自○願望を持つ老婆 老人を気遣う老婆 | めざすぞ!四感王 〜視力は失っても残った四感をフル稼働、前向きな人生をめざす〜

めざすぞ!四感王 〜視力は失っても残った四感をフル稼働、前向きな人生をめざす〜

全盲の管理人が、ある時は身障者への偏見や誤った認識を指摘、またある時は日々の喜びや小さな気づきなど綴ります。皆さん前向きでいきましょう!!

デイサービスでは様々な人間模様が見てとれる。実際の視界は真っ暗なんだけど(笑)


【case1:自殺願望を持つ老婆】


かつてスナックのママとしてブイブイいわせていた老婆A(推定90歳)。現在は足腰も弱り、日常生活には車いすが欠かせない。


そんなAが最近、とある訪問看護ステーションと契約した。それにより、担当看護師が毎週決まった日時にA宅を訪問。体調を管理することになった。


……と、そこまでは何ら問題はない。ヤバいのはAからの深夜の緊急コールだ!


Aは毎晩、それもゴールデンタイム、丑三つ時、明け方とランダムに当番看護師の緊急用スマホに電話し、看護師を自宅に呼び出すのだ!


百歩譲って急病や怪我なら仕方ない。当然の権利だ。しかし実際はそうではない。「自殺したい」だの「寂しい」だの、ただの愚痴トーク相手が欲しいだけのかまってちゃん体質なのだ。


これでは看護師は堪ったものではない。本来、そういった用件はサービス外だ。だが、無視して何かが起きてしまってはまずい。とりあえず眠い目を擦り自転車を漕ぐことに。


最近も深夜にAからの呼び出しがあった。看護師が駆けつけると、A曰く


「自殺したくなって下痢止めを2錠飲んだ」


糞詰まりで死ぬ気だったのかよっ?! っつーか、たったの2錠で死ねるのかよ?!


看護師がとりあえず下剤を飲ませたのは言うまでもない。


【case2:隣席の老人を気遣う老婆】


食事調達、掃除、入浴、着替え、身辺の必要なことがほとんどできないが、口答えだけは一丁前な老婆B(推定90代)。


Bはいつも隣の席でうたた寝しているヨボヨボのおじいちゃん(推定90代)が気になって仕方ない。


そんなある日のこと。施設にマイク設備が入った。耳が遠い利用者が多いこともあり、皆大喜び。とりあえずマイクを回して一人ずつ自己紹介することになった。


老婆X「○○です。よろしくお願いします」


老婆Y「△△です。鳥取出身です」


老婆Z「□□です。みなさん仲良くしてください」


そしてマイクはBの手に。


老婆B「こちらのおじいさんが、さっきから横になりたいと言ってます」


全員「ズコーーーーーッ!!」


マイクで言うなーっ!自己紹介するんだっつーの。


そしてマイクは隣のヨボヨボおじいちゃんへ。


老人「……ありがとうっ!……それだけだっ!!」


全員「もう1回ズコーーーーーッ!!」


空気読めない人、ここにもいたーーーーーっ!!



©️2024 Koichiro