火力演習/リペリング、ロープ離脱
転属隊員達は、順応訓練で、初めての、駐屯地訓練塔からのリペリングで、翔び退くと恐怖のあまりブレーキを強く掛けてしまい、止まって、振り子の様に振れてしまっていた。が、今や必要最小限のブレーキキングで減速し、沢の樹木から伸びる枝葉の手前で減速した。枝葉を越して、数秒してロープの緊張が解かれた。
着地した様だ!更に数秒すると、枝葉の隙間から赤色の光が円を描くように振られた。
『ロープを外した!』の助教の合図だ!
次は、離脱だ!降下した学生達が、今度は、ロープに環金具を固定させて、上昇するヘリコプターに、上空に引き上げてもらう……。
再び、枝葉の隙間から、赤色の光が円を描くように振られた。
『環金具をロープに固定した!』
「上昇!」と佐久間はパイロットに叫んだ!
「了解!ハンター上昇開始!」と答えるパイロットだ!ヘリコプターが上昇すると4人の隊員達が‘‘押しくらまんじゅう’’状態にかたまって、枝葉の間から上昇して来るのが見えた。
ヘリコプターは、学生達を数十mのロープに固定させたまま、更に高度を上げ、速度を上げた……。ヘリコプターUH−1Hは学生を吊り下げたまま、山々の裏の沿岸部‘’⚪⚪村民会館‘’の方向に飛び去って行った……。
8月11日0200(マルフタマルマル)
千葉県I川市内銭湯

敬太が『惚れたオンナのために命を懸けられる男』と知った広彦……。ますます敬太は可愛いい後輩だ!敬太は、2日、寝込んだ後に、出社してきた。
「見直したぜ!」
「先輩!」と直ぐに仲直りの2人だった……。
敬太をボコボコにブチのめし蹴り捲った日から、平日は、1人ぼっちになることが多かった。……いや……‘‘1人ぼっち’’になった……。‘‘1人ぼっち’’で、労働者が沢山来る定食屋に行き‘‘1人ぼっち’’晩ごはんを食べ、‘‘1人ぼっち’’で、銭湯に行く。敬太は、社員寮おんぼろアパートを出て、ミナコの実家に転がり込んだのだった……。
幸か?不幸か?この頃の日本の労働者は、やたらと仕事が多くなり始めた……。毎日~残業があり、日曜日も『昼まで』『夕方まで』仕事であった……。るみとは、日曜日に『少し会える』だけで、デートは、せいぜい月に一度位であった。
相変わらず社長に、叱られる毎日だ……。以前の広彦なら『こンなとこ辞めてやらぁ~!…パンチぶち込む、給料日!』と堪え性がなかった……。が……『今の俺には、るみがいるのだ!』と我慢出来ている自分自身に、驚く広彦だった……。
るみと、お盆休み、たくさん会える……思っていたが『2泊3日の家族温泉旅行』とのことだ……。
広彦は敬太に言った……。
「火曜日からァ~‘‘お盆休み’’だべやァ~何っ処ァ~!バイクで行かねェかァ~?」
「あァ~えェとですねェ~13日ィ火曜日はァ~映画ァ~観に行くンすよォ~!」
「おォ~!映画ァ~!何ィ観に行くんだァ~?」

「‘’ランボー2怒りの脱出‘’です!」
「おゥ~!いいねェ~!行こう!行こう!」
「…………い……いえ……ミナコと行くンですヨ……」との‘‘オンナ’’の名前を出して来た。まあ、優先するは‘‘先輩’’より‘‘オンナ’’であろう……。
「……あ……そう……じゃァ~14日ィ~何処か行こうゼ!」
「‘‘ディズニーランド’’行くンです!」
「……??…………じゃァ~……15日は‘‘いなげプール’’かァ~?……」
「ハイ!そうです!‘‘いなげプール’’行くンですゥ~!……お盆休みはミナコと出掛けますンでェ~スイマセンス!」
「………………」
どうやら、お盆休みは‘‘ぼっち者’’になった広彦であった……。

平日だろうと、日曜日だろうと、自宅に風呂がない者は、銭湯に来る……。『銭湯に来る者』の中には、淋しいヤツが多いのか?……湯上がり後に‘‘ソファーコーナー’’で、コーヒー牛乳を飲みながらテレビ視聴だ……。

