『流転の地球』ネタバレの詳しいあらすじ | アンパンマン先生の映画講座

アンパンマン先生の映画講座

映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

監督:郭 帆 2019年

主な登場人物:読み(俳優)役柄

劉啓:リウ・チー(屈楚蕭)整備工の少年。リウ・ペイチアンの一人息子。

韓朶朶:ハン・ドゥオドゥオ(趙今麦)中学生の少女。リウと兄妹同然に育った元孤児。

劉培強:リウ・ペイチアン(呉京)リウ・チーの父。国際宇宙ステーションに勤務する科学者。中佐。

韓子昂:ハン・ズーアン(呉孟達:ン・マンタ)リウ・チーの母方の祖父で、運転士。

ティム(隋凱:マイク・スイ)中国人とオーストラリア人のハーフ。

マカロフ(アルカージー・シャログラツキー)国際宇宙ステーションに勤務するロシア人の科学者。

王磊:ワン・レイ(李光潔)地球連合政府の大尉。CN171-11救援隊の隊長。

周倩:ジョウ・チエン(屈菁菁)地球安全軍の衛生兵。ワン・レイの部下として救援隊に随行。

何連科:ホー・リェンクー(楊皓宇)救援隊の隊員。眼鏡をかけた初老の地球エンジンの技術者。

黄明:ホアン・ミン(張歓)救援隊の隊員。地球エンジンの技術者。

張小強チャン・シャオジャン(李虹辰)救援隊の重装甲兵。

楊捷:ヤンジェ(楊軼)救援隊の偵察員。

趙志剛:チャオ・ジーガン(姜志剛)救援隊の隊員。

李一一:リー・イーイー(張亦馳)救援隊のプログラマー。地球連合政府の緊急技術視察員。

MOSS(声: 劉琮)国際宇宙ステーションを管制する人工知能。

一哥:イーグー(雷佳音)北京地下都市の棋牌室の店主。ギャングのボス。

 

 父親リウ・ペイチアンと息子リウ・チーが天体望遠鏡で木星を観測している。父は息子に「木星は90%が水素でできている」と教える。そして「いつの日か、望遠鏡なしで木星が見えるようになったら、お父さんは家に帰る。父は使命を遂行する」と話す。祖父ハン・ズーアンは保護者として、息子チーと地下都市で暮らす権利を得る。妻ハン・ドゥオドゥオは病気で入院していた。

 「当初、誰もこの惨事を気にしなかった。山火事、干ばつ、1つの種の絶滅。1つの街が消えた。この災害に皆が関係するまでは。太陽の温度は急速に上昇し、広範囲に及ぶ。100年後には太陽が地球を飲み込み、300年後には太陽系は消滅する。壊滅的な自然災害に対処するため、人類は団結した。人間の生存の可能性を最大化するため、国連(UEG)は、地球を太陽系から移動させ、4.2光年離れた新しい故郷に向かう「さまよう地球」プロジェクトを決定した。人類は利用可能な全ての資源を諦め、地球の表面に1万台の地球駆動エンジンを建設し、地球を太陽系の外に移動させる。各駆動エンジンの高さは11,000メートル。地球のために5000万tの推力を生み出す。

 国際航法プラットホーム宇宙ステーションが完成し、311人の中国人上級パイロットと709人の技術者が選ばれた。地球の軌道を守るため、国連は信頼できる世界の宇宙飛行士と、国際航法プラットホーム宇宙ステーションの建設に30年を費やした。地球から10万kmの地点で探査して地球に警告し、航行通信を提供する。

 地球駆動エンジンが起動し、温暖化で10年後には世界中の海面が300m上昇する。中国南部の都市が最初に津波に見舞われた。悪化の一途をたどる状況に対処するため、国連は各地下に都市を建設する。地球が新しい故郷に着くまで、ここが人間の避難所になる。地下都市に住む権利は、抽選で選ばれる。太陽系の小さな地球は、2500年の放浪の旅を開始する。地球の表面温度がマイナス70℃まで下がる。地表上の全ての街はDRAに従って移動させられる。あの親子も地下へ向かう。

