『ミッション・インポッシブル』ネタバレの感想 絶対不可能な任務とスリルの連続に興奮 | アンパンマン先生の映画講座

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映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

評価 5/5 ☆☆☆☆☆

 テレビドラマ『スパイ大作戦』(1966年~1973年)の映画化が懐かしい。テーマ曲も同じで、これを聞くと心が高ぶる。指令がオープンリール式テープレコーダーからビデオテープに変わったのが、時代の進歩を感じる。でも、この時代は飛行機内でタバコを吸ったり、テープを燃やして良いの?

 プラハ大使館での、ゴリツィンが裏切り者だという証拠をつかむ任務は、カメラ付き眼鏡、(多分)紫外線で見える塗料、変装などのスパイアイテムが楽しい。立ち入り禁止区域に侵入したイーサンとサラが、ゴリツィンがやって来るギリギリで切り抜けるのがスリルある。ところがジャックがエレベーター事故で殺され、ジムが撃ち殺され、クレア(後に生きていると分かるが)とハンナが車の爆弾で爆死し、サラとゴリツィンが刺殺され、任務は失敗どころか、イーサン以外のチームが全滅という危機になる。

 しかも、キトリッジからはただ一人生き残ったイーサンが裏切り者と疑われる。大水槽をガム状の爆薬で破壊して逃げるのは、機転が利くと感心する。キトリッジの話と聖書から、裏切り者がヨブと分かり、マックスとメールで連絡するのも感心する。

 さて、イーサンがワイヤーで宙づりになってCIA本部のデータ保管庫に侵入する場面は、映画史上に残る名場面である。音を出してはいけないし、床に触れても、室温が上昇してもいけないので、スリル満点である。ワイヤーを引っ張っているクリーガーが一瞬手を放し、イーサンが床ギリギリで止まる場面はドキッとした。汗が落ちるのを受け止め、やっとデータをコピーして持ち出すのに成功したと思ったら、クリーガーのナイフ(なぜ持っていたの?)が落下し、とスリルの連続である。

 さて、イーサンはジムが裏切りものだと見抜く。言われてみれば、ジムはエレベーターを操作できるのでジャックを殺せる。ジムが撃たれたのは誰も見ていないので自作自演。車の爆破はクレアかジムか。サラとゴリツィンを殺したのはナイフ使いのクリーガーが刺し殺したとすれば、確かに辻褄が合う。

 TGVの荷物車両にいたジムはイーサンの変装で、オープニング・シークエンスや大使館の任務でもイーサンが変装の名人だと分かる。しかし、クレアがジムと共謀していたとばれ、イーサンの心境は複雑そう。クレアが本物のジムに殺されるとは可哀想である。

 TGV高速列車の屋根の上でのジムとイーサンの戦いも凄い。列車は時速320キロで走行しているので風速は約90メートルにもなり、手を離せば風圧で吹き飛ばされる。さらにワイヤーを列車に繋がれたヘリコプターが、列車と一緒にユーロトンネルに侵入してしまうのもすごい迫力である。狭いトンネル内でヘリコプターがトンネル壁やすれ違う列車と接触しないかハラハラした。ここでもヘリコプターの爆破にガム状爆薬を使い、なかなか便利な小道具である。イーサンは爆風で列車に飛び移り、壊れたヘリコプターの回転翼がイーサンの喉元ギリギリで止まるとは、どこまでもスリルの連続で感心する。

 それと同時に、マックスのデータ送信を防ぐためルーサーが妨害電波を出すが、キトリッジを見て席を立ったため送信できるようになる。でもトンネルが近づき、送信できるかどうかのスリルもある。

 監督はミステリー映画の巨匠のブライアン・デ・パルマである。プラハでは霧の中で何者かに狙われ、次々に仲間が殺されていくのが不気味である。イーサンは裏切り者と疑われ、誰が味方かわからない中、本物の裏切り者を探すというミステリー的構成になっているのもいい。また、この映画は1996年の作品で、準備期間が3年と言うので、映画の製作期間中の1994年に開通した英仏海峡トンネルを、早速映画に取り入れているのも感心する。この映画は大ヒットし、現在第8作を製作中と言うほどの大ヒットシリーズになり、トム・クルーズの代表作にもなっている。評価は「5」である。

 原題は『MISSION:IMPOSSIBLE』で、「不可能任務」の意味。