CONNOISSEUR 3.0 PRE AMPLIFIRE 1999年 アメリカ・日本 ¥4,500,000~7,500,000
砲弾が飛んで来るような轟音を響かせ、迫真を感じさせる強烈なハイプレッシャー
サウンド、比肩するものがない音像の克明さ、空間に解き放たれる壮絶な鮮度感が
ありながら、独特の濃い音で、演奏者のエネルギーを蘇らせる凄まじい力に驚かされる。
タイトに引き締められた低域は肉質感に富んだ弾力性を持ち、FMほどソリッドな
音に傾きすぎない。ノイズフロアーはかなり低く保たれ、802D3まで5m以上離れていた
為かノイズ感は皆無。 音像の実体感や浸透力においてFMに近似した音なのだが、
回路設計を担当したピーター・マーレス、基盤レイアウトを行うリチャード・リース曰く、
「音が良いと信じるパーツ、音が良いと信じる設計を貫き、理詰めで音質を追求し、
これといって音作りはしていない」との事だが、リファレンス的であっさりした音である
Accuphase DP-950で再生し、FM711からB&W802D3というシステムであっても、
FM255とFM711の組み合わせと比較して音楽性に対しての不満が出ることはなかった。
真空管のような色気もある。設計はアメリカだが日本で製造されている。
写真はフォノイコ(MM)が付いていない本当の最後期のもの。
3.0と比較すると、拙宅のFM155の方が華やかで明るい音なのは間違いがない。
強大な音圧感や3.0が介在することで音に現れてくる存在感などは
FMのプリアンプを凌駕するほどではないか、とも思えるのだが、
FMの方がより一層締まった硬質な音で、高次元の音楽性ではFMの方が優れている。
サウンドの重厚感や底力は3.0がFM255を上回ると感じた。
FM155は明るくフレッシュな音だが、多くのエンスーはこのエントリーモデルに
食指を伸ばさない、FM255やFM266について回る音色の暗さのような
ネックになる部分もないのでFMのパワーアンプの相棒として3.0は有力株である。
ボリュームはクリック式で重く、操作感は優れているとは言えない。
音質追求において妥協がない設計なので、セレクターは左右独立で、
操作は二度手間になる。さらに巨大な別筐体の電源部が二機存在する。
リモコンも付いていないが、嗜好品、高級品としての魅力や品格は至高。
1999年に発売されたが、今日においても音の古さは一切感じなかった。
TADはオーディオショウなどで良い音で鳴っていた事がないのだが、
価格も半分であるし、後にFM711との組み合わせで試聴したTAD C-600の
方がFM711の相棒としては優れているのではないかとの感触を持った。
空気録音の動画ですが、②番をデスクトップPCで大音量で再生すると、
CONNOISSEUR 3.0とFM acoustics FM711の凄みがご自宅に居ながら伝わると思います。