 リウは「パパは星になり、いつもあなたを見守る」と呟く。

 (タイトル『流浪地球』)

 〔17年後〕

 テレビのニュースで「航法プラットホームの最初の人員グループは戻る。宇宙ステーションで15~20年務めた。世界中の地下都市の住民は、彼らの到着が待ちきれない」と報じていた。

 整備工として働いていたチーは祖父に「帰る事にした。心配しないで」と手紙を書く。ハンが養子に迎えた兄妹同然に育った中学生のドゥオドゥオとチーの二人は、大晦日に地下都市を抜け出す計画を目論む。知り合いのイーに装備と偽装IDを依頼し、サーマルユニホームに着替えた2人が出かけようとすると、戻ってこないと知らされていなかったイーは怒って、2人を止めようとする。

 無事に抜け出した2人は外に出る審査に合格し、ヘルメットを受け取る。他の要員と共にエレベーターに乗り、地上に出る。

 〔北京市〕

 外気温は-84℃で、2人は雪が舞う工事現場で、373輸送車を探し、乗り込む。チーが祖父ハンの免許証を差し込むと、始動する。チーは不慣れな輸送車を危なっかしく運転して外に出る。

 外では燃料の岩石を採掘していた。地球を動かしている世界に1万台ある駆動エンジンの1つがあった。「赤道沿いにある回転装置が大きな問題だ」とチーが教える。

 〔国際航法プラットホーム宇宙ステーション〕

 リウは国際宇宙ステーションで17年間の任務を終えた。宇宙ステーションは木星に近づく。同僚のマカロフは地球への帰還祝いの酒を、リウの宇宙服のバックパックに入れる。地球は木星とスイングバイして、太陽系脱出速度を得る予定だった。リウは引継ぎを終え、乗員から感謝の拍手を受ける。マカロフは3年後の地球での再会を誓う。

 〔国際航法プラットホーム宇宙ステーション・中央制御モジュール〕

 木星の重力圏に入った。木星の重力によって引き起こされる、木星との衝突の可能性が高まる。分析データが収集され、地球国家連合に提出。災害警報プロトコルが作動する。

 チーとドゥオドゥオは、輸送車で50㎞先の補給所を目指す。目標を達成したら、チーはドゥオドゥオだけ先に地下都市に帰そうとしていた。

しかし、検問で見つかって違法運転で逮捕され、牢屋に入れられる。隣の牢屋に収容されていた中国系オーストラリア人のティムが、2人に話しかける。

 〔5時間後。山東省晋寧N3供給停留所〕

ハン孫を探しに来て、看守に土産を出して2人の釈放を求める。看守は輸送車が価値の高い公共設備で、免許証を貸した罪でハンも逮捕し、一緒の牢屋に入れる。ハンはチーが家出した事を怒る。

 その時、大きな地震が起き、牢屋の壁や施設が破壊される。地球駆動エンジン数か所が故障したのだ。チー達の牢屋の鉄格子が壊れ、3人はサーマルスーツを着て脱獄する。チーは隣のティムも、鉄格子を壊して脱獄させる。

 〔赤道地区インドネシア・スラウェシ島、第3駆動エンジン〕

 第3・第7号機の駆動エンジンが停止する。半分の駆動エンジンが停止し、地球の推進力は半分に減少した。37時間で地球は木星と衝突する軌道に入る。

 チー達3人とティムは、ハンが輸送車を運転して、破壊される供給停留所から走り出す。途中で、後部に落石があり、貨物部を切り離して脱出する。

 「国連の最優先事項。世界中で4771基の地球エンジンが停止した。地球上の全ての待機軍のために、木星の重力によって木星との衝突を避けるため、緊急プロトコル3を実施する。36時間で動かない地球エンジンを再起動する事は非常に重要だ。この救助ミッションは35億人の命の安全に関する。最重要でリスクを伴う」と放送される。

