信州秋の旅 7日目 滝の湯、塵表閣本店、秋山郷 | 原付JOG(50cc)で旅に出よう!

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YAMAHAスクーター JOGでのキャンプツーリング日記。自分では特別なことをしている意識はないですが、旅で出会った方には大変驚かれます(笑)
キャンプ道具一式を積み12日間の旅をしたこともあります。工夫次第で原付でもロングツーリングを楽しめますよ。

信州秋の旅 7日目(2015.9.25)

道の駅オアシス小布施で迎える朝。

車中泊をしている人が意外と多いのには驚いた。
他人に車内を覗かれることがないように、皆、窓部分は完全にシートで覆っている。おそらく相当車中泊慣れしている方々なのだろう・・・
キャンプ場に泊まり焚火しながら美味しい黒毛和牛を食べ、酒飲む方が楽しいだろうに・・と思いつつも、焚火BBQは意外とコストがかかる為、節約には「道の駅で車中泊」が一番なのは間違いない。

昨夜からの雨は一晩中降り続き今日も朝から雨だった。
一度長野市内に行き所用を済ませた後、R66を通り山田牧場方面を目指した。

雨の日は無理に観光などせず、温泉でゆったりとするのもイイかもしれないと今日は、温泉巡りをすることにした。
今日の行程は、まずR66沿いの松川渓谷温泉 滝の湯の露天に入り、その後山田牧場を経由して志賀草津道路に合流、そのまま北に進み市街地になる直前の上林温泉 塵表閣本店の日帰り温泉に入る。その後、また志賀草津道路を戻り、奥志賀林道を進み、途中から分岐する雑魚川林道を通って秘境秋山郷へ入る。夜はできれば秋山郷のよさの里キャンプ場でキャンプをしたい。

秋山郷を旅の行程に入れたのは、旅5日目に乙見峠トンネルの通行止切通しで出会った二人組の地元登山者に薦められた為である。
ちょいワルの原付旅の行程は特に固定化せず、旅の途中でいい場所を見聞きしたら臨機応変に変えるようにしている。

実は上記行程は、秋山郷を除いて旅2日目にすべて経験済みであるが、同じ道を通るというのは単調に映るかもしれないが、いい道というものは何度通ってもイイものである。
塵表閣本店は2日目に入ることのできなかった是非とも入りたい温泉であり、塵表閣本店と滝の湯の2つの湯巡りができて、秘境秋山郷に行ければ、たとえ雨であっても本日の旅は間違いなく充実したものになるであろう。。

2日目に往復した松川渓谷沿いのR66を上流へ向かって進んでいく。2日目に入浴できなかった風景館はもうトライするつもりはない。。(笑)

松川渓谷温泉 滝の湯に到着すると、2日にあれほど車・バイクでごった返していた駐車場もひっそりとしており、車2台しか駐車していなかった。
2日目はシルバーウィークの真っさだ中だったので、混雑のピークだったのだろう。。
受付の方と話すと、シルバーウィークは相当ごった返していたようだ。。

内湯を経て、混浴露天に出てみるとワタクシの他、男性2名が入っているのみ。
各自気に入った場所に陣取り、露天をほぼ独占状態である・・

「やはり露天でゆっくり寛ぐにはこうでなくちゃ。。(笑)」
混雑していたシルバーウィークに入らず今日入ったことは正解だったかもしれない。

水上の宝川温泉 汪泉閣ほど巨大ではないが、渓谷沿い混浴露天としてはかなりの規模だ。
小雨が降っていたので、折り畳み傘を差しながら入浴させて頂いた。
すぐ隣を流れる松川のせせらぎが聞こえてくる。

色付き始めた緑を眺めながら、ゆっくりと湯に浸かる。
そして持ち込んだソフトドリンクを開け、浸かりながらグイッと潤す。
う~ん、シ・ア・ワ・セ(笑)

撮影禁止のため、緑に包まれた露天風景をお見せすることはできないませんが、↓な感じです。

 <松川渓谷温泉 滝の湯 (露天風呂) ※写真はお借りしたものです>

持ち込んだソフトドリンクはあっという間になくなった・・(笑)
温泉に浸かり、ほろ酔い気分のちょいワルは、露天脇の石段を下りて渓流に入ってみたいもした。。 夏だったら川遊びもそのままできそうな感じだ。

滝の湯でゆっくりと寛いだ後、R66を山田牧場方面へ向けて出発した。
天気悪いのが残念ではあるが、景色の良いルートである。

 <R66から山田牧場を眺める>

志賀草津道路に合流すると、そのまま北方向へと進む。
一沼に来ると5日前に通った時よりも紅葉が進んでいることに気が付く。原付を停めて写真を撮る。
紅葉のピークはまだ少し先と思われるが、雨のなかでも十分に綺麗な景色だった。


 <志賀高原 一沼>
 
そのまま原付を走らせ、坂を下ったところが上林温泉になる。
塵表閣本店を旅2日目に訪れた時には、暖簾をくぐった先に「本日の日帰り入浴は終了しました」との案内看板が出ていたが本日はどうであろうか・・・
駐車場にバイクを停めて塵表閣の暖簾のくぐると、また同じ案内看板が掲出されていた。

