一式七糎半自走砲ホ二Ⅰは九七式中戦車チハに九〇式野砲を搭載した自走式火砲。
昭和14年12月に研究を開始し、昭和16年5月に試製砲が竣工、射撃台上で機能試験を行い修正を実施、
同年6月中戦車車台に搭載し約400㎞の運行試験を実施、7月に機能弾道試験を実施、
おおむね良好な成績を収めた。同年10月に陸軍野砲兵学校に実用試験を委託したとあります。
昭和16年千葉戦車学校で演習を行うホ二試製第1号車と思われる。
昭和17年3月兵器本部にて自走砲の量産に関する打合せを行い、
昭和18年1月冬季北満試験をハイラル付近にて満州第六三部隊にて実施された。
冬季北満試験中のホ二Ⅰ 四技研・221号車。
量産打合せ後の制作車両と思われるため後期生産型車台であり防楯も量産型と同じに見受けられる。
同じく北満試験中のホ二Ⅱ 四技研・215号車。
こちらもホ二Ⅱ試製1号車(ホ二系列としては2台目)と思われる。
一式十糎自走砲は昭和16年3月研究開始、17年2月に試製砲が竣工3月に車台に搭載。
6月に新設計の遥架体が試作完成し7月に車台に搭載し実用試験を実施。
上記ホ二Ⅰと共に18年1月に北満試験を行った。
車台は前期生産型車台であり、防楯も量産型とは異なり前面斜めの面積が狭い
また防楯側面後方上部の角が落とされず四角の形となっている。
試製一式七糎半自走砲ホ二Ⅰ 試製第一号車の想像図を描いてみた。
実は実車の左側面の写真は見た事が無いのですが、斜め前方の防楯はホ二Ⅱ試作車と
同じではないかと思います。側面防楯の形状がこの車両の特徴ですが、
もしかすると左右で形状が違っているかも知れません。
防楯上面には測遠器やパノラマ眼鏡が装備されているように見受けられる。
また搭載砲には量産型には見られない防危板があるようです。
ホ二系列の防楯形状は更に変化していきホ二Ⅲに至るのだが…
いずれインジェクションキットでホ二Ⅱが発売された時には
これら過渡期の防楯を装備した車両を制作してみたいと思います。