アハハハハハハァ~ッ!ワハハハハハァ~ッとテレビを見ていると、周りの者達と一緒に笑っていて、割に淋しくなく、楽しいモノだ……。
テレビでは、コメディアンのたけしが~社長~という設定の、人気バラエティー番組が放送されていた……。たけしが‘‘持ちネタ’’の話芸を披露して、スタジオ客を爆笑させていた!
『だってよォ~!考えてみろってのォ~!よォ~く~大きな事故とかでェ~人がァたくさん失くなってる現場にテレビ局の記者とかが行ってだよォ~!
【失くなった人の家族】が【オォ~ィ!オォ~ィ!】て泣いてるのにマイク向けて【今のお気持ち…お聞かせください…】て質問してンだよ!バァ~カ野郎てェ~のオ!…家族ゥ失くして悲しくてェ辛いに決まってンじゃねぇカァ~!大バカ野郎ォ~だよォ~!』
ワハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハァ~ッ!とたけしの持ちネタ【‘’今のお気持ち~‘’】が披露された!何ン回聞いても、落語みたいに、たけしが言うと爆笑ネタだ!たけしの持ちネタに、スタジオ客達大爆笑だ!
バハハハハハハハハハハハハハハハハハァ~ッ!
「アハハハハァ~ッ!たけしの野郎ォ~!このネタァ~何回聞いても面白れェなァ~ッ!ワハハハハハァ~ッ!なあ敬太ァ~!……ハッ?」と‘‘1人ぼっち’’なことに気づく広彦だった……。

『ヲウッヒッ!ヒッ!ヒッ!ヒッ!』と可愛く笑うヤクザ映画俳優の松方に、スタジオ客は?
アハハハハハハバハハハハハハハハハハハァ~ッ!とコメディアンたけしのネタより大爆笑!最大級ウケ大爆笑を、スタジオ客から、カッさらう松方だ!
ワハハハハハハハハハハハハハァ~ッ!バハハハハハハハハハハハァ~ッ!
銭湯のソファーコーナーでは、何人か‘‘ぼっち者’’が、楽しそうに一緒にバラエティー番組を見て、笑い声を上げていた……。ただ、誰も‘‘ぼっち者’’が、他の‘‘ぼっち者’’に声を掛け合うことはなかった……。
8月12日1640(ヒトロクヨンマル)駿河湾から東方数十km太平洋上
海上自衛隊護衛艦まつゆき艦上後部甲板上

駿河湾から東方数十km太平洋上に、大きな黒い船が低速で航行していた。84年10月に進水したばかりの、就役前試験航行中……極秘訓練中の海上自衛隊護衛艦……全長130m、全幅13.6m、総排水量4200t……まつゆき’’だ。

‘‘まつゆき’’の後部甲板上に……重厚な造りの台車に乗せられた【オレンジ色の近未来的宇宙戦闘機】のようなルックスの航空機が置かれている。脇には、3基のオレンジ色ミサイルが、‘‘移動式台車’’に乗せられて、置かれてある。オレンジ色とは……?つまり‘‘訓練用ミサイル’’であり、爆薬が入っていない事を示している……。
シュホボボボォワァァァァァァ~ン!と、まるで、ロケットの発射音がした!【オレンジ色の近未来的宇宙戦闘機】のようなルックスの航空機が飛び立った!斜め上空に向かい、燃焼ガス煙を吹き出しながら、飛び立った……。
【オレンジ色の近未来的宇宙戦闘機】の脇には、3基のオレンジ色ミサイルが、‘‘移動式台車’’に乗せられて、置かれてある。

数分後の事だった!甲板上からは【オレンジ色訓練用ミサイル】が、眩い炎と燃焼ガスを噴出させながら発射された!海上自衛隊、航空自衛隊合同の極秘訓練であり……そして……【国産ミサイル】発射試験が行われていたのだ……。

