『アクアマン 失われた王国』ネタバレの感想 水中戦闘場面が少なく迫力不足 | アンパンマン先生の映画講座

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映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

評価 3/5 ☆☆☆★★

 本作は諸事情で公開が延期され、米国2023年・日本2024年公開で、前作『アクアマン』(米国2018年・日本2019年公開)から5年もたったのが残念である。しかし、主な登場人物はメラ役のアンバー・ハードも含め、ほぼ前作同様なので嬉しい。アトランナ役のニコール・キッドマンは現在56歳なのに、人魚の肉を食って年を取らないのではないか、と思うほど若々しいのに驚く。ただ、息子のアーサー役のジェイソン・モモアは44歳で、差が12歳しかない上にニコールが若々しいので、親子に見えない。配役ミスかな?それとも元々アトランティス人の寿命は人間より長いので老けない、という設定かな?

 前作『アクアマン』は水中でのアクション場面の動きが非常に素早く、迫力があった。アクアマンが海洋生物を操る能力も面白かった。

 ところが、本作は「深淵の砦」や「失われた王国」の南極海底での水中戦闘場面はあるが、前作より少なく、前作ほどの迫力がない。「砂海の牢獄」や火山島「悪魔の深奥」のジャングルと古代オリカルクム精錬所、ネクラス国宮殿の戦いのように、陸上での戦いが多く、アクアマンの能力が生かされていない。

 封印された第7の王国「ネクラス国」が登場したが、元々南極の氷河の下にあったの?シン博士とデイビッド達が追跡した、触手の怪物も宮殿の周りの怪物も、国が封印されていても動けるの?地上には出てこないの?アトランティス国の人々は南極海の低温でも行動できるの?

 オームの監禁場所が砂漠の牢獄「砂海の牢獄」なのは、良いアイデアだと思う。だが看守の魚人は乾燥には大丈夫なの?その「砂海の牢獄」への侵入も脱出も、簡単すぎるのでは?投獄されていたオームがガリガリに痩せていたので、オーム役のパトリック・ウィルソンは役作りのためにそんなに減量したのかと感心したら、パンフレットを読んで痩せた人の体を合成したと知ってがっかりした。

 ジャングルの横断は、オリカルクムの影響による巨大生物と遭遇したのが面白かった。でも、精錬所でオリカルクムのすぐ傍で働くデイビッドや部下達は巨大化しないの?それに、苦労してジャングルを横断するより、潜水艦の地下水道を通ればよかったのでは?「古代オリカルクム精錬所」への侵入も簡単だった。侵入者を知らせるセンサーは設置していないの?

 今回のテーマは家族愛だろう。トムがアーサーに「兄弟は、最後には助けになる」と言っていた通りだった。でも、アーサーとオームがあっさりと仲直りし過ぎと思う。アーサーの母のアトランテもメラの父のネレウス王も活躍し、一家全員で戦っているのは面白い。アーサーの息子は、赤ん坊なのに金魚を操る能力を持っていたのは凄いと思い、きっとデイビッドに誘拐された際は、海洋生物を集めて窮地を脱するのではないかと思ったが、なかったのが残念である。

 封印を解くには王家の血(遺伝子)が必要だが、アトラン王からアーサーまで何代経たのだろう?子で2分の1、孫で4分の1、曾孫で8分の1とだんだん減少するが、どんなに薄くても大丈夫なの?

 「深淵の砦」は『スター・ウォーズ』の酒場を思い出させる。キング・フィッシュはジャバ・ザ・ハットか?オクトポッドの足に鎖を巻き付けて倒すのは、ルークがATATを倒したのと同じ。アトランティスの存在を公開するのは『ブラックパンサー』を思い出させる。他映画の類似点が目立つのは良くない。

 相棒のタコのトポが活躍し、愛嬌があって面白い。クジラ、イルカなどの勢揃いは、やっとアクアマンの能力が出て面白かった。ゴキブリを食べる場面は、気色悪いのでいらない。評価は「3」である。

 原題は『AQUAMAN AND THE LOST KINGDOM』で、邦画と同じ「アクアマンと失われた王国」の意味。DCエクステンデッド・ユニバースはこれで最後だそうだが、アクアマンは今後、単発で続編が作られるのだろうか?