 宇宙ステーションでは全資源を地球に回すために、保存モードと呼ばれる休眠状態に入る。リウは息子の身を案じるが、指定生活区域から抜け出し連絡できない。ハンに連絡すると孫達と一緒に地表にいて、無事だと知る。リウはコンピューターMOSSから聞いて、ハンに済南の05避難センターに行くように指示する。宇宙ステーションの全ての職員は、エネルギー節約のために人工冬眠に入る。

 ハンの輸送車に、リウから緊急通信認証コードが送られる。輸送車が避難所に向かう途中、軍の車両から強制的に停止させられる。ハンの輸送車の運転席に貨物車が連結される。CN171-11救援隊の隊長ワン・レイ大尉がハンに「地球エンジンを再起動するための着火石(ライターコア)を南京まで運んでほしい」と頼む。

〔上海市〕

 3台の輸送車が着火石を運ぶ。ハン達が上海市に入ると、道の両脇は巨大な氷の崖になっていた。ドローンを飛ばして調査すると、通れそうだった。道を通ると、上海の街の廃墟があり、ハンは若い頃の仕事や妻との記憶を語る。

 冬眠に入る前にリウはMOSSから聞いて、チー達が上海で救助任務に向かっていると知る。リウは輸送車に通信し、ワン大尉に、一刻も早くチー達市民を最寄りの地下都市に避難させるように求める。ワン大尉は運転にハンが必要だと言う。それを聞いたチーは祖父の代わりに運転すると反抗する。

 チーと地下都市に行ける保護者は1人だけで、父リウは病気の回復の見込みがない母親の延命措置を止め、祖父ハンを保護者にした。チーを思った苦肉の決断だったが、チーは父を許せずにいた。

 リウはさらにチーとの通信を求めるが、MOSSは冬眠ガスを噴出して、リウを強制的に冬眠させる。

 上空の輸送機が、大気圧が低下し、制御できなくなって墜落する。木星の重力が強くなり、上海の通信は途絶える。地震が起き、道の両側の崖が崩れる。運転席のガラスが割れ、全員ヘルメットを着用する。道の前後の崖が崩れ、輸送車は閉じ込められる。

 ワン大尉は、ビルの廃墟のエレベーター抗を使って、着火石と隊員を引き上げようと試みる。ケーブルを使い、ドゥオドゥオとチーは何とか上階に先に着く。しかし、着火石の重みに耐えかね、ハンと着火石が落下する。重装甲兵チャンがハンを捕まえ、犠牲になって助ける。ハンは酸素が欠乏し、ドゥオドゥオとの出会いや、チーと過ごした時間を思い返しながら息絶える。

 〔14年前。上海市〕

 地球の自転が止まって17日後、ハンは赤ん坊を救い、娘の名にちなんでハン・ドゥオドゥオと名付けて育てた。3人は家族として生活した。

 隊員は建物に銃で穴を開けて、着火石を外に運び出す。チーは祖父が亡くなって嘆き、ドゥオドゥオと一緒に家に帰りたいと言う。

 宇宙ステーションで、リウは勝手に休眠状態から覚醒する。MOSSは緊急規則でマカロフと他の隊員も緊急覚醒させる。リウは「地球と通信できない。保存モードはトリックで、MOSSは機能していないかもしれない」と言う。

 リウとマカロフは、エアロックから船外に出る。ロープが外れ、マカロフが飛ばされるが、リウがロープを捕まえてマカロフを引き戻す。木星は地球の大気を捉えていた。

 チー達は墜落した航空救難隊の飛行機を見つける。積み荷に無傷の輸送車があった。生き残った緊急技術視察員のリーがパニックを起こして暴れ、チー達が落ち着かせる。木星が地球の大気を奪ったので、飛行機は飛べなくなった。リーが輸送車の再起動をする。

 CN171-11救助隊のワン司令官から通信があり「マグマが地下都市に漏れ出し、35万人が閉じ込められていると言う。彼らが持っている着火石だけが希望だ。最も重要なのは、赤道に沿った地球エンジンだ」と伝える。