護衛艦から、飛び立ったオレンジ色の『近未来的宇宙戦闘機ルックス航空機』は、ジェットエンジンで飛行する、曳航標的機【ファイヤービー01)】だ!護衛艦のミサイル訓練、戦闘機のミサイル訓練、対空機関砲射撃訓練等の、対空要員の訓練の‘’標的’’役になる無線誘導式無人航空機である。
発射された【ファイヤービー01】は、数十秒後には時速960kmにまで達し、数分後には高高度まで上昇する。高高度を水平飛行しながら‘‘ワイヤーを’’を伸ばし、【オレンジ色模擬ミサイル標的】を、曳航して飛行する。
曳航ワイヤーの長さは、通常4~5kmである……。【ファイヤービー01】は、訓練終了後には、パラシュートで洋上に着水して、回収、再利用する。曳航ワイヤーの長さは、通常4~5kmである……。
果たして、1時間後……。3発の【オレンジ色訓練用ミサイル】は、全ミサイルが命中した!
ワァァァァァァァァァァァァ~ッ!と【国産ミサイル】の出来の素晴らしさ護衛艦まつゆきの乗組員達は、大歓声だ!
ワァァァァァァ~ッ!と大歓声だ!まただ!後部甲板上でも、大喜びだ!2機目の【ファイヤービー02】を用意する要員隊員達だ!
1機目の【ファイヤービー01】は……?無線操作で、エンジンが停止され、洋上に着水後、回収だ!時刻は、17時後半に達していた……。
シュホボボボォワァァァァァァ~ン!と、また、ロケットのような発射音をさせて2機目の【ファイヤービー02】が、空に向かい飛び上がって行った!……。数分後には、最高速に達し、高高度にまで上昇するであろう。
が……?甲板上には【オレンジ色訓練用ミサイル】が搬出されていない……。これからか……?後部甲板上には、隊員達が出て来ている。何か?空を見ている。遠くを見ている。
キィヒュウィヒィィィィィィ~ン!と遠くから、高い音が【ファイヤービー】要員達の耳に入り始めた……と思った……その時だった!
ヒィキィィィィ~シュウヒュウィィゴォシュバァァァァァァァァ~ン!
ヒィィキィィィィ~シュウヒュウィィゴォシュバァァァァァァァァ~ン!
ヒィキィィィィ~シュウヒュウィィゴォシュバァァァァァァテュュゥゥゥゥ~ン!と、雷鳴の轟のような凄まじい轟音が、連続して続いた!
まつゆきの右舷側数百m先……海面から約数百m上空を、3機の戦闘機が、次々とジェットエンジン轟音と共に、飛行通過していった!航空自衛隊ファントム戦闘機から、海上自衛隊‘‘まつゆき’’への‘‘挨拶飛行通過’’だ!
かなりのスピードだ!飛来したファントムの機体後部には、白い傘状に気体の変化が見えた……。‘‘ソニックブーム’’だ!
ワァァァァァァァァァァァ~ッ!と大喜び大歓声の、‘‘まつゆき’’後部甲板上の海上自衛隊隊員達だ!
今回は併せて、航空自衛隊ファントム戦闘機が訓練参加するのだ!

ファイヤービーに‘‘曳航標的模擬ミサイル’’を曳航させ‘‘敵戦闘機’’役2機目【ファイヤービー02】の曳航ワイヤーは約百mだ……。

曳航標的尾部には赤外線発生装置があり……

まつゆきの訓練様ミサイルで……‘‘模擬ミサイル’’を撃墜し…

ファントム戦闘機の訓練様ミサイルで【‘‘模擬ミサイルを戦闘機に見立てて撃墜する】訓練のために曳航ワイヤーを、70mと短めに設定していた……。
8月12日1730(ヒトナナサンマル)
長野県川上町レタス畑

