『ザ・ウォッチャーズ』ネタバレの詳しいあらすじ | アンパンマン先生の映画講座

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映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

監督:イシャナ・ナイト・シャマラン 2024年

主な登場人物(俳優)役柄

ミラ(ダコタ・ファニング)ペットショップ店員。森に迷い込む。

キアラ(ジョージナ・キャンベル)森に迷い込んだ若い女性。

マデリン(オルウェン・フエレ)森に迷い込んだ年配の女性。

ジョン(アリスター・ブラマー)キアラの夫。

ダニエル(オリバー・フィネガン)森に迷い込んだ少年。

ローリー・キルマーティン(ジョン・リンチ)ウォッチャーズの研究をしている。

 

 アイルランド西方の地図に載っていない森があり、迷い込んだ者は帰らない。

 森の中の「回帰不能点108」の表示の脇を男(キアラの夫のジョン)が走る。ジョンは「助けを連れてくる。日が沈むまであと22分」と時計を見て呟く。森の中を走っていると、再び「回帰不能点108」の表示の所に戻ってしまう。カラスの大群が頭上を飛ぶ。

 日没になるので、ジョンは木に登る。ところがだいぶ高く登った所でつかんだ枝が折れ、ジョンは地面落下して気を失う。意識が戻ったジョンは、自分のリュックからナイフを出して身構える。物音がして、ある物を見たジョンは「ありえない」と驚く。ジョンは「助けてくれ」と叫ぶが、何者かに穴の中に引きずり込まれる。

 (タイトル『THE WATCHERS』)

 ペットショップで働くミナは、店長からニョウオインコ(女王鸚哥)と言う絶滅危惧種の貴重な鳥を、ベルファスト近くの動物園に配達に行くのを頼まれる。まる1日かかる距離なので、明日出かけることにする。ミナが店長に聞くと、人の言葉はしゃべらないと言う。

 ミナは鳥籠にインコを入れて自宅に持ち帰る。インコに「15年前の今日、母が死んだ」と話しかける。インコに「今夜出かける。死なないで」と言うと、インコは「死なないで。死なないで」と喋る。

 ミナはシャワーを浴び、黒髪のウィッグを付けて、バーに行く。話しかけて来た男に「私はキャロライン。バレリーナ」と自己紹介する。

 翌朝、ミナは車に鳥籠を乗せて、インコに「そんな目で見ないで。ただのごっこ遊び」と話し、出かける。川沿いの道を走り、途中のガソリンスタンドで給油する。電話が鳴り、ミナは留守録を聞くと姉のルーシーから「昨日のママの追悼式に来なかったね。あなたが心配。苦しむのは止めて。かけ直して」とあった。ミナは車で出かける。ガソリンスタンド前の掲示板には、沢山の行方不明者の張り紙があった。

 ミナの車は山沿いの道を走る。ルーシーの言葉を思い出しながら漫然と走ったせいか、森の中の道を走っているうちに道に迷う。スマホの電波が途切れ、車のラジオが止まり、車のエンジンが止まる。

 ミナが車から降りると、インコが「死なないで」と言う。ミナは木の間に「回帰不能点12」の表示を見つける。ボンネットを開けると、ラジエターから蒸気が出ていた。「近くに家があるはず」と鳥籠を持って車から降りて、森の中を歩く。「誰かいない。車が故障した。手を貸して」と叫んでも、全く反応がない。諦めて車に戻ろうと振り向くと、車がなかった。

 ミナはインコにダーウィンと名前を付ける。カラスの大群がやって来る。叫び声の様なものが聞こえ、ミナは人影を見つける。立ち上がると地面が揺れる。ミナは鳥籠を持って人影を追う。すると森の中に建物があり、年配の女性がドアを開け「命が大切なら、走りなさい。戸が閉まるまで、5、4、3、2、1」と秒読みを始める。ミナは急いで建物の中に駆け込む。年配の女性は、ドアの沢山の鍵を掛ける。

 建物の中には年配の女性のマデリン、若い女性のキアラ、少年のダニエルの3人がいた。ミナが「ここはどこ?」と聞くと、マデリンは「鳥籠と呼んでいる。説明している時間はない。奴らは待ってくれない。新入りには特に興味を持つ」と教える。キアラはミラを立たせると、4人は鏡になっている窓の前に1列に並ぶ。マデリンは「ウォッチャーズと呼んでいる。心配しなくていい。彼らは見るだけ」と言い、キアラは「彼らは毎晩やって来て、日の出まで、あちら側の窓から見る」と教える。マデリンは皆に一歩前に出るように言う。外で物音が聞こえ、マデリンは「あなたへの拍手」と教える。

