最近ブログのアクセスが少しづつ増えてきている。特にドホナーニの記事にアクセスが多い。なので今回の更新もドホナーニ指揮のチャイコフスキーにしようと思った。しかし聴き比べるために小澤征爾のチャイコフスキーを聴き始めたところこれが素晴らしい。一気に聴き通してしまった。ということで今日は小澤征爾のチャイコフスキー交響曲第4番の紹介。

 

 この演奏の特徴を一言で伝えるなら次のようになる。

 

「陰キャのチャイコフスキー」

 

 「陰キャ」といっても暗い演奏というわけではない。ここでいう「陰キャ」とは「内向的」という意味で使っている。

 

 全体的に「内向的」な印象をもつ。大きく盛り上がるところもエネルギーが解放されているというより内向きに凝縮されているように聞こえる。例えばフィナーレも解放感や爽快感よりググっと内向きに凝縮された力強さを感じる。特にこの「内向的」な音楽がマッチングしているのは第1楽章と第2楽章だ。

 

 第1楽章は主題の移り変わるつなぎがとても繊細で音符の隅々まで神経が使われている。フレーズの移り変わり、楽器の移り変わり、ダイナミクス、テンポなど少しでもバランスが崩れると壊れてしまいそうなぐらい繊細だ。

 

 そしてオーボエのソロから始まる第2楽章。ややゆっくりとしたテンポではじまる。そして一つ一つの音符が大切に演奏される。続いて弦楽器に受け継がれるメロディー、そっと寄り添うように入ってくるホルン。すべてが計算され設計された美しさ。

 

 こういう感情を抑制したような演奏を嫌う人もいるだろう。しかし小澤征爾の緻密に設計された繊細な演奏は唯一無二のように感じる。だからこそ東洋人として西洋音楽の世界で活躍できたのではと思う。

 

 最後にこの小澤の音楽世界を表現できるベルリンフィルにもエールを送りたい。そして小澤征爾はイマイチだなと思っている方にもぜひ一度きいていただきたい演奏だ。