『マッドマックス 怒りのデス・ロード』ネタバレの感想 映画史上に残る改造車同士の壮絶な戦闘(再) | アンパンマン先生の映画講座

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映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

 2024年5月31日に『マッドマックス フュリオサ』が公開されるので、2020年9月に掲載した前作の『マッドマックス 怒りのデスロード』の「ネタバレの感想」を再掲載する。

 

評価 5/5 ☆☆☆☆☆

 本作『マッドマックス:怒りのデス・ロード』(2015年)は『マッドマックス』(1979年)、『マッドマックス2』(1981年)、『マッドマックス:サンダードーム』(1985年)以来の『マッドマックス』シリーズ第4作に当たるそうだ。前作から30年も経過しているので、主演がメル・ギブソンからトム・ハーディに代わっていたが、主人公はマックスのままで、愛車V8インターセプターも登場し、全くの続編なのに驚いた。

 しかし、核戦争後の荒廃した世界観はさらにパワーアップしていた。シタデル砦の支配者であるジョーや彼の息子達は、放射能の影響か病気や奇形である。健康なマックスは、ジョーの生きた輸血袋にされるのだから恐ろしい。ジョーに忠誠を誓う部下逹ウォー・ボーイズは、頭髪が無く全身白塗りの体も不気味である。

 略奪が横行しているため、車両の装甲の強化や武器の装備などの改造が甚だしい。さらに戦闘を鼓舞するためか、ウォー・ボーイズたちが勇ましくドラムを打ち鳴らす「ドーフ・ワゴン」があり、その前部には火を噴くエレキギター奏者ドーフ・ウォーリアーが乗っている。この世界はガソリンが貴重品なのに、火炎放射しながらエレキギターを掻き鳴らすとは気違いじみている。これだけでなく、ジョーの仲間でガスタウンを治めている人食い男爵が乗る改造タンカートレーラーは、後部から危険極まりない事に火炎を噴射している。映画では出てこないが、ガスタウンには石油精製所があるそうで、貴重な石油を惜しげもなく使えるのだろう。

 さて、女性戦士フュリオサはジョーの支配を嫌がり、ジョーの子供を産むだけの虐げられた5人の妻ワイブズを連れて、彼女の出身地である「緑の地」を巨大トレーラー「ウォー・タンク」で目指す。マックスは成り行きで、彼女らの車に同乗する。それを阻止するジョー達の追跡軍の攻撃を彼らは辛くも防ぐ。しかし、「緑の地」はもはや荒廃していた。普通ならさらに新天地を探す当てのない旅に出るのだろうが、出発地のシタデル砦に戻る決断をするのに驚く。確かにシタデル砦には水も食料もある。しかし支配者のジョーと戦闘部隊が待ち構えている。それと戦うのだから、狂気の決断である。

 「緑の地」への行きの行程では、最初のジョー達の追跡部隊とヤマアラシの攻撃、イワオニ族の攻撃と、岩を崩したの障壁を越えてきたジョーの乗る「ギガホース」との攻撃だけであった。それだけでも大変だったのに、帰りは、ジョー達の追跡軍が待ち構えており、これと戦うとはもはや狂気の沙汰である。

 この後半のマックス達とジョー達との改造車両同士の戦いは、もはやカー・チェイス(追跡)の度を越え、カー・ウォーズ(戦争)とも言うべき、映画史上に残る改造車両同士の激しい戦闘である。車同士が激しく衝突して破壊され、爆発炎上する。タンカートレーラーは火を噴射して襲って来る。長い棒の先に乗ったポール・キャッツも空中から攻撃してくる。こんな危険な戦闘をよく撮影できたと感心する。

 さて、ジョーを殺害し、シタデル砦に戻った彼らは民衆に迎え入れられ、フェリオサが新たな支配者になる。マックスは一人、砦を離れる。愛車V8インターセプターは無く、今後マックスはどうなるのだろう。改造されたインターセプターが戦闘で使われていたので、それを取り戻すのだろうか?続編が作られそうな雰囲気で物語が終わったので、続編に期待しよう。評価は「5」である。

 原題は『Mad Max: Fury Road』、「マッドマックス:怒りの道」の意味。「デス」はどこ?