『ジュラシック・ワールド 新たなる支配者』登場した恐竜たち(再掲) | アンパンマン先生の映画講座

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映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

2024年5月31日の「金曜ロードショー」で『ジュラシック・ワールド 新たなる支配者』が放映される。そこで2022年8月の公開当時に掲載した「登場した恐竜たち」をさいけいさいする。

『ジュラシック・ワールド 新たなる支配者』には過去作品より多くの恐竜が登場していた。どのような種類の恐竜が登場していたか、調べてみた。

 

【肉食恐竜】

ヴェロキラプトル

 約8,300万 - 約7,000万年前(中生代白亜紀後期)の東アジアにあった大陸に生息していた小型肉食恐竜。獣脚類。全長(頭胴長+尾長)約2.07メートル、腰高約0.5メートル、推定体重最大15キログラム程度。羽毛恐竜であったと考えられる。

 映画でモデルとされたのはデイノニクスであった。映画でアドバイザーを担当した古生物学者のジャック・ホーナーによれば、監督のスティーヴン・スピルバーグは「ヴェロキラプトル」という名前を気に入り、名前だけを使用したという。高い知能を持ち、ある程度の社会性を持ち集団で狩りをしていたように描かれているが、集団で狩りを行ったとされる化石が発見されたことは今のところ無い。

成体のブルーは、4作目より登場した、オーウェンによって飼育・訓練されてきた雌のヴェロキラプトル。本作では、シエラネバダの麓のオーウェンの家のそばの森を縄張りとして暮らしてきた。オオトカゲ科のDNAを組み込まれた影響で、単為生殖により娘を産んだ。メイジーがベータと名付けた。

ティラノサウルス

 約6,800万 - 約6,600万年前(中生代白亜紀末期マーストリヒチアン)の北アメリカ大陸に生息していた肉食恐竜。大型獣脚類の1属である。最大全長は約13メートル、最大体重は約9トン。

 映画では1作目・4作目・5作目に登場した「レクシィ」の愛称で呼ばれる個体。5作目の騒動の後、ドライブインシアターの会場に迷い込んだところを合衆国魚類野生生物局に捕らえられ、バイオシン・サンクチュアリへと移送された。

ギガノトサウルス

 1億50万年前から9390万年前(後期白亜紀前期セノマニアン期)に生息していた、非鳥類型獣脚類に属する大型の恐竜。全長は推定約13メートル、推定体重を7~8トン。最大級の獣脚類 。   

 映画では、体重は約7トン、体長は約13メートル、時速は約48キメートルに達する。史上最大の肉食恐竜で、「ギガ」の愛称で呼ばれる。プロローグではティラノサウルスを打ち負かしており、バイオシン・サンクチュアリでも頂点捕食者として君臨している。

アトロキラプトル

 約7,210万年前から約6,600万年前(上部白亜系マーストリヒチアン)に生息していた獣脚類の恐竜。を全長2メートル、体重15キログラムと推定。。羽毛恐竜だったといわれている。

 映画では体高約2メートル、体重約226キログラム。羽毛のない、ゴースト、タイガー、パンテーラ、レッドの4頭が登場。バイオシン社により、レーザーポインターで示した標的を殺すまで追い続けるよう遺伝子操作・調教が施されている。

ピロラプトル

約7,060万年前(中生代白亜紀晩期カンパニアン)に生息していた。南フランス・プロヴァンス地方でわずかな骨が見つかっているだけである。小型の鳥に似た肉食獣脚類。鉤爪を備えたよく発達した前肢をもっており、恐らく細長い尾と共に体のバランスをとっていた。羽毛に覆われていたと考えている。

 映画では鳥のような小型の獣脚類で、両足の第2指に大きく曲がった爪があり、全長約2.4メートル、体重約181キログラムと推定されている。真っ赤な羽毛に覆われた全身が赤い羽毛で覆われている。実際よりかなり大きく描かれている。水に潜れるかは不明。

ディロフォサウルス

1億9930万年前から1億8270万年前(ジュラ紀前期シネムーリアン期からプリンスキアン期)にかけて北米・中国に生息した原始的な獣脚類恐竜。頭骨の上部に1対を持つ半月状の鶏冠が特徴的で、「2つの隆起を持つトカゲ」という意味の学名はこれに依るもの。全長は6 ~7メートル、体重は300~400キログラム。

