ブルックナーの交響曲第5番を聴いた。
世間の評判で名曲なのは知っていた、がこれまであまりピンときたことがなかった。
「正直、長いだけで退屈な曲かな」とさえ感じてた。
しかし曲の構成を意識して聴くことで楽しく聴くことができた。
なかでもドホナーニ指揮・クリーブランド管弦楽団の演奏を聴くことで「いい曲だなぁ」と初めて思うことができた。
そう思えたのは次のポイントをいくつか挙げてみたい。
・やや早めのテンポ設定
ドホナーニの5番のトータルタイムが73分。他の指揮者の演奏と比較してもテンポがやや早め。そのために良い意味でサクサク聴ける。
・しっかりとした構成感
各楽章の音楽の構成がとても分かりやすい。各主題のキャラクターの描き分けにより音楽の見通しがよいこと。
・クリアでバランスの良いコラール
第5番では各所に金管楽器によるコラールが出てくる。
このコラールの楽器バランスがサイコーにきもちが良い。
暴力的な表現でなく、広がり、ある種の浮遊感を感じさせる演奏。かといって物足りないわけではない。
・抜群のリズム感
2楽章の冒頭「2対3」の面白さの描き分け。
3楽章の3拍子の躍動するリズム感。
そして随所に出てくるシンコペーションの処理。
・オーケストラのうまさ
1楽章、第2主題のしっとりとした演奏。
各所にちりばめられた管楽器セクションのソロ
他にも挙げだしたらきりがないほどの美点。
総括すると洗練されたとてもおしゃれな演奏だと感じた。
そして個人的に今回の一番の発見は第4楽章のラスト。
最後の最後に第一楽章のテーマが演奏される。ブルックナーの「おしゃれ」さを感じたところです。
いろいろ書きましたがブルックナー第5番に苦手意識のある人にぜひ一度聴いてほしい演奏です。