シルバーウィークが終わったから入れると思ったのに・・・
折角来たのだし、どうにか入れないものかなぁ、、、と裏口付近をウロウロしていると、女将が挙動不審者に気が付き声をかけてきた。

5日前にも来たのだけどSWも終わったことだし、今日は日帰り温泉に入れるかなと思って再度来てみたと説明すると、女将は日帰り温泉は予約制になっていると言う。
今日予約して明日入ることもスケジュール的には可能だ。
「う~ん、ではどうしようかな・・・」と考えていると、女将はちょっと待っててくださいと旅館の中に入って主人に相談をしているようだった。

格式高い老舗旅館だし難しいのかなと思っていると、戻ってきた女将の返事は、「雨のなかバイクで冷えているでしょうから温まっていってください」だった。
相手を気遣った何とも嬉しい言葉である。

湯の準備に少し時間を要すとのこと、正面玄関の応接間に通された。
湯の準備が整うまで、その玄関の展示物に目を通していた。
さすがに老舗旅館だけあり展示物はそうそうたる品々だった。1920年モノのフィアットを始め、今上天皇若かりし頃に塵表閣を訪れた写真や夏目漱石、与謝野晶子、川端康成などの文豪ゆかりの品が展示されていた
これら展示物を見れるだけでも来た価値はあるというもの。また、それら展示物を見ながら湯を待つというのも粋なものだった。

しばらくすると準備が整ったと、湯まで案内された。女将によると、以前は日帰り温泉を受け付けていたものの、宿泊客からのクレームもあり、現在は日帰り温泉は受け付けていないとのこと。
確かに、日帰り温泉を受け付けるとどこの馬の骨だかわからないような客(?)も一緒に入浴する訳だし、夏目漱石などの文豪が愛した老舗旅館の宿泊者からすると、異様に見えるだろう・・
むしろ、こんな老舗旅館が今まで日帰り入浴を受け付けていた方が驚きと言える。

最近出版された温泉ガイドブックには立ち寄り湯不可への記載変更を進めているようだが、
ワタクシの古いガイド本(↓)にはまだ日帰り温泉可となっていた・・(失笑)
 

幸運にも本日ワタクシが日帰り入浴できたのは、昨日が宿の休館日だった影響で湯の準備がいつもより早くできたからのようだ。
いずれにせよ、相当運が良かったことだけは確かである。

玄関の展示物で既に十分満足していたが、湯は内湯・露天ともこれまた素晴らしいものだった。
宿泊客はまだいない時間帯だったので、勿論貸切である。
単に湯が素晴らしいだけではない。置かれているシャンプー等アメニティも含め全てに格式ある老舗旅館という気品が漂っている。
まず桶と椅子は檜製だった。木の樽風のプラスチック桶は温泉でよく見かけるが、本物の檜桶は見たことがあっただろうか・・
設置されているシャンプー類も宿泊者の好みに合うように、全て種類が異なっていた。しかも、洗顔フォームまでも置かれている。
子供の宿泊者を考えてだろう、アンパンマンの絵柄のついた子供用椅子も隅に置かれていた。

老舗旅館のおもてなしというものは、風呂場にも表れるものなのだな・・と感心しながら湯につかっていた。

風呂から上がると、鏡の前にはシェービングクリームとともに、ポール・スチュアートのアフターシェーブローションとヘアリキッドが置かれていた。ポール・スチュアートは好きなブランドだが、化粧品は見たことなかったし、ましてやそれが自由にお使いください的アメニティで置かれているとは想像もしなかった。

老舗旅館の粋なおもてなしに免疫がないワタクシは終始圧倒されっぱなしだったが(失笑)、温泉宿としては別格ではないだろうか。 さすがに今上天皇が訪れるだけの旅館である・・・
ワタクシの今までに入った温泉では間違いなく最高級の温泉だ。

塵表閣本店の日帰り温泉に入れたこと。
これだけでも今回の旅は良い旅になったと言える。
 


 <塵表閣本店の露天(写真はお借りしたものです)>
  <塵表閣本店(写真はお借りしたものです)>

貸出バスタオルの返却とお礼に、帰り際に再度女将と話す機会があった。
日帰り入浴は受け付けていないが、お部屋での昼食&温泉セットプランというものがあり、確か一人7000円と言っていた。
素晴らしい温泉とおもてなし、かつ離れでの食事が付いてこの価額ならおトクなのではないだろうか。
わずか6部屋(すべて離れ)という塵表閣本店、大切な人とひと時を過ごすならお薦めの宿である。

「男性一人で泊まる方もいるんですよ」と女将が話していたが、是非いつか宿泊してみたいものだ・・(笑)

蛇足だが、塵表閣の内湯にトライしたが、熱くて膝までしか入ることができなかった。
女将によると内湯の温度は46度で、信州の人はこれくらい熱い湯に入っているのだそうだ・・・  恐るべし信州人。。