 リーは、休みなしで運転しても、そこに着くのに20時間かかると言う。チーは亡きハンの免許証で輸送車の運転を始める。

 〔杭州地球エンジン第1号〕

 ワン大尉達は雪原で着火石を引きずって杭州地球エンジン第1号に着くが、完全に破壊されていた。隊員の一人ホアン・ミンが倒れ、息を引き取る。隊員のジョウ・チエンが「もう死にたくない」と言って着火石を撃つ。ワン大尉は怒り、ジョウに向けた銃を外して撃つ。

 そこにチー達の輸送車が来る。ワン大尉は「救出作戦は失敗に終わった。今すぐ部隊を解散する。家に帰っても良い」と伝える。しかしチーは「車両には着火石がある。スラウェシ島を救うため、私達を助けてくれ」と呼びかける。

 輸送車内で、ワン大尉は「我々の使命はスラウェシ地球エンジン第3号を再始動すること。それをできるのは着火石1個だけ。地球の生存者は我々を頼りにしている」と話す。チーはスラウェシ島に向かって輸送車を動かす。

 宇宙ステーションではMOSSが「自発的な犯罪者は直ちに地球との接触を止める。冬眠エリアに戻れ」と呼びかける。リウとマカロフは宇宙ステーションの外側を這って中央制御室に向かう。2人は高速で回転する中央制御室に跳ぶが、MOSSに阻まれ、マカロフは飛ばされて宇宙服のヘルメットが割れて死亡する。

 リウは中央制御室のエアロックに跳びつき、装置を付けてオフラインにする。リウはハッチを開けて中に入り、手動にしようとするが無効だった。MOSSは「正式な命令を実行する」とリウの命令を拒む。

 〔フィリピン・マニラK5補給所〕

 チー達の輸送車はスラウェシ島に向かっていた。木星が間近に迫っていた。各地の地球エンジンの再起動に成功したと連絡が入る。

 〔インドネシア・スラウェシ島A3補給所〕

 チー達の輸送車は補給所で燃料を補給する。チーはワン大尉に父との思い出を話し、成功したらドゥオドゥオを家に連れて帰ると話す。最後のスラウェシ島の地球エンジンの再起動に成功し、全てが再起動された。

 しかし、その頃には地球は木星との衝突を回避できる状況にはなかった。3時間後に、地球は木星のロッシュ限界に入り崩壊する。MOSSが宇宙ステーションから全地球に向けて最後の放送を送る。「再起動したが、残念ながら木星の重力に捕らえられた。『放浪地球計画』は失敗に終わり、『ヘリオス計画』に改名する。航法プラットホーム宇宙ステーションには人類の文明を維持する目的で、30万個のヒト胚が保存されている。1億個の植物の種子と一緒に、全ての動物のDNAマップと全ての人類のデジタルライブラリ。新しい惑星を復活させることを成功に導く」と放送する。

 地球が壊滅すると知った人類は絶望する。MOSSは「地球が木星に衝突するまで7日間。家に帰ろう」と呼びかける。ドゥオドゥオは家に帰りたいと言う。

 リウはMOSSに、緊急通信権限で息子のチーと最後に話したいと言うが、チーは輸送車に乗っていないので通信できなかった。

 チーは幼い頃に父リウと天体望遠鏡で木星を見た時、木星は9割が水素だと教えられた事を思い出す。木星の大気は地球の酸素を吸い込み、可燃性の気体になっていた。爆風で地球を押しのけるのに十分だった。水素と酸素の混合物は、1個の着火石で十分に発火する。しかし木星までの距離は7万kmでICBMでも届かない。

 宇宙ステーション内では『ヘリオス計画』の避難手順が始まる。

 ワン大尉は宇宙ステーションに無線で「新しい計画がある」と連絡する。技術視察員のリーがこの任務の3つの段階を説明する。「第1段階。エンジンを切って制御する。1台の地球エンジンには7個の噴射ノズルがある。一旦エンジンを切り、全てのエネルギーを1つのノズルに変える。プラズマ光線を生成する十分な高さに達する事ができる。第2段階。システムがキャンセルされると、自動ロック解除メカニズムは機能しないので、手動でロックを解除する必要がある。最後の段階。着火石を反応室に取り付ける。地球エンジンの電源を入れ直す。7万kmのプラズマを宇宙空間に噴き出し、木星を燃やす。燃え盛る波は大気の動き全体に広がり、地球を押しのける。インストール手順は基本的に自動だ。成功する場合もあれば、失敗する場合もある」