映画では、同名の別物といえるほど異なるものになっている。体長わずか1.5メートルと小柄で、エリマキトカゲのように襟飾りを広げる。麻痺の作用がある毒の入った唾液で狩りや防衛を行うような生態で描かれている。1作目では恐竜の胚を盗み出そうとしたネドリーを殺した。本作ではネドリーに指示したバイオシン社のドジスンを殺した。

アロサウルス

約1億5,500万 - 1億4,500万年前(中生代ジュラ紀後期)の北アメリカに生息していた大型肉食獣脚類である。全長(頭から尻尾の先端までの長さ)は8.5mで、12mに達したと推定される個体の化石の断片も発見されている。大きく強力な後肢(脚)と、それに比して小さな3本指を備えた前肢(腕)を持ち、長く重厚な尻尾で体のバランスを取っていた。

映画ではトレーラーハウスを襲う光景が冒頭のニュースで登場している。マルタ島の闇市で成体と幼体が捕らえられている。幼体は他の肉食恐竜の幼体と戦わされている。サントス達の逮捕の際に成体が逃げ出し、密売人や島民を襲った。

カルノタウルス

約7,200万 - 約6,990万年前(白亜紀後期マーストリヒチアン)に現在の南米大陸に生息した獣脚類の恐竜の一属である。全長は7.5~9m、体重は推定1.35~2.1t。目の上に大きめの円錐状の角を持つ。

マルタ島の闇市で左の角が欠けた成体と、幼体が捕らえられている。サントス達の逮捕の際に逃げ出し、成体は密売人や島民を襲い、幼体はデラコートの片腕に噛み付いた。

バリオニクス

 約1億3,000万 - 1億2,500万年前(中生代前期白亜紀)の現イギリスに生息していた獣脚類。全長7.5〜9メートル、体重1.2〜1.9トンの大型魚食恐竜。

 映画では、マルタ島の闇市で左腕が義手になった幼体が捕らえられている。サントス達の逮捕の際に、目の前で転倒したデラコートを食い殺した。

コンプソグナトゥス

約1億5,080万年前(中生代ジュラ紀後期)にヨーロッパに生息した小型肉食恐竜。体長70~140センチメートル。

映画では、冒頭のニュースで幼児を襲う光景の他、チーターに襲われる光景が登場している。マルタ島の闇市では食用として捕らえられ、丸焼きなどが売られていた。

モロス・インドレピドゥス(初登場)

 1億50万年前から9390万年前(白亜紀後期セノマニアン)にあたるアメリカ合衆国ユタ州シーダーマウンテン層から産出した、ティラノサウルス上科に属する獣脚類。体重78キログラム、脚の長さは1.2メートルと推定される。

 劇中では実際よりもかなり小型の恐竜として描かれている。バイオシン社本部ではトビネズミを餌に飼育されている。

オヴィラプトル(初登場)

 約8,980万 ~ 7,060万年前(中生代白亜紀後期カンパニアン)のモンゴルに生息していた小型獣脚類の恐竜。最初の化石が沢山の卵の上から発見されたので、「卵泥棒」の名がつけられた。卵はおそらくオヴィラプトルそのものの卵であり、実際には卵を孵化させようとしていて巣で死亡したのだった。

 プロローグにて、他の恐竜の卵を食べていた。

 

【植物食恐竜】

ナーストケラトプス

 白亜紀後期のユタ州で発見された、セントロサウルス亜科の角竜である。目の上に2本の角を生やしており、鼻の上の角は発達していなかった。全長は4.5m、体重は1.5tと推定されている。

 映画ではネバダ州の牧場で、密売目的で違法に飼育・繁殖させられていたのをクレア達が摘発。その中で衰弱した1頭の幼体が彼女たちに保護され、取り返そうと追いかけてきた牧場主たちを成体が撃退した。その後は牧場が閉鎖されたことで、保護された幼体たちはバイオシン・サンクチュアリへと移送された。

シノケラトプス

 およそ7200~6600万年前(中生代白亜紀後期)の中国に生息していた大型の角竜。アジア最大級の角竜であり、推定体長は6~7mで推定体高が2m、推定体重は2~2.3t。