さて、塵表閣本店の湯を十分堪能した後で、駐車場に戻り秋山郷目指して出発しようとしたところ、上林温泉のさらに先に進む車が多いことに気が付く。
「きっと何かあるのだろう」と車の進む方向にJOGを進めてみた。
しばらく進むと理由がわかった。
猿が温泉に入ることで有名な地獄谷温泉野猿公苑があった。
道の駅オアシス小布施にも、Snow Monkey Parkと訳した英語パンフレットが置いてあった。
駐車場から15分ほど歩くようだ。小学生くらいの子供がいるファミリーであれば楽しめる場所だろうが、単身ちょいワルのテイストに合わないかな(笑)。。  ということで、行かずに引き返した。

そのまま、志賀草津道路を戻り、奥志賀林道へと入り、カヤの平高原キャンプ場へと進む分岐を右に進んだ。秋山郷へと進む雑魚川林道である。
秋山郷って、奥志賀高原の山一つ挟んだ反対側(東側)だったんですね。。
そして、秋山郷の山一つ挟んだ反対側(南側)が野反湖のようです。

地理感覚わかったような、わからないような・・(笑)


秋山郷を訪れる場合、R405を通って新潟側から来る人が多いらしく秋山郷の観光案内情報もそれを前提に書かれていることが多い。
ワタクシの場合、奥志賀高原から雑魚川林道を経由して、秋山郷最奥の切明温泉にいきなり最初に顔を出すのだから、「正規ルート」からすると逆かもしれない・・(笑)


雑魚川林道は完全舗装された道路で、意外にも走りやすい道路だった。
秋山郷と言えば、鈴木牧之がかつて桃源郷と呼んだ人里離れた集落のイメージが濃いが、乙見峠トンネルで出会った地元登山者は「最近は訪れる観光客も増え、一昔前のような本当の秘境という面影は薄れた」と述べていた。アクセスが容易になったことが理由かもしれない。。

富山の山並や黒部峡谷を思われるような深い谷を通って林道を進んでいくと、ほどなくして秋山郷の切明温泉エリアについた。ここは、川をシャベルで掘ると温泉が湧き出るという場所で、宿でもシャベルを無料で貸出しているらしい。
今夜はのよさの里オートキャンプ場でキャンプ予定だ。既に夕刻であったが、折角なので秋山郷の雰囲気を味わおうと、そのまま原付をR405を下流(新潟方向)へと走らせた。

既に薄暗いので写真は撮らなかったが、翌日は雲がかかった天気だったことを考えるとこの時に写真を取るべきだったと少し後悔。

既に夕方6時。辺りが薄暗くなったのでよさの里に戻ってきた。まずは、受付前にキャンプ場の視察。(ブログで読んだ通り)水場を中心に円形配置されたサイトだったが、利用者は誰もいなかった・・・
その後キャンプ場運営者たる旅館(のよさの里)に受付に行ったが、この時間からのサイト利用に驚いているようだった。雨は止んでいたもの地面は濡れているので、のよさの里で一泊してもよかったが、この時間からだと料理は準備できないという。。
ということでキャンプをすることにした。
しかし受付の方は少し躊躇っているようで、「他にサイト利用者がいないので心配」という。
さてはクマだろうな・・と思って尋ねてみると、「クマとかその他いろいろ」との意味深な回答。
確かにクマが出没してもおかしくない雰囲気だが、これほど気にするとは出没率がよほど高いのかもしれない・・・
何かあるといけないので、と受付の方が特別に旅館前の広い芝生エリアにテント設営を許可してくれた。
「何かあれば旅館の扉を叩いてください」と・・。 どんだけ出るんだよ。。(笑)

既に6時半過ぎ、LEDランタンを辺りを照らして急いでテント設営した。
雨が降る可能性があるので遅い時間からでもタープはしっかりと張ります(笑)

今日は温泉巡りのためか、すっかりBBQ肉の買い出しを忘れてしまっていたが、酒は十分あるし、焚火は熾さずに夜は有り合わせのもので済ませることにした。
24H利用可能な露天に入ったり、お酒を飲みながらゆっくりと夜を過ごした。


滝の湯と塵表閣本店の温泉に浸かり、夜は秋山郷で過ごす。全て予定通りだ。
のよさの里の露天も含めると本日入浴した温泉は3つ。
雨の日なりにも満足感ある充実した一日だった。

雨の日には温泉を愉しむという新たな旅のスタイルを発見したような気分だ。

秋山郷の虫の音をBGMに、ほろ酔い気分で眠りについた。


<7日目(2015.9.25)の走行データ>
■出発時メーター:××,340km      
■到着時メーター:××,490km
■本日の走行距離 :150km
■天候: 雨

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信州秋の旅 5日目 笹ヶ峰、乙見峠トンネル、栂池高原、白馬
信州秋の旅 4日目 関田峠、燕温泉、笹ヶ峰キャンプ場
信州秋の旅 3日目 奥志賀林道、野沢温泉
信州秋の旅 2日目 山田牧場、雷滝、七味温泉(山王荘)
信州秋の旅 1日目 榛名湖、志賀草津、カヤの平キャンプ場
信州秋の旅 準備編