 〔コントロール・センター。スラウェシ島・第3駆動エンジン〕

 輸送車は駆動エンジンのコントロール・センターに着く。ワン大尉は建物内の隊員に協力を頼むが、隊員達は逃げる。リーがエンジンを切り、ワン大尉達は配線を変えてプログラムを書き換える作業を始める。

 〔反応室。スラウェシ島・第3駆動エンジン〕

 チーの輸送車は反応室に着く。ドゥオドゥオは地球の各地に「最後の救助任務を遂行している」と通信する。しかし、協力する国はなかった。技師が書いた手順のプログラムが一部欠けていた。ワン大尉たち隊員は、閉まっていない扉を人力で押して閉めようとする。

 チーとティムは着火石のセッティングに向かう。しかし、橋が途中で止まり、輸送車が反応室に近づけない。着火石を移すが、装置が閉まらない。チーは外に出て装置に飛び移り、蹴とばして閉める。

 反応室ではプログラムのインストールが99%で止まる。ホー・リェンクーは狭いドアの隙間からコンピューター室に入り、ケーブルを抜く。

 通信室に居たドゥオドゥオは大きな揺れが起きて建物の破片が落下するが、隊員のジョウが犠牲になって助かる。ドゥオドゥオはハンのIDカードでリウに通信し、スラウェシの第3駆動エンジンでいる事を教え、木星を燃やす協力を願う。

 MOSSは、成功の可能性は0だと言う。リウは国連に連絡し、スラウェシ島周辺に全ての救助部隊を派遣し、支援を提供するように、全世界に呼び掛ける。しかし可能性0に協力する国はない。リウは「今日は中国の旧正月の初日で、家族が集まる日だ。子供達のために頼む」と力説する。

 〔スラウェシの第3地下都市〕

 リウの声と、震えた声で必死に援助を求めるドゥオドゥオの声が届き「希望はダイヤモンドのように美しい。私たちは最後の任務を遂行している。希望とは何でしょうか?希望は私達を帰還に導く道です。一緒に戦って下さい。木星を燃やせ!地球を救え!」と訴える。多くの人を動かし、沢山の輸送車がスラウェシ島に向かう。

 チーは装置を閉める事に成功するが、自分も装置に挟まる。ティムがロープで引っ張るが力が足りず、飛び降りて自分の体重を利用してチーを引っ張る。

ホー・リェンクーは抜いたケーブルの埃を払い、再び差し込むと、インストールが完了する。ホーは死亡する。それを見た技術視察員のリーが、ワン司令にプログラムの書き換えが終了したと知らせる。

 チーとティムは急いで輸送車を走らせて点火室から脱出する。扉が閉まる前に脱出する。

ワン司令の所に各地からの協力者が非常に沢山やって来る。一緒に扉を押し、閉まるとエンジンの起動が始まる。ホーがスイッチを押すとエンジンが点火し、炎が噴出される。炎は爆発領域からの距離が8000キロ、7000キロと上昇していくが、あと500キロ足りなかった。他の地区のエンジンも爆発領域まで到達できなかった。

 リウはワン司令に「まだチャンスはある」と言い、国連に航法プラットホーム宇宙ステーションの30万トンの燃料をプラズマ光線に噴き出す許可を求める。MOSSは「『放浪地球計画』の目的は、人類の生存を最大化する事だ。人類文明を継続させる『ヘリオス計画』を継続させる」と告げる。リウは「生命の無い文明は何の役にも立たない」と言う。すると、「ヘリオス計画」のシステム運用として、通信が失われ、プログラムが停止した。MOSSは「この航法プラットホーム宇宙ステーションを犠牲にした」と言う。

 リウは消火設備を切る。宇宙服に隠し持っていた、マカロフに貰った定年祝いの酒をMOSSの中枢部に投げると炎上する。消火設備の手動制御をキャンセルして火災を消火する。MOSSは機能を停止する。

