ALTEC 612A (604E入り) 銀箱 を導入しました。
大阪府阿倍野区のスピーカー専門の木工所でハンマートーンの再塗装をして頂きました。
サランネットはスエード調のものに、スピーカーターミナル板とスピーカー端子も交換してもらいました。
一枚目の写真、見た目では一番いい感じのスエードのサランネットでしたが、
生地が厚く、音の透過性が悪いので交換しました。その一部始終を記載しておきます。
強力両面テープ
ラジオペンチ/プライヤー
ハサミ
ドライバー
以上を用意しました。
ドライバーはこのタイプじゃないと今回の作業量はきついです。昔コーナンで買いました。
まず背面のネジを全て外し背面板を取り外します。
次にスピーカー端子を止めている二本のネジも外します。
オリジナルの612A 銀箱は 604ユニットとネットワークを外したらびっくりするくらい軽いです。
スピーカー端子を左へ回すと緩むのでケーブルを四本とも抜きます。
ここは横着せず必ず外してから作業します。
四角い端子止めはラジオペンチなどで掴んで回して緩めて取り外しします。
タッカーで止めているサランネットと両面テープを手で引っ張って引き剝がします。
強力両面テープでサランネットを止めます。
ネットには裏表があるので注意。左側の光沢のある方が表面。
ピンと張った状態でネットを取り付けたいので、手で思い切り引っ張りながら装着するのがコツです。
六本のボルトの位置をしっかり確認してからそこを避けてタッカーで針を打ち込んでいきます。
※ボルトの穴の位置に針を打ち込まない事。
後でボルトを通していくため、六本のボルトの位置の中央に慎重に大きな穴を開けておく。
ボルトがスムースに通るようにハサミで切ってなるべく穴を大きくしておく。
604E 純正ネットワーク N-1500Aに書かれた指示通りにケーブルを差していく。
黒・赤が高域用ケーブル 黒・緑が低域用ケーブル。
高域用と低域用ケーブルを間違えると、低域用の信号が入って2.25インチドライバーが壊れるので慎重に!
※ ユニットが付いた板を再装着する際にはボルトを圧迫して外に押し出さないように要注意!
ボルトを付けたまま、上から再塗装してあると正面の塗装を剥がしながらボルトが外れてしまう恐れがある。
スピーカーターミナル板を装着して、最後に背面板をはめ込んでねじ止めしていく。
完成!
張り替えの結果は良好で音の透過性もよく鮮度の高い音です。
ネットがない状態と比較しても、ほぼ音の違いがありません。
また、ネット内側もまったく透けて見えません。いいネットだと思います。
大満足の仕上がりです。
※ 必読
追記しておくと、当てバッフル板はオリジナルはパーティクルボードを使っているので
日本の湿気の多さと経年劣化により砂のように崩れやすくなっていて、
銀箱をPAのように「ドスン!」と手荒に扱ったりすると、
604ユニットはとても重量があるので中で崩落してバッフル板からボロッと脱落する恐れがある。
パーティクルは端っこは触ったらボロボロに崩れるが、かなり厚みのある板状のものなので
そう簡単にはユニットが取れたりはしません。慌てて交換する必要はあまりないでしょう。
拙宅の612Aは松の合板で当てバッフル板を新造したので問題ありませんが、
端っこがボロボロになっているオリジナルのパーティクルボードは
ネット張替えでタッカーで打ちなおすとき、技術がないと崩れてしまって
失敗する恐れもありますので慎重に進めてください。
ネットや道具を買いそろえる前にまずは中を開けてみてチェックしてみるといいと思います。