『キングダム』実写映画 ネタバレの感想 非常にスケールの大きい歴史物語に感激(改訂) | アンパンマン先生の映画講座

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映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

 

評価 4/5 ☆☆☆☆★

 実写映画第4作『キングダム4 大将軍の帰還』が2024年7月12日に公開されるので、その前に第1作~第3作を見直した。ただし、原作の漫画とアニメは見ていない。

 舞台は春秋戦国時代の中国である。高校時代に世界史の授業で習ったので、冒頭の「古から続く動乱の世。時は春秋戦国時代。韓、趙、魏、楚、燕、斉、秦の7つの国が対立していた。」とのナレーションを聞いて、こういう時代があったと思い出した。世界史では「秦の趙政が中国を初めて統一し、始皇帝と名のった」と習った記憶がある。その趙政の別名が嬴政だそうだ。つまり、この映画は嬴政が始皇帝になる話で、なかなか壮大なストーリーである。実にたくさんの登場人物が出てきて、誰が実在の人物で、誰が架空の人物か分からないし、どれが史実で、どれが創作か分からないが、歴史物語として非常にスケールの大きい映画になっている。

 信と漂は、武運を重ねて将来は将軍になると言う夢をかなえるために、二人で剣の鍛錬に励む。ところが漂は嬴政の影武者として命を落とす。この時、漂は本物の嬴政さながらに部下たちを鼓舞し、兵の士気が上がったという話に感動した。漂の将軍としての才能の片鱗を見た気がして、将軍になって居たらどんな活躍をしたのか、惜しい人物を亡くしたと思った。もちろんこれは創作だろうが、王に影武者を置く事はよくあるので、ひょっとしたらこのような話があったかもしれないという思いにさせる。

 その後、信は嬴政を助け、朱凶やムタという不気味な刺客達と戦う。信役の山﨑賢人のアクション場面での動きの良さに感心する。また嬴政役の吉沢亮は、威厳があり国王の風格すら感じる。嬴政の弟で反乱を起こした成蟜役の本郷奏多は、嫌みな役にぴったりだと思った(誉め言葉です)。河了貂役の橋本環奈は、今までの美少女役と違った良い味を出している。楊端和役の長澤まさみは、王宮の戦闘場面では、山の民の服を脱ぐとその下にミニの(?)鎧を着ており、戦闘のアクションもこなしているのに感心した。

 この映画の圧巻は、秦の咸陽宮の王宮で、嬴政と信や楊端和逹の軍と、成蟜達の反乱軍が戦う場面である。広い王宮内で、敵味方が入り乱れての戦闘場面が、非常に迫力あった。王宮のセットがあまりにも壮大で見事だったが、中国浙江省象山影視城という映画撮影用の野外セットなのだそうだ。しかも春秋戦国時代用に作られたセットだそうで、秋戦国時代の光景の再現に感動した。

 象山影視城の近くの草原では、幼い信が王騎将軍の軍勢を見て憧れる場面も撮影されたそうだ。中国らしい広大な風景に圧倒された。

 その他にも、全編にわたって中国らしい風景が続くので、オール中国ロケかと思ったら、里典の家は静岡県で撮影し、富士山はCGで消してあるそうだ。嬴政と信達が山の民と遭遇する谷道は、宮崎県だそうだ。このように日本国内各地でもロケされていると知って、中国らしい風景を日本国内でよく探したものだと感心した。

 さて、映画は嬴政が成蟜を倒し、秦の王宮に戻ってくる場面で終わる。本作『キングダム』(2019年)を見終わって、是非続編で今後の信と嬴政の活躍を見たいと思った。と言う事で『キングダム2 遥かなる大地へ』(2022年)、『キングダム3 運命の炎』(2023年)と立て続けに続編が公開されて嬉しい。第4作『キングダム4 大将軍の帰還』(2024年)も期待している。評価は「4」である。

 題名の『キングダム KINGDOM』は「王国」の意味。秦王国、そして中国を統一した王国を指していると思われる。