池田さゆりは『選ばれた人間』なのだ……。一流企業の経営者の父の娘として生まれ、何一つ不自由のない裕福な家庭に育った……。余裕のある家庭というのは、笑い声が絶えず、幸せに満ち足りているものだ。
育つ子供は、勿論、成長時には、自然と『海馬』の発達が著しいので、学力優秀な成績なワケだ……。幼少期より英才教育を受け、本人も励み、常に優等生だ……。
成長期には、運動部に入り、背も高くスタイル抜群のいいオンナ!街を歩けば、男女問わず、さゆりを振り返り見とれてしまう……。顔?……勿論、女優になれる位の美貌の持ち主だ。片っ端から‘‘ミスコン’’で‘‘女王’’になった。
前述の‘‘連坊’’が【ミス高校グランプリ】なら、【ミス大学グランプリ】というところか……?テレビ局東京本社の記者の採用試験をクリアするのは……妥当であろう……。
『イイ大学を出て、イイ所に就職し<イイ人>を見つけ一緒になる……世の人々が<羨望の眼差し>を向ける人間になる……』……<人生の青写真>なるもの……を描き、実現するべく、親はカネを出し、本人も努力を惜しまなかった……。
いつのころからか……さゆりは、自分より劣る者達を見下す事に、喜びを感じる人間になっていた……。
難関大学入学後は【人脈構築】のために……【森林探検フォーゲル部】に入り【森林山間部探検】のヲタクとなった!……週末には、関東の山々を、あちこち【森林探検】した……。
あちこちに行き、出会った人に『自分を印象付ける』ことは、無意識に行っていた。
卒業後、民放テレビ全国ネットキー局NSTテレビの女性記者となった、さゆりは、常に【功名心の塊】だ……。やたら、社会性が高い情報を欲しがり、記者クラブに出入りして『情報入手』にも余念がなかった。美しいさゆりに、出入り記者達は、ホイホイ情報をもたらしてくれた……。
「アタシは、行く行くは<政治家>に……その為には<ジャーナリスト>にならなきゃ!……まず<女子アナウンサー>に……<ネット(地方)局女子アナ>なンてイヤ!<東京のキー(東京本社)局の女子アナ>よ!……地方のローカル局じゃないわ!……やはり!民放テレビ局のキー局の女子アナウンサーね!……地方の女子アナとか記者……?は?……ワケが分からないわ!その【時点】で終わりね!……アタシは、それを足掛かりに……先ずは……ジャーナリストになる!……アタシは、更にそれを足掛かりに……」と、まァ~……次から次に、リピート高慢ちき願望オンナだ……。
「……恋愛……?……そうねェ~アタシに言い寄る男は沢山いるけど『見合う?釣り合いの取れる?』……そんな男……なかなかいないわね……」……『本音』を質問されたら、そう答えるであろう……。
つまり……さゆりにとって『男の価値』とは……?女性著名人が持つのと同じ価値観になってしまっている……。
『男の価値……それはいくら?自分に、お金をもたらしてくれるか?』……だ。さゆりは、大学を卒業後、民放テレビ全国ネットキー局NSTテレビ東京本社に入社して、記者となった……。
が……今回のレタス農家取材は、『アタシに是非!行かせください!』自ら志願したのだった!理由?人間の行動の理由などというモノは、大体、決まっている……。
この日の東京都心の気温は35℃と、異常に暑かった……。が……、長野県川上村は標高(1,100~1,500m)が高く、25℃と涼しくて過ごしやすい。
戦後、日本に進駐したGHQの求め『アメリカ兵のために葉モノ野菜を大量に作れ!』に応えるべく、レタス、キャベツ等の葉モノ野菜の一大産地となった川上村であった。出荷時期は、5月から10月の初夏から秋が収穫時期だ!千曲川からの清らかな川の水は、葉モノ野菜の生産に適している。レタス、キャベツなどの産地として、有名な川上村である。
『NSTテレビの池田さゆりが来る!』『テレビ局の取材をひと目見よう!』と、物珍しさに……川上村のレタス畑には、100人近くのギャラリー地域住民が集まって来ていた。
NST放送取材クルーのメンバーは……運転手、V.E.(機材)、カメラマン小林アツオ、記者のさゆりの4人だ。
「さゆりちゃん!お久しぶり~!」と50代女性高山タエが、声を掛けて来た。
『さゆりちゃ~ん!』『さゆりちゃん!』『さゆりちゃん!』まるで、芸能人だ!
テレビの記者と言えば、現場に行って取材して、視聴者に分かるように放送する……。かなり難易度の高い仕事だ!視聴者に気に入ってもらえるように、放送出来れば、仕事が増えて、回数が増える……。果たして、努力の甲斐あって、さゆりは、月曜日~金曜日の夕方のニュース番組で、関東エリア取材して放送するコーナーをもらった!
ただ、テレビカメラに映れば良いワケではないのだ!同期入社カメラマン小林アツオ達と4人ワンチームなのだ!
「ご無沙汰してます!『小川村のレタス農家取材』!絶対に!来たかッたです!」
「『東京の本社テレビ局‘‘NSTテレビ’’に入った』て聞いたんだけど~」