 映画ではナーストケラトプスと共に、密売目的でネバダの牧場で違法に飼育されていた。

アパトサウルス

約1億5,200万~約1億5,000万年前(中生代ジュラ紀後期)の北米大陸に棲息していた、竜盤目の大型草食性恐竜。全長は約21 - 26m、体重は約24~32tと推定される。群れを成して移動し、森林の木の葉を常食していたものと考えられる。

映画では、シエラネバダの麓の町中に2頭が出没するが、メイジーの助言を受けた作業員達に誘導され森へと帰った。

パラサウロロフス

約7,650万~7,300万年前(中生代白亜紀後期 )の北アメリカ大陸に生息した大型の鳥脚類。体長約9.5~10メートル、肩高5メートル。体重は約4トンに達したと推定される。頭頂から後方へ伸びる鶏冠が特徴的。

映画では、シエラネバダの麓で暮らしている群れが、オーウェン達に保護された。

ドレッドノータス(初登場)

 8400万-6600万年前(白亜紀後期マーストリヒチアン)にアルゼンチン、サンタクルス州に生息していた竜脚類。全長約26 m、全高12.2 mと推定されている。陸棲脊椎動物史上最大級の体の大きさを持つものの一つ。

 映画では、バイオシン・サンクチュアリで飼育されている恐竜の中では最大の体躯を誇る。

テリジノサウルス

 約7,000万年前(中生代白亜紀後期)にモンゴルに生息していた、獣脚類に属するが、動きの鈍い植物食恐竜。推定全長8~11メートル。全長2メートルもの巨大な前脚。その腕についた「かぎ爪」は90センチほどになったと見られている。はっきりとどう使ったかはまだ分かっていない。

 映画では、本来は植物食だが、サイのように視力が弱いため、非常に縄張り意識が強く気性が荒い 恐竜として描かれている。独特の鳴き声を反響定位として利用している。

ミクロケラトゥス(初登場)

 約6600万年前(白亜紀後)に現在のアジアに生息していた角竜類恐竜の属の一つである。オウムのようなくちばしを持つ草食動物。二足歩行で、前肢が短く、首のフリルとくちばし状の口を持ち、体長2 mほどであった。

 映画では、マルタ島の闇市で捕らえられている他、生前のシャーロットのビデオ日記にも登場している。

アンキロサウルス

 約6,800万年前~6,600万年前(中生代白亜紀後期)の現北アメリカ大陸に生息した植物食恐竜。体長は約5.5~10.7メートル、体重は約4.5~7トン。戦車のように体を覆う装甲と、先端に大きな骨塊のついた尾をもつ。

 映画では、アメリカ本土の森林に定着している。

イグアノドン(初登場)

 約1億2,600万~1億1,300万年前(中生代白亜紀前期)のヨーロッパに生息していた鳥脚類。体長7 ~9メートル。一般的鳥脚類と同様にくちばし(鳥のようなくちばしではなく、骨格の一部をなす骨)を持ち、竜脚類に比べ発達した数百本の臼歯があった。植物を効率的に裁ち切り、すりつぶすことができた。

 映画では、ペンシルバニア州の野生動物移送施設に保護されたいた。バイオシン・サンクチュアリでも飼育されている。

ガリミムス

 約7,000万年前(中生代白亜紀後期)のゴビ砂漠に生息していた。全長は4~6メートル、推定体重440キログラム。現代のダチョウのようで、チーター並の速度で走ることができたと推測され、最速の恐竜の1つであったと考えられている。

 バイオシン・サンクチュアリで飼育されている。

 

ステゴサウルス

 約1億5,500万 - 約1億5,000万年前(ジュラ紀後期)に現在の北米大陸に生息していた。体長7メートルから9メートルほどの植物食恐竜。剣竜のなかでは、最も大きな種類。背中に骨質の板が、互い違いに立ち並んでいるのが特徴。

 映画では、ペンシルバニア州の野生動物移送施設に保護されたいた。バイオシン・サンクチュアリでも飼育されている。

トリケラトプス

 中生代後期白亜紀マーストリヒチアン期の、現在の北米大陸に生息した植物食恐竜。口先は鳥類のくちばしのように尖っている。頭骨には大きな骨質のフリルと3本の角があり、大きな4本足の体は現代のサイに似ていることで最もよく知られている恐竜の1つである。また、全長9メートル、体重12トンという最大級の角竜でもあった。

 バイオシン・サンクチュアリで飼育されている。

 

