『アルマゲドン』ネタバレの感想 難題の連続で地球を救えるかハラハラ | アンパンマン先生の映画講座

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映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

 評価 4/5 ☆☆☆☆★

 映画の冒頭で紹介されているように、約6500万年前に陸上の恐竜や海洋のアンモナイトなど、地球上の生物の約75%が絶滅すると言う大事件は、ユカタン半島に直径約10kmの隕石が落下したためと言うのが定説になっている。現代でも、小惑星が地球に接近し、衝突するかもしれないと言うニュースが時々報道される。米国政府は地球に衝突する小惑星の対策も考えているそうだが、映画でも発案されたミサイルを撃ち込む案では軌道を変えられず、有効な方法がないのが実際のようだ。

 と言う事で、この映画のように地球に小惑星が衝突するのは可能性としては有りえる話で、とても興味深い。小惑星に穴を開けて地下で核爆弾を爆発させるのは、いい方法だと思う。素人のならず者の掘削員を宇宙に連れていくため、急遽宇宙飛行の特訓が行われるのが面白い。その間にも時々各世界地に隕石が落下して災害が起き、恐怖を盛り上げている。

 さて、掘削員を乗せた新型スペースシャトルが、途中ロシアの宇宙ステーションに燃料補給に立ち寄るが、補給中に火災が発生して宇宙ステーションは爆発し、2機のスペースシャトルはギリギリのところで発進する。小惑星に近づくと1機が岩に当たって墜落する。生き残った掘削員が表面に着陸して掘削を始めると地面が鉄でドリルが壊れる。リモートで核爆弾のタイマーが作動し、ぎりぎりでタイマーを止める。爆発が起き、掘削車両が突き飛ばされて万事休すになる。掘削は完成するが、核爆弾のタイマーが壊れ、誰かが犠牲になって手動で起動しなければならない。ハリーが残るが、地殻変動でなかなか転嫁できない。と言うように難題を1つ解消してもまた難題が次々に発生し、ハラハラの連続である。A.J.といがみ合っていたが、最後は娘の恋人のA.J.の代わりに自分が犠牲になるハリーも潔く、物語はとても感動的である。ハリーと娘グレースの交信は、涙無くして見られない。

 しかし、感動を盛り上げるためか、撮影の都合か、科学的な間違いや大袈裟な演出が目に付いて、感動を薄くしている。まず、小惑星の大きさがカリフォルニア州くらい(長さ1240km)とは、最大の小惑星ケレス(933km)より遥に大きく、こんなに大きな小惑星が未発見だったとは、いい加減すぎる。核爆弾を入れる穴の深さは240mにこだわっていたが、小惑星の短半径200kmのたった約0.12%ではないか。こんなに浅い所に核爆弾を仕掛けても、小惑星が真2つになるわけがない。小惑星表面の重力は地球並みだったり、場面によって非常に小さかったり、統一性がない。効果がないのに地表で核爆弾を爆発させようとするし核爆弾は地球からのリモート信号でしか作動しないと思ったら、機長がリモコンを持っているし、訳が分からない。

 立ち寄ったロシアの宇宙ステーションが回転して重力が発生するのも、かなりいい加減。無重力の撮影は大変なので、避けるためだろう。ロシアの宇宙ステーションは名前が出ないが、ミールと思われる。燃料が漏れるとは怖すぎる老朽化である。しかし、ミールは実際に1997年に火災が発生し、同じ年に無人輸送船の衝突で空気漏れが発生し、と事故が相次ぎ、2001年に大気圏に再突入させて廃棄処分された。本物のミールも映画のような事故が起きても不思議ではない。

 さまざまな疑問点は、別ページで考証したいと思う。評価は「4」である。

 原題は『ARMAGEDDON』で、聖書に出て来る世界の終末の事である。