『M3GAN/ミーガン』ネタバレの感想 一家に一体ミーガンがほしい(殺人なしで) | アンパンマン先生の映画講座

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映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

評価 4/5 ☆☆☆☆★

 予告編が面白く、特にダンス場面に感心し、評判も良かったので、公開が待ち遠しかった。

ミーガンは2本足歩行し、言葉を話し、絵を描き、自分で考えて行動し、子供と一緒に遊び、悪い点は注意し、歌を歌い、ダンスまでする。ミーガンは何とも素晴らしいAIアンドロイドである。急に姪を引き取る事になり、仕事が忙しく、子育てに自信がないジェマにとって、ミーガンは心強い味方である。ミーガンに会ってから、両親を亡くして暗かったケイディも、明るくなった。重役たちへのプレゼンで、ケイディがママの思い出を話し、ミーガンが録音して聞かせる場面は、ミーガンの能力に驚き、感動的であった。顔は可愛いし、性能は優秀なので、一家に一体ミーガンがほしいと思った。

 さて、ミーガンがケイディの両親の死について質問し、そのあたりから不気味さが増す。声で「停止」と言えば電源が切れたのに、首筋の主電源スイッチでないと切れなくなるのも怖い。

ジェマに「あなたはケイディを精神的、物理的に守ってくれればいい」と命令されたミーガンは、その通りに実行する。まず、ケイディの腕を噛んだ犬を殺害し、見つからないように埋める。次に、ジェマの家に文句を言いに来た、以前からトラブルが絶えない隣人セリアを殺害する。

 さらにキャンプでケイディをいじめた男の子ブランドンの耳を引きちぎる。ブランドンを4つ足走法で追いかけるミーガンは不気味だった。たぶん、ミーガンは2本足歩行だと速く走れないので、4本足にしたと思われる。ブランドンが車に轢き殺されなかったら、ミーガンは何をやるつもりだったのだろう。

 デヴィッドの前で見せるダンスがすごい。でも、デヴィッドの殺害理由がわからない。

 ついには、ミーガンを廃棄しようとしたジェマまで殺害しようとする。とてもミーガンには敵わないと思ったら、序盤に登場したブルースをケイディが操縦してミーガンを叩きのめすのは爽快に思った。さらにケイディがミーガンの頭部の中央にあるチップをドライバーで破壊するのは、ジェマがケイディにブルースの構造を説明する伏線がちゃんとあったので感心した。

 もちろん、現代はこれほどの性能のAIアンドロイドは開発されていないが、近い将来にはきっとできる気がする。そのときは映画でも触れられているような、子育てをロボットに任せていいのか、という問題が出てくるに違いない。

 ミーガンがケイディに危害を加える者を殺害するのは、ジェマの「あなたはケイディを精神的、物理的に守ってくれればいい」の命令に従ったものである、ミーガンの開発を急いだため、人を傷つけたり殺したりしてはいけない、と言ったプログラムが疎かになったのではないだろうか。今後AIロボットを開発する場合は、「人間に危害を加えてはいけない」「命令に服従しなければならない」「自己を守らなければならない」といった、アシモフの「ロボット工学3原則」のようなプログラムを必ず導入してほしい。

 さて、本作は非常に面白く、続編『M3GAN 2.0』の制作が早々に決定したそうで、嬉しい限りである。映画の最後に、ミーガンが支配していた家庭用音声アシスタントAIエルシーのライトが点く。これはミーガンのデータがエルシーを経由してクラウド上にある事を意味しているのだろうか?また、カートがミーガンのデータを、不当に自分のパソコンにコピーしていた。いずれにせよミーガンのデータが残っているので、続編ではそのデータをもとにミーガンが復活するのだろうか?楽しみである。

 原題は『M3GAN / M≡GAN』。ジェマが説明したように「Model 3 Generative Android(モデル3・生成アンドロイド)」の略のM3GANの3をEの鏡文字としてMEGAN(ミーガン)と読んだもの。なかなか凝っている。評価は「4」である。