フロンテクーペ生産台数はメーカーのスズキから発表されていないため不明である。
これで終わりだと、どうにもならないので考察してみる。
何故、不明なのかというと、その理由は車台型式のLC10Wにある。
フロンテクーペのボデー番号は、LC10W-140001とある、
LC10Wのボデー番号は水冷セダン・フロンテクーペとも共用だからだ。
そもそもフロンテクーペの元になったセダンとは何か。
1970年10月
フロンテ71(LC10Ⅱ)は(画像はSSS)
フロンテ360(LC10)のエンジン・シャーシを改良して新ボデーをまとったもの。
車両型式はLC10Ⅱだが、ボデー番号はLC10Gになる。ここまでは空冷3気筒エンジン搭載。
1971年6月
フロンテ71Wは新規開発の水冷エンジンLC10Wをフロンテ71のボデーに搭載した車種。
車両型式はLC10Wに、ボデー番号もLC10Wになる。(エンジン型式もLC10W)
1971年9月
そして、フロンテクーペが販売される。
左から クーペ、スポーツ、セダンの各シリーズ。
車両型式はLC10W、ボデー番号もLC10W。(エンジン型式もLC10W)
1971年11月 72フロンテにマイナーチェンジ。
1972年10月Newフロンテにマイナーチェンジ。
高まって来ていた環境対策として48年排出ガス規制に対応している。
スティングレイルックのフロンテセダンは空冷と水冷モデルが最後まで併売されていた。
1973年7月
フルモデルチェンジされてLC20型となる。
形式名はLC20。ボデー番号も LC20となり、クーペとは異なり区別できる。
LC20標準車はシングルキャブの34ps.ツーリスモは3キャブの37ps。
フロンテLC20は発売から間もない10月に第一次石油危機を迎えてしまう。
その為それまで動力性能の高さで名高いフロンテの2ストエンジンだが、
半面、燃費の悪さは定評であった。そこで省燃費型エンジンへとのシフトしていく。
つまり、クーペは最高出力37psから35psエンジンへと変わって行くのだった。
LC20標準車は34→32ps.ツーリスモは3キャブの37→35ps。
更に厳しくなる排出ガス規制に対応するべく軽自動車は550cc規格へ変化していく。
ダイハツ、スバル、三菱、マツダ各社は2ストから4ストロークエンジンへ移行。
(元々4ストオンリーだったホンダはシビック増産もあって軽乗用から撤退)
そんな中、スズキは2ストエンジンのまま努力を続けていく。
軽自動車は50年から小型の白ナンバー(8)から大型の黄ナンバーへ変更された。
フロンテクーペもバンパーやエンジンパネルを変更し大型ナンバーに対応させている。
この頃になるとフロンテシリーズも販売台数はかなり減って来ていた。
クーペをスポーツカーとして乗りたい人は未対策の中古車を購入する事も多かったようだ。
(この時代は小型車でも排出ガス対策車は低出力、低燃費となり人気が落ちている。)