シューベルト: 交響曲第9番《ザ・グレイト》 (初回生産限定盤)(UHQCD)

 

 めずらしく連続更新。先週から小澤征爾の音楽を聴き、不出生な指揮者だったのだな、とあらためて感じさせられた。そしていろいろな録音を聴いてみたいという気になった。そして選んだ曲はシューベルトの交響曲第9番。オーケストラはサイトウ・キネン・オーケストラ。

 

このシューベルトを一言でいうなら次のようになる

 

「巨匠の余裕を感じさせる演奏」

 

 第1楽章、のびやかに歌われるホルンの導入から余裕を感じさせる。テンポはアンダンテとしてはやや早めの設定だが少しもせかせかした印象はない。重心がひくく、ひとつひとつの音がしっかりと余裕をもってならされている感じがする。

 

 第2楽章は先日、紹介した80年代録音のチャイコフスキーとは大きく違っている。オーケストラをコントロールするのではなく、プレイヤーの自発性を大切にしているように感じられる。かといって各楽器の音量バランスなどコントロールするところはしっかりをされている。

 

 第3楽章は中間部のレントラーもこれまた明るい開放的な演奏。これも昨日のチャイコとは対照的な外向きの音楽。

 

 フィナーレも明るく始まりそのテンションのまま一気にコーダまで突き進む。そしてコーダは堂々とした音楽で巨匠風に締めくくられる。

 

 先日のチャイコから10年程度の間に進化した姿を聴くことができる。この演奏も小澤征爾が表現する音楽世界の一つとして興味深く聴ける演奏だ。

 

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