直熱三極管 300B 真空管 聴き比べ | 禁断のKRELL

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ハイエンドオーディオやヴィンテージオーディオを語っていきます。

 

 

 

 

直熱三極管 300B 真空管 聴き比べ

 

 

 

 

 

 

 

 

ELECTRO-HARMONIX 300B ロシア連邦 ¥30,025 (ペア)



エレクトロハーモニクス300Bはポップスなどに好適とされる。

ハーモニーはすっきりとクリアにまとめる。低域のアタックも

タイトに感じる。透明で綺麗な出音。甘みのあるスゥイートな音ではないが、

全然悪くない球である。ボトムエンドはスマートにまとまり、

少し音が細身で華奢な感じであるが、エレハモはこの球ならではといえるような

アピールポイントが足りない。

 

 


 


JJ ELECTRONIC 300B スロバキア共和国 ¥46,980 (ペア)

 

JJは明晰で音の輪郭線をきれいに浮かび上がらせる。音像に骨格があり、
しっかりした太い音だ。低音のパワー感もある。それに大きな球で驚く。
ガラス管部分も相当な厚みがあり、造りが高剛性である。

高音~低音までしっかりした質量感のある音で、音場表現が広く感じられる、

物理特性が優秀な球といえる。音色には色付けが少なく、ニュートラルでクセがない音。

立派な音だが、音楽の表情がやや無表情に感じられて、少しつまらない。

エレハモ300Bは実測で一本110g。JJ 300Bは128gと重さが違う。
 

 

 

 

 

 

 

PSVANE 300B 中華人民共和国 ¥21,000 (ペア)



近頃「音が良い!」と評判の中国 PSVANE 300B、

ペア21,000円の低価格な球だがダイナミクスやハリがあり、
女性ボーカルの輝きや余韻に満ちた魅惑的な表情が素晴らしい。
クオリティも必要十分なものがあり、大変にお勧めの球である。
特性重視に作ってあるアンプなら1988年の最終生産の本物のWE300Bや
Setron 300Bよりも、この球がお勧めである。製造後数十年経った

ヴィンテージ球が真新しい白シャツに付いた汗染みを見るような、
くすんだ音に感じられるくらい、新鮮でフレッシュな音がするのである。
一方で無帰還回路でパーツ点数も少ないシンプルな回路のアンプは
球の素性(本来の音であり個性)をよく聴かせてくれるので、SUN AUDIO SV-300BEなど

ではSetron 300Bや1988年までのWE300Bの方が好ましい音で鳴ってくれる。

 

 

 

 

 

 

PSVANE Acme 300B 中華人民共和国 ¥119,990 (ペア)



世界初の3D設計管構造、サンドブラストアルミニウムカバー付きテフロンベースなど、

PSVANE の最高級グレードという格付けの球で期待も大きかったのだが、
大きな落胆を味わいました。超S/N比 超低歪みでPSVANE 300Bと比較すると
クオリティはかなり上がりますが、ニュートラルでクセのない音になって、
ダイナミクスやハリが大きく減少、女性ボーカルの輝きや
余韻に満ちた魅惑的な表情がすっかり消失してしまった。
確かにAcme300Bのあと一番安いPSVANE 300Bに戻すと、
安物に感じられるくらい、本質の高さは凄いのですが。大損しました。

 

 

この話を代理店の方にすると

 

『PSVANから取ってくれと頼まれたが、私も音が好きではないので取らなかった』

 

というご回答を頂きました。

 

 

 

 


 

 

PSVANE WE300B 中華人民共和国 ¥104,000 (ペア)


「PSVANE 300Bと比べるとレンジも広がり、評判が良いですね」

との代理店の方からの話でしたが、この球はエージングマシンによる

100時間エージングのあとに聴いたが、本当にひじょうに硬質な音で

聴くのが辛くなるほどでした。NOSの真空管は硬質な音がするが、

それにしても音が論外に硬いのだ。立体感のある空間表現を持っており、

S/N比が高く高解像度なハイファイサウンドである。カチッとした

透明で精確な音なのだが、音楽の表情も生硬で300Bの魅力を感じない、

PSVANE は下位モデルの出来が抜群に良かったので、

またしても落胆を味わうことになった。あるメーカーの関係者の方に話すと

「弊社でも試しましたが、みんなで聴いてこの球はダメだね....ってなりました」

「そのあと、しばらく仕舞っていたのですが、また後日試してみたところ、

実働100時間を超えたところで音が良くなったんですよ!」
『私も100時間エージングしたのですが...』「エージングマシンではなく、
アンプで音楽を100時間鳴らすとガラッと音が変わり、本当に良い音になりました」