「あ~!明日から『お盆休み』ですよね~テレビ局のスタッフさん達も『お盆休み』は取りますよ~よく『祝日再放送』とか、ありますでしょう…あれで【休み枠】を作ったり…交代でお盆休み取るんです…今日はァ~系列放送局長野放送エリアにィ~!‘‘応援’’でェ取材やって来ましたヨォ~!川上村の皆さァ~ン!よろしくお願いしまァ~すゥ!」と、長い腕を大きく広げて、長くてきれいな指の手の平を振った!ギャラリー地域住民達に、ならびの良い白い歯を見せて【さゆりスマイル】だ!
ワァァァァァァァァァ~!パチパチパチパチパチパチパチパチパチ~!と、ちらほら全国ネットで浸透しつつある、美人記者池田さゆり‘‘お約束’’の【さゆりスマイル】に、大喜びの拍手大喝采だ!川上村レタス畑に集まった、ギャラリー地域住民達だ!
「よく来てくれたわァ~!<レタス>や<キャベツ>の集荷の時期には、【森林探検フォーゲル部】の皆でアルバイトしに来てくれたわねェ~!すごく助かったワァ~ありがとうねェ~!」と手の平を見せてタエが求める‘‘握手’’を、両手で迎えるさゆりだ。
「とんでなもいですゥ~!毎年、【森林探検フォーゲル部】の合宿で高山先輩のご実家に、宿舎がわりにィお世話になりましたもの!……高山先輩……足を捻挫した時三国山の尾根を……ず~っと……登山口のバス停まで……アタシをおぶってくれたンです……」と何か?胸の高鳴りを感じたような表情に変わってきたさゆりだ……。
「アァ~!さゆりちゃん~義人の背中におぶさって戻って来たンだよねェ~!」(「あの時…『すごくお似合い』だったなァ~……まだ……ウチの息子に一応~恋心はあるみたいだワ…ウチの息子…義人と一緒になってほしかったナ」)……とタエは、さゆりを少し観察するように見た……。
「へぇ~!さゆりちゃんもォ~!男の人を好きになるンだァ~!」と右肩に大きなテレビカメラを担いだカメラマンのアツオが、いきなり入って来た!
(「うるさい!あっち行け!」)とシッ!シッ!と手で追い払い仕草のさゆりだ!
「はい!はい!……嬉しいクセに~!」
「キャハハハハハハァ~!何言ってンのよォ~!今ァ~お母さんと話してンだからァ~!後でリハーサルだからァ~それまで邪魔ッ気!邪魔ッ気!シッ!シッ!」
「あ〜ッ!あなたが高山義人さんですねェ〜ッ!」と出し抜けに、アツオがさゆりの後ろの方を見て叫んだ!
「はッ?」と顔が輝くさゆりだ!あまりにも心拍数の変化が、手に取るように分かる反応だ!慌てて、髪を撫で整えて、瞳を輝かせて、サッ!と振り返るさゆりだ!
〔「…あれ?」〕と“高山義人”を探してキョロキョロ見渡すが、誰もいない。
グプフッ!と鼻を鳴らして、堪え笑いから…?
ワハハハハァ〜ッ!と爆笑のアツオだ!
「アハハハハハァ~義人はねェ……今は‘‘群馬県警’’に行ってて……たまにしか来ないよ」とタエは笑いながら言った。
「……そうでしたよね……『‘’保管物品部‘’て…支給品やその他の保管物品の管理部所』……高山先輩からは聞いてます……ハァ~」とガッカリするさゆりだ。
「さゆりちゃん…ガッカリの巻ィ~!アハハハハハハハハァ~!」とからかうアツオだ!
「…はッ?…くそォ〜ッ!」と叫びながら、アツオに飛びかかるさゆりだ!
「うわァッ!」と驚くアツオの両肩を掴み、腹部に膝蹴りをブチ込むさゆりだ!さゆりの膝蹴りは“寸止め”だ!
オオオオオオォォォォ〜ッ!と驚きの声を上げるギャラリー村人達だ!
「ウボォワォ〜ッ」と呻き声を上げて、ビデオカメラを担いだまま、地面に蹲るアツオだ!
ザワザワザワザワザワザワ~と、どよめきの田舎モノ地域住民達だ!
「ちょっとォ~!‘‘寸止め’’したじゃない!アタシを‘‘暴力女’’に貶めるつもりなのォ?」
「‘‘暴力女’’でしょォ~ッ?皆さん今の見たでショ?」と叫ぶアツオだ!
ワハハハハハハハハハハハハァ~!と爆笑の地域住民ギャラリー達だ!
【ウケた!】から、まんざらでもなく、嬉しいさゆりだ!
「広ちゃん!“ヤラれたフリ”上手すぎるンだ!ッてのォ~ッ!」
「イヤ!さゆりちゃん膝蹴りィ~食らわしたじゃん」
ワハハハハハハハハハハハハハハハハハハハァ~!と爆笑住民ギャラリー達!
「だからァ~!嘘ついてアタシを陥れるンじゃないッてのォ~ッ!」
ワハハハハハハハハハハハハハハハハハハァ~!更に爆笑の地域住民ギャラリー達だ!