 朝、ミナは鳥籠を持って建物の外に出て、他の人に「家に帰る」と言う。ダニエルは「帰れない」と忠告する。マデリンは「行かせろ」と言う。

 森の中を歩きながら、ミナは「みんな気がおかしい」と言うと、インコは「死なないで」と話す。ミナは「車を探す。直ぐ帰れる」と言う。後ろに少女の様な人影を見て、ミナは森の中を走る。見晴らしのいい場所に出るが、周りは見渡す限り深い森が広がっていた。

 ミナの肩をマデリンが掴み「誰でも森を出ようとして失敗する。正気を失う」と言い、一緒に戻るように言う。森の中に「回帰不能点44」の表示があり、マデリンは「鳥籠から半日の境界の表示だ。境界内にいれば日没まで戻れる。ローリー・キルマーティン教授が作った」と教える。マデリンは、日が頂点を過ぎたので、鳥籠に戻ろうと言う。

 夜、ダニエルが「ショーが始まる。ミナはどうなるのか」と窓に向かって口上を述べる。キアラはレコードをかけ、「彼らは私の踊りがお気に入り」とバレエを踊る。ミナは古いテレビで『愛の隠れ家 3話』のDVDを見る。ケースの裏に「RK教授所有」と書かれてあった。

 翌朝、ミナとキアラは森の中に薬草を取りに行く。キアラは「私の夫ジョンは6日前に出て、戻らない」と話す。ミナが「ウォッチャーズは何を求めているの?」と聞くが、分からないそうだ。キアラは「見せたいものがある」とミナを連れて行くと、深い穴があった。キアラは「穴に近づくなと言われている。彼らは、昼間はこの中にいる。坑道のように地下で繋がっている」と教える。

 ミナが「キアラ、ここは長いの?」と聞くと、キアラは「さあ、時間の感覚がない。5か月くらい。ミナが来る前は、私とジョンが新人だった」と話す。

 建物の前でマデリン「ここにはルールがある」と言うと、3人で「1.鏡に背を向けてはいけない。2.夜間、ドアを開けてはいけない。3.常に光の中にいろ」と教える。マデリンは「彼らの領域の中にいる事を忘れるな」と注意する。

 テレビで『愛の隠れ家』のDVDを見る。外の森の中で何かが動き回っている。ミナは鏡を手で「トン、トン、トン」と叩き、耳を鏡に押し当てると、何かが聞こえて恐ろしくなってソファーに戻る。すると、鏡を「ドン、ドン、ドン」と叩く音が聞こえ、ミナは怯える。

 朝、ダニエルは、森に仕掛けた罠にかかったカラスを捕まえて殺し「ジョンがいなくなってから、俺が狩りをしている」とミナに話す。帰り道、ダニエルは「マデリンが一番古い。大学で教授をしていた」と話す。ミナは森の中で少女の姿を見つける。

 ミナは「いつからいるの?」と聞くと、ダニエルは「8か月と3日」と答える。「ウォッチャーズを見た?」と聞くと「見たら死ぬ。マデリンが言っていた」と答える。

 ミナは森の中に穴を見つけて近づく。ダニエルは「穴に近づくなと言われている」と止めるが、ミラは「中を見たくない?」と誘う。ロープをダニエルが引き、ロープに体を通したミナが穴の中を降下する。 穴の底にミナが降りると、ダニエルが「光の外に出るな」と注意する。

 ミナはライターの火を点けて周りを見ると、1992年4月の新聞、ビデオカメラ、ウサギの縫いぐるみ、自転車を見つける。ロープで自転車を引き上げる。ミナの背後で何かが近づく物音がし、「アインリクタン」と言って、手が伸びてくる。光が当たると手に火傷ができ、手が引っ込む。

 ミナは穴にあった自転車、懐中電灯、ビデオカメラなどを持ち帰る。マデリンに聞かれて、大きな岩の下で見つけたと嘘を言う。マデリンが「恐ろしい何かを見た?」と聞くが、ミナは「何も」と答える。

 部屋の中でダニエルがビデオカメラをテレビに繋ぎ、「外に置いて監視カメラにする。ウォッチャーズを見る」と言う。

 夜、4人で外の映像が映ったテレビを見る。いつもなら現れる時刻なのに、ウォッチャーズが現れない。すると、ドアを叩く音がして、ビデオに男の足が映る。外から「ドアを開けてくれ」と言う男の声がする。キアラが「ジョンなの?」と言ってドアを開けようとすると、マデリンが「ありえない。これは罠だ」と、ドアの前に立ちふさがって開けさせない。ドアの外から「怪我をしている。開けてくれ」と言う。マデリンはミナに「自転車を拾った。ルールを破った」と詰め寄り、ミナは「穴の中に降りた」と認める。