ブラキオサウルス

 約1億5,400万~ 約1億5,300万年前にローラシア大陸西部およびゴンドワナ大陸の一部に分布していた竜盤目。体長(全長)は約25m、体高(頭頂高)は約16mに及び、近年まで最も背の高い恐竜とされていた。

 映画では最後に、森の木に後肢と尾だけで立ち上がって木の葉を食べていた。体の構造から、実際には後肢で立ち上がることはできなかったと考えられている。

スティギモロク

 約6600万年前(白亜紀末期)に生息していた堅頭竜類の恐竜。頭骨長は約46 cmである。

 映画では、マルタの闇市で幼体が売られていた。線路わきにも生息していた。

【恐竜以外の生物】

ケツァルコアトルス

 約6,800万~6,600万年前(中生代白亜紀末期 マーストリヒチアン末期)を生きていた翼竜の1属。知られる限りで史上最大級の翼竜であり、同時に、史上最大級の飛翔動物。翼開長(翼を全開した状態での左右の翼先端間の距離)が12mにも及ぶ。骨の内部が空洞になっており、軽量化されていた。成体でも70キログラム程度しかなかったとされる。

 映画では最大の翼竜。翼を広げると約10.9メートル、体重は約250キログラムもある。1組のつがいが大都市の高層ビルに営巣していた。バイオシン・サンクチュアリでも飼育されている。

ディメトロドン

 約2億9,500万~ 2億7,200万年前(古生代ペルム紀前期)に現在の北アメリカに生息していた肉食単弓類。全長1.7~3.5メートル、体型はトカゲ型だが、背に脊椎が伸びて形成される「帆」を有し、体温調節やディスプレイに用いていたと想像されている。

 映画では、体高の3倍もある巨大なフリルのついた背びれを持ち、低い体勢のワニに似ている。体長約1.8~4.5メートルで、体重は約27~249キログラムだったと推定される。バイオシン社本部の地下にあるかつての琥珀の採掘場に住み着いている。

プテラノドン

 約8,930万~7,400万年前(中生代白亜紀後期)に生息していた翼竜の一種。翼開長はロンギケプス種で約7~8メートル、ステルンベルギ種では約9メートルもの大きさになる。揚力を稼き出すための翼は羽毛ではなく皮膚と同じ組織でできている、膜状の翼である皮翼で、骨格はいたって軽量な構造体となっている。推定体重は15 - 20キログラム。人間を鷲掴みにして空中に舞い上がるだけの力はなかったと考えられる。

 バイオシン・サンクチュアリで飼育されている。

ディモルフォドン

 約1億9,500万 ~ 1億9,000万年前(中生代ジュラ紀前期)に生息していた、大爪翼類に属する翼竜。全長はおよそ1メートル、最大翼開長は1.4メートルほどで、棒のような長い尾を持つ。

 映画では、小型故にペット目当ての密売が横行しており、マルタ島の闇市では鳥籠に入れられて売られている。

モササウルス

 約7,000~6,600万年前(後期白亜紀)、ヨーロッパ西部と北アメリカに分布した水生有鱗目のモササウルス科の属。全長12メートルほど。浅海に生息し大型魚類・ウミガメ・アンモナイト・海棲爬虫類・鳥類・翼竜・恐竜・首長竜を捕食していたと考えている。

 映画では、ベーリング海で蟹漁の漁船を襲うなど、各地の海で問題を引き起こしている。

リストロサウルス(初登場)

 約2億5,400万~約2億4,800万年前(中生代三畳紀前期)のパンゲア大陸に生息していた植物食性の単弓類。体長は約90-120cm。ずんぐりした樽形の胴体と短い四肢、短い尾を有する。

 映画では、マルタ島の闇市で捕らえられている。意外と気性が荒く、サントス達の逮捕の際にはデラコートの片腕に噛み付いた。

 以上、本作に登場する恐竜たちは32種類である。「Wikipedea」及び「映画パンフレット」を参考にした。6部作の最終完結編だけあって、実に沢山の恐竜が登場していた。初登場の恐竜も多数あるのが嬉しい。ただし、今回はブルーが活躍する場面がほとんどないのが残念。久しぶりにディロフォサウルスが登場したのは嬉しいが、実際のその名前の恐竜とは姿も特徴も違うので注意が必要である。他にも映画用の演出が多々あるので、本当の姿だと思わないように注意が必要である。

(写真は「IMDb」「映画com」より)