アハハハハハハハハァ~!とタエも爆笑だ!……が……顔は笑っていたが、少し淋しそうであった……。
(「ふふふ~!あなた達~すごく仲がイイわね……」)
ハァ~!とため息をつくタエだ……。何か?……懐かしいモノが、一つ…姿を消して行く、淋しさを感じた……。タエの顔は、少し淋しそうであった……。
1740(ヒトナナヨンマル)
羽田空港搭乗ロビー
『お父ォォォさァァァァァ~ん!早くうゥゥゥゥ~ッ!』『お父さァァァ~ん!』『早くゥゥゥ~!早くゥゥゥゥ~!』『急いでェェェェェェェ~!』と、何やら【遅刻お父さん】?……『【キャンセル搭乗券】が運良くあったので、遅くなってから、家族の元に駆けつけた』らしい……。
ジャンボ旅客機を利用する乗客……と言えば、ハッキリ言って‘‘リッチ’’で、余裕がある家庭でなければならない……。恥ずかしがらすに、大声で叫ぶ家族は、皆無に等しい筈の羽田空港搭乗口ロビーには【微笑ましいぐらいに違和感】ある一家だ!騒がしい5人家族だ!吉崎家…夫優三(38)、妻~博子(35歳)、兄充芳(9)美紀子(8)妹ゆかり(6)
あるいは、日本各地に取引先や、支店がある会社員……というのが、一般庶民がイメージする『ジャンボ旅客機利用客』だ!(注…当時の筆者のイメージだ!)【騒がしい5人家族】に振り返る少年がいた!美谷島健(9歳)た。近鉄バファローズの野球帽子をかぶった‘‘野球キチ少年’’だ!甲子園に野球試合を観に行くために、1人で、飛行機に乗り、大阪のおばさんの家を目指す!小冒険の夏休みの……少年ケンこと美谷島健だ!
笑って、振り返る中年サラリーマンがいた!村上リョウヘイ(43)だ!大阪に出張だ!お盆も仕事だ!
笑って、振り返る家族がいた!カメラが趣味らしく【カメキチ】らしい一家の主…小川哲(41)妻昌子(41)娘千佐子(10)
笑って、振り返る一家がいた!北海道旅行からの帰りで……つまり、金曜日か?土曜日あたりから、北海道に行き、大阪に帰る一家だ!‘‘前段盆休み’’で、巷が‘‘盆休み’’の時が?‘‘かきいれ時’’?なのか……?
父川上英治(41)、父の妹和子(39)、慶子(12)妹咲子(7)
『お父さァァ~ん!』『これ!静かにせなアカンてェ~!』『何ンでやァァァ~ン?』『何ンでやァ~ン?』『何ンでェ~?ウチ等ァ~‘‘大阪モン’’やでェ~!』『せや!せや~!大阪モンはァ~静かンしとったら、泳ぎ続けなァ~死んでしまう‘’さんま‘’と同じで死んでまうでぇ~!』
『ちゃうやろォ~て!【鮫と同じで泳ぎ続けな呼吸が出来へンで死んでしまうンと同じでェ~‘‘さんまちゃん’’は喋り続けな死んでしまう】~テレビで言っとったンそれやろォ~?』と締めは吉崎優三だ!
ワハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハァ~!と周りの客が、いっせいに振り返った!爆笑だ!吉崎一家を見て、皆、笑顔だ……。