 マデリンはキアラに「彼しか知らない事を質問して」と言う。キアラが「私が読んでいる本は何?」と質問するが、外の人物は「知らない」と答え、キアラが「あなたが買ってくれた本」とヒントを言っても答えられない。キアラは「足元にビデをカメラがある。顔を見せて」と言う。 カメラに裸のジョンの姿が映るが、何者かに引きずられて視野の外に消える。

 テレビの映像を見ていると、ビデオカメラのレンズが割られ、ビデオカメラが引っ張られて持ち去られる。窓を叩く音がして、マデリンは「ガラスが割られたら、命がない」と言う。ガラスにひびが入る。

 翌朝、マデリンは自転車を穴の中に捨て「ルールを破ってはいけない」と言う。穴の底の自転車が、何者かに引っ張られる。

 (ミナの回想)ミナの母親がミナと双子の姉のルーシーを呼ぶ。母親は2人を車に乗せてドライブする。ミナは窓を開けて手を外に出す。母親は「ミナ、窓を閉めて」と言うと、ミナが「窓を閉めて」、「ルールを守って」と言うと「ルールを守って」と口真似する。怒った母親が運転席のボタンで窓を閉めると、ミナの指がドアに挟まる。ミナが悲鳴を上げ、母親が後ろを向くと、車は他の車と正面衝突する。

 ミナは「回帰不能点89」をスケッチする。冬になって日が短くなってきた。ミナは木の幹に目印の横線を書き、スケッチを見て薬草を採る。

 マデリンとダニエルが「獲物を盗らないと死ぬ」と口論していた。

 建物に帰ると、ミナは床に森の地図を書く。いつの間にかキアラがいなくなっていたので、ミナは森の中に探しに行く。キアラは穴の縁に立ち「あの晩、夫がいた。もう死んでいる」と言っ て、穴に飛び込もうとしていた。ミナが「みんな気が変になっている」と止める。

 するとダニエルの叫び声が聞こえ、ミナとキアラが行くと、ダニエルがマデリンの足を罠のロープで縛っていた。逃げるダニエルをキアラが追いかけ、ミナがマデリンを助ける。マデリンは「暗くなる。今すぐ鳥籠に戻らないと」と言う。

 ミナとマデリンが建物に行くと、ダニエルが中から鍵を閉めてドアを開けない。ダニエルは「流れを変える」と言う。日没になり、ミナとマデリンは建物から離れた場所の藪の中に隠れる。ダニエルとキアラは手を繋いで鏡の窓の前に立つ。

 ウォッチャーズがやって来るが、藪の中の2人には気づかず、建物の前に来る。立ち上がると背が伸びる。沢山のウォッチャーズが建物の前に集まる。ダニエルが「2人が戻っていない」と窓に叫ぶと、ウォッチャーズが2人を探しに散る。

 2人は建物のドアを叩き「ダニエル。開けて」と必死に叫ぶ。ミナは「母が死んだのは私のせい。あなたは良い人。後悔することしないで」と話す。キアラがドアを開け、2人は急いで建物の中に入る。マデリンはダニエルを「愚か者」と責め、4人で鏡の窓の前に並ぶ。

 マデリンは「私は大学で歴史や神話を教えていた。私は望んでここに来た。彼らを避けて狩りをしていた。日没になり帰ろうとすると、そこにまだ完璧ではないが私がいた。ウォッチャーズは伝説。取り替わった子。妖精。彼らは人間を観察し、人間になる」と話す。

 外で誰かがドアを叩き、キアラの声で「ジョンなの?」や、ミナの声で「ダニエル!開けて」や、他の人の口真似が聞こえる。ドアが開かないようにテーブルを引きずってドアの前に置く。絨毯がめくれ、床が鉄板で塞がれていた。ダニエルが家具で鉄板を叩いて歪ませて取ると、下にハッチがあった。ハッチを開けると、下に降りる梯子があった。ドアが破られそうなので、ミナは鳥籠を持ち、4人はハッチから下に降りる。

 地下には研究室と食糧倉庫などがあった。そこにあったパソコンを起動させると、ローリー・キルマーティン教授のビデオログが残されていた。2009年の1日目のビデオログを見ると、机の前のキルマーティン教授の姿が映り、この施設を作ってウォッチャーズの研究を始めると言う。次々にビデオログを見ると教授は「ウォッチャーズの学習能力が早い」「子供の姿で単独行動をしているのを見た」と記録していた。さらに教授は地下室の檻に1体のウォッチャーズを捕まえていた。

