『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』ネタバレの感想 謎解き、活劇、告白、観光映画としても感心 | アンパンマン先生の映画講座

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映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

評価 4/5 ☆☆☆☆★

 冒頭で、明治元年の函館に土方歳三が登場したが、『ゴールデンカムイ』(2024年)でも北海道に土方歳三が登場したので、こういう事があったのかと感心した。

 今回、キッドは斧江財閥初代当主の斧江圭三郎が隠した宝を狙っていた。その宝とは、当時の戦況を一変させるほどの強力な兵器だったという説もあるという。『オッペンハイマー』(2024年)を見たばかりだったので、ひょっとしたら原子爆弾?と一瞬思ったが、日本でも核分裂の原理の研究はしていたものの、資金も設備もなく、原子爆弾の完成にはまだまだ遠かったはず。

 その宝の謎を解くため東窪螢龍が打った、斧江家の2本、カドクラが手に入れた2本、福城家の2本、計6本の脇差が揃う。6個の鍔を並べると五稜郭の形になる。刀を柄に止める目釘の形から月と関係がある。紅葉により土方が月の俳句を6句読んでいたと分かる。その俳句の番号と、いろはの文字の表から、札幌東照宮が関係する事が分かる。東照宮に納められていた函館の地図、福城家の絵、カドクラの写真より、圭三郎が五稜郭で、星稜刀を持って床がガラス張りの気球を上げていた事が分かる。と言うように謎解きが何段階にもなっていて、かなり複雑で感心した。

 実際に気球を上げて宝の場所を実証するが、頼むと気球まで持って来る阿笠博士にも感心する。

 その宝とは、当時としては最新鋭の暗号機と暗号解読機だった。戦時中は日本軍の暗号はアメリカ軍に筒抜けだったと聞くので、確かに当時の戦況を変える物だったかもしれない。しかし、現代では何の役にも立たない。もっとも、原爆や大量殺人兵器でなくてよかったかも。

 札幌東照宮で見つけた木箱を巡って、コナン達とカドクラ達の派手なカーチェイスが行われる。さらに函館山山頂に向かうカドクラの車をコナンが追い、無我がスタングレネードを落として援護する。コナンは、ロープウェイのロープの上をスケートボードで走って先回りする。でも、可能なのだろうか?

 一番派手なアクションは、軽飛行機の翼の上での聖と平次の対決だろう。かなりの風を受けるし、気流の乱れもあって飛行が不安定だろうし、翼の上は滑るし、よく落ちない物だと感心していたら、やっぱり平次が落ちた。パラシュートは着けていないし、どうやって助かるの?と思ったら、キッドがハンググライダーで助けに来たので感心した。

 今回は平次の活躍が目立っていた。最初に、怪盗キッドと服部平次の「キスの恨みは忘れない」の因縁の対決があった。パンフレットを見るとTVシリーズ第983-984話『キッドVS高明 狙われた唇』(2020年10月放送)で、キッドが和葉に変装し、それを知らない平次が和葉(本当はキッド)にキスしようとした、という話だそうだ。これでは平次は怒るのも当然である。

 今回は平次が和葉に告白しようと、函館の絶景告白ポイントを一晩中探していたとは、熱心で感心した。でも、真夜中に観光地をうろうろしていたら、不審者に思われない?でも熱心に絶景告白ポイントを探していた割には、函館山が100万ドルの夜景で有名だという事を知らなかったのは、知識不足過ぎる。

 最後に平次が和葉を好きだと告白し、和葉も涙を流して感激していた様子だったので、やっと告白できたと胸が熱くなった。ところが和葉はスタングレネードが炸裂した影響で、一時的に耳が聞こえず、強い閃光で涙を流していただけで、平次の告白は聞いていなかった。平次が可哀そうすぎである。

 函館は何回か観光した事があるが、函館山や五稜郭、旧函館区公会堂、函館倉庫街等など有名観光地が登場し、さらに紅葉が札幌時計台や小樽運河なども紹介するので、観光案内映画としても優れている。

 新一とキッドの顔が似ているのは気になったが、2人の父は双子の兄弟で、従兄弟だったとは驚いた。

 謎解き、アクション、ラブロマンスとも良かったので、評価は「4」である。