こんにちは(^∇^)
【プリンセスの卒業式】主宰
母と娘の心の謎を解くカウンセラー、高橋リエです。
1859年に日本を訪れたスイス領事
リンダウは、江戸に通じる田舎道を
通ったときのことをこう書いています。
- - - - -
そこではすべてが安寧と平和を
呼吸していた。村々も、豊かな作物に
覆われた広大な平野も、野良仕事に
携わっている農夫達もである。
すべてが休息を招いていた。
今まで私はこれほどまでに
自然のさなかに生きる人間の幸せを
感じたことはなかった。
- - - - -
当時の日本では
風景と人々のうえに、このような
輝くばかりの幸福感がみちみちて
いたのです。
もちろん江戸時代がすべてよし
と言っているのではなく、
いつの時代にもダークサイドは
あるわけですが、
当時、日本を訪れた外国人の
目にうつった光景のなかに、
わたしたちがすでに失った、
数々の美点があり、
それらがひどく魅力的であることに
驚かされる、ということです。
日本では、多くの知識人が、
近代化以前の日本を否定し、
外国人の賛辞を異国情緒趣味と
排したため、
江戸時代後期が、蒸気も電気もない
時代にあって、見事なまでに
完成された文明であったことを
わたしたち自身があまりよく知らない
ということがあるわけです。
いまの日本人の視点はかつての
西洋人に近いので、いまのほうが
再評価しやすいかもしれません。
さらに『逝きし世の面影』から
引用してみますね。
- - - - -
人びとを隔てる心の垣根は低かった。
彼らは陽気で人なつこく
わだかまりがなかった。
日本人は至って快活な気風を持っている。
私は親しい日本人たちが暗い顔を
しているのを見たことは一度もない。
彼らは面白い話が好きで、
よく冗談をいう。
なんという幸せな素質を、
この人たちは天から授っているのだろう
おどけたり茶化したりする才能を、
いかにこの国民が
豊富に持ち合わせているか。
日本人の性格には、たしかにユーモアと
滑稽さがあって、そのためにこういう
見せ物はすべて倍も面白くなるのだ。
- - - - -
日本人はお茶目でよく笑い、
失敗や落胆することを笑い飛ばして
いたようなんです。
視点が客観的なところなども、
成熟した文明ならでは、
なのかもしれません。
- - - - -
日本の庶民世界ののどかさ気楽さに
ぞっこん惚れこんだ人は、
西欧的な心の垣根の高さに
疲れた人だった
- - - - -
ということで、
個が強くなりすぎ、
心の垣根が高くなりすぎた
いまの日本人が無意識のうちに
求めるものを、
江戸文明の日本人は
体現していたのですね。
著者のあとがきには、こうあります。
- - - - -
少年の頃、私は江戸時代に生まれなくて
よかったと本気で思っていた。
だが今では、江戸時代に生まれて
長唄の師匠の二階に転がり込んだり、
あるいは村里の寺子屋の先生をしたりして
一生を過ごした方が、自分は人間として
今よりまともであれただろうと
心底信じている。
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個が強まり心の垣根が高くなると
人びとは分断され、
しだいに孤立していく・・
そこが、問題なんですよね。
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