『MW-ムウ-』試写会鑑賞 | 映画な日々。読書な日々。

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16年前、ある島の島民全員が死亡した事件は政府によって隠ぺいされるが、二人の少年が奇跡的に生き延びた。その一人でエリート銀行員となった結城美智雄の裏の顔は冷酷な殺人鬼で、神父となった賀来裕太郎は結城を救済しようと苦悩する。そんな中、16年前の事件の鍵を握る「MW」を手にした結城は世界滅亡をもくろむ。[上映時間:126分]


玉木宏はカッコイイ。けど、映画として面白いかと聞かれるとちょっと微妙。なんだろう、ちょっと浅い感じがしました。ちなみにわたくし、原作未読です。


16年前、沖之真船島の島民全員が一夜にして消えた。そしてその島で起きた事件は政府によって闇に葬られ、島に関する一切の記録は抹消された。しかしその島から奇跡的に生き延びた少年が二人いた。


生き延びた少年の一人、結城美智雄は表向き外資系のエリート銀行員。しかし裏では島を滅ぼした事件の謎を追い、自らの運命を狂わせた復讐を誓い、凶悪な犯罪を繰り返していた。一方、もう一人の少年だった賀来裕太郎は神父となり、迷える人々を救いながら生きてきた。


結城を救おうと、彼の凶行を阻止しようとする賀来。しかし結城の暴走は止まらない。やがて16年前の島の事件を調査する新聞記者の手帳に残された『MW』の情報を手に入れた結城は、最後の復讐劇が始まる。


最初に描かれる結城の復讐はタイでの誘拐事件。この誘拐事件のシーン、かなりお金かけてますよね。。。結城と沢木刑事の追いかけっこに結構な時間が費やされていました。しかもハリウッドさながらのカーアクション。だけど刑事役の石橋凌が若干中途半端な感じだったんですよね。カーアクションだって不要じゃないか?あの刑事の行動は他人の国であなた、大迷惑ですよ、という感じでした。あのシーンはもうちょっと短くてもよかったんじゃないかなぁ。


しかも結城ってば、かなり早い段階で犯人だと気づかれちゃってるしね。だけど最初の殺人を犯すシーンや、刑事を殺すシーンは結構ぞっとしました。あの綺麗な顔で平気で残酷なことをする姿に。


ただ、玉木君の演技のせいなのかはわからないけど、結城の苦悩があまり伝わってこないし、美しきモンスターと言うにはちょっと浅い。そもそも島を脱出してから大人になるまでに彼らがどれぐらい辛い思いをしてきたのかが何も描かれていないのがいけないのかも。


政府ぐるみで隠蔽された16年前の事件。彼らがひた隠しにする『MW』とは何なのか?は冒頭シーンで想像が着きます。でもその『MW』の存在が明らかになり、そして『MW』に辿りついたあたりからが残念ながら陳腐だったんですよね。


復讐の為であっても残虐な殺人を続ける結城は確かに悪。けれども、彼が戦っているものも悪。悪と戦う彼が善なわけではないけれども、彼は大きな悪を倒そうとしている。善悪とはいったい何なのか?


山田君はいい味出してたと思います。

結城がしていることをわかっていて、それを止めないといけないのに止められない。結城を救いたいという気持ちがあるのに、彼に負い目があるが為に、彼の気持ちもわかってしまうが為に強く言えない自分の弱さとの葛藤。だけど残念なことに、山田君の出番は可哀想なぐらい少ない。もったいないなぁ。


なんかね、つまらなくはなかったんだけど、面白くもなかったというのが正直なところ。映画化不可能と言われていたらしいけれども、原作から設定を変えているせいか、そんな衝撃作にも感じられませんでした。でも殺人鬼ではあるけど、演技が上手いわけではないけど、この映画の玉木君はかなりカッコイイです。そういう意味で玉木ファンは必見?


ちなみに『MW』について
「Man&Woman」もしくは「Mad Weapon」の頭文字であるという説や、上下を逆さにしても同じ文字となることから、「“価値観は常に反転する可能性がある”という皮肉を込めている」といった解釈など、諸説ある。


試写会(@よみうりホール)にて鑑賞


★★☆