『お待たせいたしました……予定を12分遅れまして……大変申し訳ありません……18時12分発……羽田発…伊丹行きの、JA123便への……お客様のご搭乗を開始いたします……』と場内アナウンスが入った……。今まで、カキコミしてきた家族を含む、乗客数509人、乗員数15人……計524人の乗った日航ジャンボ123便JA8118機が、定刻を12分遅れ、大阪伊丹空港に向けて、羽田空港を出発した……。
同洋上
182α(ヒトハチフタアルフア)
ボォフォオオオオオオオオオオオオオオオオオオォ~ン!とジェットエンジン音を響かせて、3機目の戦闘機を演じる【ファイヤービー】は、大きく宙返りだ!まつなみ艦橋と後部甲板では、目視と、無線操縦と、レーダー波により【ファイヤービー】の操縦と掌握が、なされている。後部甲板では、1、2機目の『国産空対空ミサイル発射訓練』が成功したことに、歓喜に沸く海上自衛隊員達であった……。
『‘‘敵戦闘機’’を演じる【曳航模擬標的】』もワイヤーケーブルにより、70m程離れて後続している。
ヒィキィィィィィィィィ~ン!とジェット音を放ち、轟かせながら、急上昇してからの急降下からのミサイル発射の、3機目ファントム03だ!
シュウヒュウィィゴォボォボォ~シュバァァァァァァァァ~ン!
『標的機を……赤外線捕捉!……今!‘’フォックス・ツー!(サイドワインダーミサイル‘’!発射!)』とファントム03パイロットは、無線で発しながら、ミサイル発射ボタンを圧した!
ファントム03はオレンジ色訓練用‘‘サイドワインダーミサイル’’1発を発射した!
ボォバァバァヒュウゥゥゥゥゥゥゥ~ン!と発射音を轟かせて、白煙を大量に吐き出しながら、オレンジ色訓練用‘‘サイドワインダーミサイル’’は【ファイヤービー】の100mワイヤーケーブルに曳航される‘‘オレンジ色模擬ミサイル’’に向かって
行く!筈が???何ンということか?
【‘‘オレンジ色模擬ミサイル’’】→【ファイヤービー】→に誤って『赤外線捕捉』してしまったらしい!
シュウヒュウィィゴォボォボォ~シュバァァァァァァァァ~ン!
ボォフォオオオオオオオオオオオオオオオオオオォ~ン!とファントム03の飛行ジェット音と、【ファイヤービー】の飛行ジェット音が、相模湾数十km東方数十km太平洋上の空に轟く中のことだった!
ヒュウゥゥゥゥゥゥゥ~ン!
ゴガァァァ~ン!と小さな音が、混じって聞こえて来た!ファントム03の発射した【オレンジ色訓練用サイドワインダーミサイル】1発が、【ファイヤービー】の機体後部側面に命中してしまった!
ボォフォオオオオオオオオオオオオオオオオオオォ~ン!とジェットエンジン音を【ファイヤービー】は、西南西の方角に向かい始めた!
『……ッ?……嘘だろォ~?こちら【操作02】【艦橋】どおぞ!こちら【操作02】!(ファイヤービー無線操縦操作手)』
まつゆき艦橋室内
後部甲板
まつゆき乗組員海上隊員達は、震撼した!
『こちら【艦橋】!【操作02】どおぞ!』
『こちら【操作02】!【ファイヤービー02】がァ~制御不能!制御不能!訓練用ミサイルの命中にィ~!故障発生の模様ォ~!‘‘無線操作’’の一切が効きません~!西南西の方角に高度23000フィート!(7010.4m)518ノット!(時速960km)で!若干上昇気味で水平飛行中!どうぞォ~!』
『ファントム03の‘‘バルカン砲’’で撃ち落とせないのか?』
『ファントム03の搭載武器弾薬今回はァ!訓練用‘‘サイドワインダー’’1発のみですゥ!どうぞォ!』
ゴワァオォワァオォォワァオォォ~!と【ファイヤービー02】の、遠ざかる音がする中……どうすることも出来ないファントム03の飛行ジェット音が、響き渡る駿河湾東方数十kmの太平洋洋上だ。
シュウヒュウィィゴォボォボォ~シュバァァァァァァァァ~ン!とジェットエンジン音を響かせて、ファントム03は、【ファイヤービー02】の追尾を開始した……。
航空自衛隊百里基地飛行場3機のファントムにスクランブル緊急発進が掛かった!
待機所内…『金曜日、祝休日前は唐揚げ(唐→カラ→空)』……と隊員達から
大好評休日前メニュー‘‘空自唐揚げ’’を食べていたパイロットだ!が……、一旦『メシ!チュウシ!(中止)』だ!
滑走路までの‘’タキシング‘’(ジェットエンジン等の自力で、駐機ポイントから滑走路までを進む)の許可が出た!
‘‘テイクオフ・ロール’’だ!滑走離陸に向かうぞ!
キュゥヒィイイボォバァヒュウゥゴ~ン!
キュゥヒィイイイイヒュイイヒュゴォォ~ン!
3機のファントム戦闘機のジェットエンジン回転轟音が、クライマックスに達した!エンジン出力フルパワー全開だ!離陸可能回転出力にまで達した!
『ファントム01(01~03)!滑走路L21からの発進を許可する!』
『ファントム01!滑走路L21から発進許可了解!ファントム01発進!』

