アラフィフの歯科矯正についての更なる続きです。

 

 

 

 

女医さんは40歳くらいでした。

 

ただ、ちょうど子どもの大学受験でコロナも蔓延していた時期でしたので、実際にワイヤー矯正を始めるのは4月からにしました。

 

ワイヤー矯正はブラケットという樹脂を各歯に接着剤でくっつけて、ワイヤーを装着します。最初は細いワイヤーから徐々に太いワイヤーに変えていきます。

 

矯正体験者なからわかってもらえると思いますが、調整した翌日に痛みがピークが来ます。

 

たくさん歯を動かせば比例して痛みも強くなります。本当に初期のころは痛くて痛くて苦痛でした。

 

あと、調整後しばらくすると歯がきゅっと締まってくるので、ワイヤーの端が余ってきます。すると、そのはみ出たワイヤーが口の内側の粘膜を傷つけるんです。痛みがひどいときはクリニックに行ってワイヤを切ってもらったりもしましたけど、基本次回の予約まで耐えるしかありません。

 

それから、食べ物がワイヤーに挟まるので歯磨きができない状況での外食は米粒がアウトでした。米粒がワイヤに挟まってたいへんなことになるからです。なので当時、外食では麺類かたまごサンドばかり食べていました。

 

そんな矯正あるあるの困難を乗り越え、治療は進んでいきました。

 

しかし、女医さんは、どうも不器用なようで、とにかく動きが雑でした。

 

ワイヤーをブラケットに通すときは力任せでぐいぐい押しまくり、ワイヤーを外すときも頭が持ち上がるほど”えいっ”と引っ張られたり・・・。

 

ワイヤー矯正を始めて半年がたったころから先生の雑さがさらにひどくなり、クリニックの衛生士さんもころころ変わり、何だか不穏な空気が流れていました。

 

2022年の12月。

 

いつものように調整にクリニックを訪れたとき、女医さんが言いました。

 

「一身上の都合で今月いっぱいで辞めることになりました」

 

はい?!

 

「先生、責任をもって治してくださるとおっしゃったじゃないですか・・・」と私はショックでクラクラしながら言いました。

 

「そうなんですぅ。最後まで見させていただくつもりだったのですけど・・・。あとは、私の先輩の女医か、男性の医師が見させていただきますので」

 

と笑顔で女医さんが答えました。

 

・・・。

 

もう、私は完全に悪徳クリニックに引っかかったことを確信しました。

 

矯正を始めたとき私は40代でしたが、すでに50歳になろうとしていました。

 

私の歯はこんなにいじり倒して大丈夫なのだろうか。

 

もう、不安で不安で泣きそうでした。

 

そして、1か月不安な日々を過ごして、翌月の調整日。

 

現在の治療してもらっている男性の先生に出会ったのでした。