 リウは中央制御室の回転を停止させると、ステーションの操縦席に入る。家族3人の写真に「帰る」と呟いて、宇宙ステーションの向きを変える。国連よりリウに「人類の歴史に希望を残すため、計画を謹んで受ける」と連絡が届く。リウは休眠ユニットを切り離し、木星に向かう。

 リウはCN171-11中国救助隊に連絡を送り「宇宙ステーションには30万トンの燃料があり、爆発半径が5000km以上になる。宇宙ステーションを爆破すると、木星が点火する」と伝える。それを聞いたチーは止めるように言うが、リウは「父さんを許してくれ。これは父さんの人生で一番大切な使命だ」と言い残す。チーは「木星が見えたら、あなたは家に帰ると言った。父は嘘をついている」と泣く。リウは「父さんが家を出た時、お前はまだ4歳だった。お前は大人の男だ。父さんは空にいる。頭をつかえば父さんに会える」とチーに話しかける。

 宇宙ステーションは地球からのビームに突入し、大/爆発を起こす。木星に火が点く。

 地球駆動エンジンのビームは通常の7本に戻される。リーは「爆発波は7分で地球に接近する。皆地下都市に避難しろ」と警告する。ドゥオドゥオがチーを探す。ティムはチーに「ドゥオドゥオがお前を必要としている。早く戻れ」と呼びかける。チーとティムは輸送車でエレベーターに向かう。

 チーとティムは他の隊員を輸送車に乗せ、瓦礫の下敷きになったワン司令官を助け出してエレベーターに向かう。爆発波が地球に接近する。ワン司令は「CN171-11中国救助隊よ、生きぬけ。これは命令だ」と言い残して息を引き取る。

 衝撃波がやって来て、地上の建物や駆動エンジンを破壊する。チーの輸送車の貨物部分も破壊され、チーや隊員達が宙に舞う。チーは落下するドゥオドゥオを見つけ、ドゥオドゥオの手を掴むと、一緒に落下する。救助用球体の中に入り、衝撃を吸収するが、破片が球体を破り、2人は地面に落ちる。チーのヘルメットは割れ、ドゥオドゥオが助けを求める。

 地球はロッシュの限界より遠ざかる。リーや隊員は「上手くいった」と喜ぶ。各地の地球エンジンが点火され、地球は木星から遠ざかる。チーは生きていた。

 〔3年後。北京第3地下都市〕

 「地球は太陽に呑み込まれるだろう。生き残るために、人類は画期的な計画を開始する。4.2光年離れた場所にある新しい故郷に向かって地球を動かす事だ。この計画は5つの段階に分かれている。第1段階。人類は全ての資源を動員する。地球を動かすために、地球エンジンと呼ばれている1万台の装置を製造する。1万の地下都市と共に人命を守る。第2段階。赤道に沿って回転装置を作動させ、地球の自転を止める。自転しない地球は、地球の表面全体を吹き飛ばす巨大津波を発生させ、地球の人口の半分を破壊する。事故がなければ、準備は万端だ。第3段階。「放浪の旅」の始めに、最終加速度を得るため、地球は木星の重力を利用する。第4段階。地球が太陽を離れた時、地球エンジンが最大出力で作動する。光速の0.05%上がるのに500年かかる。それから1300年間航行する。その後、地球エンジンの向きを逆にする。さらに700年を費やして減速する。第5段階。地球は恒星系の目標に錨を下ろし始める。新しい故郷に到着。指定した恒星系で新しい惑星になる」。

 チーとティム、ドゥオドゥオは輸送車に乗り、出発する。

 「この計画は100世代で終わる。4.2光年離れた場所で、新しい故郷になる新しい太陽がどんなものか分からない。しかし今日から、人類の勇気と忍耐力は星の間に描かれる。希望と絶望の長い旅路は宇宙全体で2500年続く。これは、「さまよう地球計画」として知られている。

(エンドクレジット。タイトル『流浪地球』)

(写真は「IMDb」より)