 最後の300日目のビデオログを見ると、教授は「回帰不能点134を超えた場所で鳥についていくと川があり、そこに脱出のための舟がある。大学の私の研究室に行き、全ての研究資料を破壊してくれ」と言う。その後、教授は梯子を登ると、銃声が聞こえる。

 ミナは「明日出発する?」と聞く。キアラはカセットテープの音楽を掛け、ダニエルと踊る。ダニエルはキアラに「親父から虐待されていた。殴られて鼻の骨やろっ骨が折れた。バイクを盗んで家出した、ここに来た」と話す。キアラは「ここを出たら、一緒に生活しよう」と慰める。

 翌朝、ハッチを開けて部屋に出ると、ガラス窓が破壊され、部屋が荒らされていた。ミナは鳥籠を持ち、4人は出発する。ミナが木に付けた目印を頼りに森の中を進み「回帰不能点134」まで来る。ミナは鳥籠からインコを出して放ち、4人は飛ぶインコを追いかける。

 途中の森の中に、ウォッチャーズが描かれた大きな円形の石の蓋があった。マデリンは「ウォッチャーズは、昔は羽がある妖精だったが、人間との戦争に敗れて地下に閉じ込められて羽が取れて怪物化した。穴から出た彼らは、人間を観察してその人物になり代わり、人間界へ進出したかったのだ。だから鳥籠を必死に観察していた」と話す。

 インコを追ってさらに森の中を進むと、寒くなり、雨が降って来る。マデリンは「暗くなってきた。彼らが追って来るので急ごう」と言う。穴からウォッチャーズが出てくる。

 夕暮れ寸前に4人は森を抜け、川にやって来る。川辺に舟を見つけてミナ、マデリン、キアラが駆け寄り、舟を川に浮かべる。舟は鎖で岸に繋がれており、なかなか外れない。

 ダニエルは、ジョンが「助けてくれ」と叫ぶ声を聞いて近づき、ジョンを川岸まで連れてくる。しかし、それはジョンの姿に変身したウォッチャーズで、ダニエルは鋭い爪で刺されて殺される。3人は舟に乗って脱出する。岸にはダニエルの姿をした沢山のウォッチャーズがいた。マデリンは「彼らは森から出られない」と言う。

 次の朝、ミナが目覚めると、舟は車が通る橋の下に来ていた。3人は橋の上で待つとバスがやって来る。行先を聞くとゴールドウェイ行きだと言うので、3人はバスに乗せてもらう。バスの中でミナは2人に「明日、大学へ行って教授の研究室の資料を破壊する」と言う。

 ミナはゴールドウェイの自宅に帰る。シャワーを浴び、鏡を見る。

 (ミナの回想)交通事故現場。ミナは路上で死んでいる母親を見つける。ルーシーは右頬に大きな傷を負っていた。

 翌日、ミナはキルマーティン教授の大学に行き、職員に教授の姪だと行って研究室に入れてもらう。ミナは机の下の箱を見つけ、開けると建物の設計図などの資料が入っていた。ボイスレコーダーを再生しながら、巻物を広げると、ウォッチャーズと人間の歴史が描かれていた。人間とウォッチャーズのハーフの「アインリクタン」は変身能力が高く、日中でも行動できるが絶滅したらしい。

 隣の部屋には、ウォッチャーズと王が話している、大きなタペストリーがあった。その部屋にあった写真を見たミナは驚く。

 ミナはタクシーでキアラの家に行く。ミナはキアラに、教授とマデリンが映っている写真を見せ「マデリンは教授の妻だったが、2001年に肺がんで死んだ」と教える。つまり、マデリンは、教授が捕まえたウォッチャーズが変身した姿だった。

 台所に沢山のゴキブリがいて、ミナは不審に思う。すると本物のキアラが車で帰って来る。ミナが会ったのは、キアラに変身したマデリンだった。本物のキアラを、ジョンに変身したマデリンが気絶させる。

 マデリンはダニエルや教授、ミナの姿に変身して「私の秘密を知ったお前を殺す」と襲う。ミナはマデリンに「日中でも活動できるあなたは、ハーフで半分は人間だ。あなたと同じような存在が世の中には存在する。仲間を探せるはずだ」とマデリンを説得する。マデリンは背中に羽を生やし、飛んでいった。キアラが目を覚ます。

 その後、ルーシーが子供を連れてミナの家に遊びにくる。ミナはルーシーに「マデリンは少女の姿になって仲間を探しているかも知れない」と話す。インコが窓に留まると、外で赤毛の顔が不完全な少女(マデリン?)がミナの部屋を見ていた。

(エンドクレジット)

(写真は「IMDb」「映画com」より)