3機のファントム戦闘機が滑走路を発進‘‘テイクオフ・ロール’’が掛かった!
‘‘テイクオフ・ロール’’離陸滑走!開始のファントム戦闘機3機だ!
ボォババァバァヒュウゥゴォゴォゴォォォゴォ~ン!
ボォババァバァヒュウゥゴォゴゴォゴォォゴォ~ン!
ボォババァバァヒュウゥゴォゴォゴゴォゴォ~ン!と勇ましいジェットエンジン回転轟音を轟かせて3機のファントム戦闘機が離陸した!
相模湾上空日本航空123便
JA8119号機
操縦室内
客室内
ボーイング747SR……SRというのは【短距離】を何度も離着陸を繰り返す、日本の航空事業用に、【ランディング・ギア(着陸装置)】を強化したという意味だ。確かに外国機に比べて、離着陸回数が段違いに多いであろう。
この日のJA8119号機のスケジュールは、凄まじい!1便目は、羽田空港から千歳空港…2便目は、その往復便……、3便目は羽田空港から福岡空港……、4便目は、その往復便……、そして、5便目がJA123便……羽田空港から伊丹空港へ……勿論、その往復便が、6便目としてあるのであろう……。
空港に着陸して、乗客を降ろして、給油と機内用意を完了させる時間が、僅か50分間である。毎日のことのようだ。
飛行経験豊富なベテランパイロット、整備員、空港作業員、乗員がいてジャンボ旅客機は、飛べるのだ!無事に乗客を乗せて、目的地にまで飛べるのは、数え切れない人が関与しているのた。
予定を、少し遅れて18時12分……JA123便……JA8119号機は羽田空港を伊丹空港に向けて離陸した。
機長昇格審査中の副機長山口は‘‘機長席’’に座る。‘‘副機長席’’には‘‘審査官’’の機長高濵だ。高濵は、元航空自衛隊パイロットだ!哨戒機や、YS11等、色々な機種の操縦経験あり、飛行時間は、9830時間を超える経験豊富なパイロットだ。
操縦士2席の真後ろの席には、和智が座っている。計器類を担当する機関士だ。和智は20年間の機関士経験があり、年内に、飛行時間が1万時間に到達の予定のベテランだ!操縦クルー達は【ゴールデンメンバー】だ!
21時までしか、離発着が許可されない…目的地【伊丹空港】に到着したら、同じく、50分間の『次の便の準備』が行われる。そして、勿論、伊丹空港から羽田空港への第6便目がある。21時を1分でも過ぎたら、山口副操縦士の機長昇格は……『しばらくお預け』となる……。
第6便の出発が、定刻より12分遅れている……。が……昇格審査には、許容範囲であろう……。
1818(ヒトハチヒトハチ)操縦室内~客室内
高度1万2000フィート(3657.6m)
速度537.08km/h
目標高度2万4000フィート(7.315m)を、目指し上昇するJA8119号機だ!
ピンポーン!ピンポーン!と音がした!客室からの、スチュワーデスからのコールだ!
和智がレシーバを耳に当て対応だ!スチュワーデスの村山からだ。
『後部位置トイレ付近から、空気漏れのような音がします…前便の福岡からもありました…口笛を吹くような音がしています……ご報告します』
『もう少し上昇したら止まると思う……様子を見に行きます』と和智は答えた……。
客室内後方左側席
‘‘カメラ小僧’’から‘‘カメラ好きパパ’’になった、小川哲(41)は、常にカメラを首から掛けている。シャッターチャンスというモノは、いつ?訪れるか?わからないからだ!左横は妻昌子(41)だ!同級生で結婚などとは、すごく幸せなことかも知れない……。
「あ~!あれ何かな?何か飛んでるよ?」 娘の知佐子(10)が言った……。
「ど~れ?あ?本当だね!雲が眩しくて見にくいけど……お父さん!何かしらねェ~?」と、窓の外を指差しながら、妻昌子が哲を呼ぶ……。
「お~?何ンだろネェ~?」と言って、哲は、窓の外を見た。呟きながら、カメラのカバーを外し、ファインダーから外を覗いた。
もう、18時を過ぎたに、夏真っ最中だから?明るくて眩しい位にく光る白い雲だ!眩い雲を背景に、被写体に向けたレンズを回した。ピントを合わせたて、ファインダー覗いた。シャッターを切った!

チャパシャ!と一枚シャッターを切った。哲には一枚が限界であった。
「うひゃあ~!」と悲鳴を上げながら、閉じた瞼を指の腹で、マッサージする哲だ!あまりに、機外の光量が眩し過ぎて、目が、かなり疲れた哲だ!
「あァァァァ~!疲れたァ~!……すみません…倒します!」と、後部乗客に断りを入れて、シートを倒す哲だった……。
「あれ~?何処に行ったのかなァ~?」と昌子は『見失いました』だ!
「いなくなっちゃった~!」と知佐子も『見失いました』だ!
あ~あ!あ~あ!と言いながら、シートに背中を付けて、座り直す、昌子と知佐子の母子だ…。
その時だった!
ガァア!ガァアア~ン!ガァアア~ン!と客室に大きな音が響いた!
と同時に白い煙が客室内に広がった!
キャァアアアアアアアアァ~ッ!ウワァアアアアアアァ~ッ!と客室内の乗客達の悲鳴が、乗客達自身の耳をつんざいた!
1824∶35(ヒトハチフタヨン:サンゴォ)
高度2万3950フィート(7.3km)
速度300ノット(555.6km/h)
操縦室内
地平線が上へズレた!山口は、操縦桿を引いて機首を上げようとした。次の瞬間だった!
ガァア!ガァアア~ン!ガァアア~ン!という爆発音がして、背中を押されたような衝撃が走った……!
「何ンかァ~ッ爆発したゾォ~ッ!………スコーク7!7!(セブン!セブン!)」と高濵は『緊急事態発生』コードを発した!
第16話に続く……