ディズニー映画『ウィッシュ』ネタバレの感想 願いは待つのではなく、努力するものでは? | アンパンマン先生の映画講座

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映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

評価 3/5 ☆☆☆★★

 ディズニー100周年記念映画だそうで、期待して見た。

 まず、マグニフィコ国王は「ディズニー史上最恐のヴィラン」と宣伝していたが、悪事は「国民から願いを玉にして集めたが、ほとんど実行せず、願いの玉を割って自分の魔力にした」「国民を魔力で広場に拘束した」くらい。しかもその拘束を、国民は歌を歌って解いた。「最弱のヴィラン」の間違いでは?

 マグニフィコ国王は月に一度の儀式で願いを叶えるそうだが、たった一人だけなの?サビーノは自分の願いが叶えられなかったのでがっかりしていたが、年間で12人しか願いを叶えてもらえないのでは、願いが叶わないのは当然である。願いが叶う確率はこんなに低いのに、国民が願いを捧げるのはなぜ?

 今回の儀式で叶った願いは「王国一美しいドレスを縫い上げる事」だが、魔法で王国一美しいドレスを縫った後、次は美しいドレスを縫えるの?サビーノの願いは「みんなの前でマンドリンを弾くこと」だが、魔法でマンドリンが弾けるのを待つより、自分で練習すれば良いのでは?魔法で願いが叶うのを待っているのは、合格祈願をして全く勉強しない受験生のようで、それで良いのだろうか?

 サイモンは自分の願いをマグニフィコ王に捧げた時から無気力になり、すっかり退屈な奴になった。他の人も同じ様である。それを知っているのに、なぜ願いを差し出すのだろう?それに願いを捧げると、その人はどんな願いか忘れるそうだが、忘れた願いが叶って嬉しいのだろうか?最後にアーシャが願いを叶える方法を聞かれ「それは簡単。願い続ければいい」と言ったが、「努力し続ければいい」の間違いではないだろうか?

 また、マグニフィコ国王の行動で魔法の怖さ知ったと思うのに、最後にアーシャが魔女になるのも理解できない。自由に願いを叶えるようになったのだから、この国に魔女の必要がある?

 さて、本作はディズニー100周年記念作品なので、過去作品へのオマージュがいろいろあるようだ。本作の題名が「ウィッシュ(願い)」で、「スター(星)」が登場するのは、『ピノキオ』の『星に願いを』に掛けているはず。何と、最後にサビーノがマンドリンで弾いていた曲は『星に願いを』だった。空を飛びたいと願う少女がウェンディで、空飛ぶ機械を発明したいと思う少年がピーターなのは『ピーター・パン』だろう。友人が「フェアリー・ゴッドマザー」の話をするのは『シンデレラ』関連だろう。言葉を話す動物が多数出てくるのは、『ズートピア』や『くまのプーさん』等と関係があるかも。最後にスターが城の上に花火を打ち上げた時、3つの花火がミッキー・マウスの顔になった。スターが城の上に光のアーチを架けたのは、ディズニー映画のタイトルバックそのものである。スターの顔はミッキー・マウスの顔をモデルにしているそうだが、丸い耳はなく、顔(体?)が星型なので、よくわからなかった。アーシャの7人の友人の性格や名前は『白雪姫』の七人の小人から取ったそうだが、小人の性格や名前を理解していないので、気づかなかった。その他にもありそうな気がするが、よく分からない。

 同時上映の『ワンス・アポン・ア・スタジオ -100年の思い出-』の方が、次から次へとディズニーキャラクターが登場して、こんなに沢山いたのかと感心した。『シュガー・ラッシュ オンライン』では歴代のプリンセスが多数登場し、各自の特徴を生かしていて楽しかった。本作も歴代のディズニー・ヒーロー全員登場で、歴代のヴィランと戦う話にすれば、100周年にふさわしい楽しい映画になったと思う。マーベル・コミックスには「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」があり、DCコミックスにも「DCエクステンデッド・ユニバース(DCEU)」があるので、「ディズニー・ユニバース」を作ってみてはどうだろうか?

 原題は『WISH』で「願い」の意味。評価は「3」である。