『本当ですか?』「ええ、本当です」「なので、私どもでは高槻300B、

Western electric 300B PSVANE WE300B をお勧めしています 」
私は新品で買って少し聴いただけで手放してしまったので、

また機会があれば試してみたいと思っています。

 

 

 

 

 

 

Setron 300B アメリカ合衆国 ¥100,000 (ペア)



砂糖菓子のような甘美な美音、輝かしく煌びやかでゴージャスなWEトーン。
キラキラした金色の輝きがある。王道のアメリカンサウンド。
艶やかで芳醇。原音を夢のような理想的な世界に再創造する。
音に推進力があってダイナミックで溌剌としたハリ出しや力強さに目を見張る。
音の勢いはエモーショナルな感情の高まりをよく表現し魂を揺さぶるような

強い感動を与える。肉感的で豊麗で図太く力強い。躍動感に溢れる音、
ただし、特性重視に作ってある現代的な設計の有帰還アンプだと
キラキラした輝きが鳴りを潜めてしまい
、WEの甘美な音色だけが感じ取れる。
1988年のWE300Bの生産完了に伴い、WEが仕様書を作って正式に業務委託した
リチャードソン・エレクトロニクスによる生産で、WEの製造設備も譲り受けている。
1988年製のWEと同等か、それ以上の本家WEサウンドだが、
1940年代のWE300Bはまた別格でとてつもない音がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

TAKATSUKI 高槻電器工業 TA-300B 日本 ¥209,000(ペア)



正統派ハイファイサウンド、ハイエンドサウンドを狙うならこの球しかない。
サウンドクオリティはテストした300B中でナンバーワン。
高解像度で音楽性も高く、魅力的な音で決して無機的にならない。
低価格の球では飛び抜けた高音質でお勧めのPSVANE 300Bと比べでも
あきらかに解像度や情報量で差を付ける。高価だがお勧めの球。
特性重視に作ってある300Bアンプにはこの球が一番のお勧めで、
新品の時から良い音で鳴ってくれる。高槻のあとにPSVANE 300Bに戻すと、

分解能が落ち、音が雑になる。空間に浮かぶ音像も
どこか希薄になる。両者を手に取って見比べると、造りはどちらも良くて、

構造に違いはあれど、製品の精度にそんなに違いはない。
差が出るのかな?と聴く前には思うが、確かに差が出る。
Setron 300Bと比べると現代の高級品だけあり、造りがあきらかに洗練されており、
ガラス管も厚く、ハウジングもしっかりしているのが
手に取るように分かる。寿命は2万時間とのメーカー回答である。
現代設計の球なので高圧が掛けられた現代の300Bアンプでも安心して使用できる。


 

 

ヴィンテージの300Bは350V前後の電圧で運用するべきですが、ATM-300Rのプレート電圧は437Vもあります。

LUXMANは450V近くだったと思います。したがって、現代設計の300B真空管アンプには

現代の300Bが適していると思います。

 

 

一部のヴィンテージ管のNOS 真空管は、定格電圧が低い場合があります。6SN7を例に挙げます。N

OS 6SN7GT の最大プレート電圧は 300V です。新しい 6SN7GTA/B の電圧は 450V と高くなります。 

 

 

 

 

 

ベテランの方々と話していると、揃ってチャイナの真空管やパーツへの評価がすこぶる悪い。

現在の真空管は品質が良くなっているが、古い中国の出力管などはトランスを破壊する

不良品が多いので使用は絶対避けた方がよい。

 

 

大阪のオーディオショップである識者と偶然会いまして、300Bについて色々と

話を聞きました。Full MusicELROG の300Bは音がよくないらしい。

カナダのディーラーの方に聞いた話しでは、KR AUDIO 842VHDは音が良いらしい。

日本では入手困難な球なので聴く機会は当分なさそうである。

 

 

 

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