『ミッション:インポッシブル2』ネタバレの感想 スパイ映画でなくアクション映画 | アンパンマン先生の映画講座

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映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

評価 3/5 ☆☆☆★★

 前作『ミッション:インポッシブル』(1996年)がヒットしたので、4年後に続編が作られた。その後も数年ごとに続編が製作されて、今も続いているのが嬉しい。

前回の指令はビデオテープだったが、今回はサングラスに投影され、格段の進歩なのに驚く。ただし、5秒後に消滅するのはお約束通りなので嬉しい。

 イーサンの当初の指令は、何者から奪われたキメラウイルス(任務当初は正体不明だった)を奪い返す事だった。キメラウイルスの治療薬の名前はベレロフォンで、ギリシャ神話でキメラを殺した英雄である。しゃれた命名だが、そのギリシャ神話を知らないのでぴんと来ない。ネロルヴィッチ博士を殺害してベレロフォンを奪ったのはIMFのイーサンに変装したショーンだった。本物のイーサンが休暇中だったので、ショーンをイーサンに変装させておいたのだそうだが、よほどイーサンが信頼されていた?

 そのうち、ショーンがバイオサイト製薬会社社長を脅して、キメラウイルスとベレロフォンで大儲けしようとしていることが分かる。イーサンの目的は、バイオサイト製薬会社の研究室にあるキメラウイスを全滅させることに変わる。

 上空のヘリコプターから、ワイヤーに吊るされたイーサンが建物の採光窓から吹き抜けに降下するのは、前作の真似か?なお、ウイルスの繁殖には日光は関係ない。エアフィルターが作動すると通信不能になるのはなぜ?電波障害が起きると思えないので、騒音のため?

 イーサンの性格を知るショーンは、イーサンの侵入経路や時刻まで見抜くが、研究所にやって来るのが遅い。吹き抜けや研究所で、待ち伏せすればよかったのでは?

 ナイアが自からキメラウイルスを注射するのは、思いきったことをしたものだと感心した。そこでイーサンはショーンからベレロフォンを奪うと、任務をまた変更する。

 なお、冒頭で休暇中のイーサンがロッククライミングしている場面がけっこう長く映るが、島にロッククライミングで侵入する伏線だったのかも。

 前作は意外な変装が面白かったが、本作では変装が、冒頭のイーサンに変装したショーン、ナイアが脱走しようとした時もイーサンに変装したショーン、最後にイーサンに変装させられたヒューとヒューに変装したイーサン、と3回も使うのは工夫がない。

 ショーンの部下がイーサンにバイクで襲ってくるが、銃は撃たず、轢き殺すつもり?イーサンに逃走用のバイクを提供しただけでは。イーサンとショーンのバイクが互いに近づき、バイクから2人が飛び上がって空中で掴み合うが、何でそんな事するの。その後の素手での決闘も長い。恋人のナイアが死にそうなので、ショーンと決闘なんかしていないで、直ぐにベレロフォンを持ってナイアの元に行くべきでは?決闘中に時々波が映るのは、日本の刑事ドラマを意識した?

 イーサンが初対面のナイアにすぐ恋に落ち、ベッドを共にするのは(007のボンドはよくあるが)スパイとしては軽率では?大人の映画を目指した?ナイアをショーンの元に偵察に送るのをイーサンが反対するのも、私情を持ち込みすぎでスパイらしくない。

 本作は、スパイ的なのは製薬会社に侵入する場面くらい。カーチェイスやバイクの一騎打ち、素手での各党など、アクションが目立つ。スパイ映画と言うより、アクション映画である。監督がミステリーの巨匠ブライアン・デ・パルマ監督から、アクション映画の巨匠のジョン・ウー監督に代わったことが大きいかも。そのため評価は「3」である。

 原題は『MISSION:IMPOSSIBLE 2』、「不可能指令2」の意味。