「俺の師匠に会ってみる?」

 

事業の発展に悩んでいた僕は

派遣先の仕事仲間から紹介された

その人と会うことにした。

 

 

 

 

男は、白いベンツで現れ、

目黒の拠点で話をすることとなり、

 

そこで行われている

何ともおかしなシステムを聞いた。

 

 

 

 

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place2 おかしな起業家養成所

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真っ赤なソファーの

奥に座ったその男は『浅見』と名乗り

 

弟子制度という仕組みを

構築しているとのことだ。

 

 

 

 

浅見さんは弟子たちに

『会長』と呼ばれていた。

 

 

 

 

それは

『起業家への出資者』

という意味のようで

 

弟子たちは住み込みで

起業家として育成されている

という内容だった。

 

 

 

 

そこには、

厳しいルールがあった。

 

 

 

 

・起業に不要なものは、何1つ持ってきてはいけない

・お金は共通の経理が管理して、収入・売上は一旦全てそこに預ける

・基本的に自炊で、決められた食費や認められた経費だけ返してもらえる

・朝は早くから掃除

・ブログは毎日書き、日報も毎日送ること

 

 

 

 

聞いたことも無い

クローズな環境の話だった。

 

 

 

 

しかし、僕が今やっているのは

先が見えないサークル的事業。

 

 

 

 

今のままでは、

何の進展もない・・・。

 

 

 

やるしかない!

 

 

 

 

僕は、生活必需品以外の

全てを捨てた。

 

 

 

 

寮として使っているという

青葉台の大きな家に引っ越して

 

10名ほどの起業家仲間と

寝食を共にした。

 

 

 

 

みんな、素直で純粋。

すごく良い人たちだ。

 

 

 

 

だって、こんな怪しい所に

信じて移り住む人たちなのだからと

冷静に分析する自分もいた。

 

 

 

 

規則正しい生活の中で

学びの機会があれば会長の元へ行き、

 

また、具体的に進む事業があれば

極力それに関わった。

 

 

 

 

そこでの目標は

起ち上げる事業の出資者となって

配当で生きていけるようになることだ。

 

 

 

 

なかなか先は見えないし

そもそもよく分かってないし

進まないけれど

 

 

 

 

僕にはもう、

そこしかなかった。

 

 

 

 

だから、できる限り

食らいついた。

 

 

 

--

 

 

 

ここに来てから

1年くらい経っただろうか・・・

 

 

 

 

ルームメイトが、

自殺した。

 

 

 

 

言葉を失った。

 

 

 

 

彼は実家に帰った時、

 

押し入れの中で

手首を切ったのだという。

 

 

 

 

自分を追い詰めて

限界を感じたのだと思う。

 

 

 

 

僕は彼の苦しみに

気付けなかった。

 

 

 

--

 

 

 

制限のある環境の中でも

仲間と切磋琢磨して過ごす日々は

楽しくもあり充実もする。

 

 

 

 

ただ、ルールや制限は

時に人の身と心を疲弊させ、

 

結果を出したくても出せない日々は

苦しみが募るばかりである。

 

 

 

 

そこでの進展に限界を感じ、

また、噂などで不信感も覚え

僕はその環境を後にした。

 

 

 

 

たった1人での

新たな出発拠点は

ベッドのある四畳半の部屋だった。

 

僕は全ての荷物である

段ボール箱を4つ、

自分宛てに送った。

 

 

 

 

⇒続き『place3 ハイエナの生息地』を読む

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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プロフィール

星 絢 -ken hoshi-

四柱推命鑑定師専門 起業支援家

株式会社地球人 経営者
一般社団法人日本占道協会 認定師範

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