2023年2月11日(土)14時40分本編上映前『#マンホール』公開記念舞台挨拶 全国生中継
登壇者:中島裕翔、熊切和嘉監督
14時40分。開始
司会「第73回ベルリン映画祭の招待作品。ネタバレ厳禁の驚異のラストをお楽しみに」
ゲスト登壇
司会「挨拶を」
中島「お越しいただきありがとうございます。上映前なので、色色言いたいが、後で楽しんでください」
監督「ライブビューイングは、全国何千人?」
司会「上映前なので気を付けて」
中島「さっきは上映後の挨拶だったので、気を付けないと。今日は一人だし」
司会「プロモーションは?」
中島「プロモーションも一人だけ。前夜祭は奈緒さんもいたけど。(観客に)2回以上見た人?(数人手を挙げる)エネルギー使い果たしたのでは」
司会「ワンシチュエーション映画は、日本では珍しいのでは?」
監督「外国ではよくあるが。シチュエーションが限られ、主人公が足をケガしているので、動きが限られている中で、どのように面白くできるかが課題だった」
司会「監督はどんな人?」
中島「鬼才。技術だけでなく芝居も2人でディスカッションした。熊切色に染まった」
監督「毒されたのでは?」
司会「中島さんはどんな人?」
監督「素晴らしい俳優だ。事前に細かい裏設定書を渡したが、全部ものにしていた。助監督が忘れたときは中島君に聞けばわかる。彼があったから、映画が成功した」
司会「裏設定書とは?」
中島「複雑な設定なので、バックボーンを叩きこむ必要があった」
司会「イメージしていたものは?」
中島「始まる前に監督が下さったDVD『Uターン』と言うカオスな映画が、雰囲気は似ていないが、表現したいものが伝わった」
司会「共有したイメージは?」
監督「音楽はメルビンズ。後半に向けてのイメージだが。現場に来ているときに聞いていた」
中島「心がギザギザするのが好き。後半にキーになる曲でした」
司会「監督から中島さんに伝えていた事は?」
監督「人間性を出していて、微調整した」
司会「一番大変だったことは?」
監督「沢山あるけど、泡。誰もやったことがない。台本からどうやって撮るか悩んだ。泡を怖く見せるのをどうするか。泡はアナログで、ほとんどCGを使っていない」
司会「泡はイベントでは綺麗なイメージですが」
中島「汚い色を付けるために、コーヒーとお好み焼きと青のりの粉末が混ぜてあって、臭いがきつかった。衣装にも付くし」
監督「泡のシーンは撮り直した」
司会「服を乾かしてもう一度ですか?」
監督「全部最初からやらなければならないので、後日、もう1日かけた」
中島「もう一度やり直せるチャレンジができたので良かった。最初のテイクは満足していなかったので」
監督「SNSをやったことがないので、映画的にいかに面白く見せるか」
中島「SNSの声に巻き込まれる声。怖さが増幅される」
司会「ホッとできる瞬間は?」
中島「メイクさんが気を使ってくれた。前のカットとの繋がりで、どんな服を着ていたかなどの確認の写真を見せる時に、ネットに出ている僕の写真を見せたりした。陰鬱な映画の反面、皆さんは楽しそうだった。
司会「大喜利を繰り返していた?」
監督「気が付かなかった。撮影中にキャッキャしていた。(ホッとできる時間の質問に)泡を獲り終わったとき。一山超えたから」
司会「主人公のようになったら、誰に助けを求める?」
中島「現実にはマネージャー、家族」
司会「警察には?」
中島「もちろん警察に電話する。まずはマネージャーに。スケジュールもあるので」
監督「妻。信じてもらえないだろうが」
司会が観客に「警察の人?」「家族?」「職場?」
中島「職場に電話する人いないの?」
司会「持っていくといいアイテムは?」
中島「ライターはありがたい。映画を見ると、キーアイテムになっている。火は大事」
監督「スマホ」
司会「他に何か?」
中島「縛るもの。モバイルバッテリーも絶対」
司会「今後、2人でシチュエーション映画を撮るとしたら、どこがいい?」
監督「砂漠を密室にたとえて」
中島「どこで撮影しますか?」
監督「鳥取砂丘」
中島「鳥取砂丘なら、簡単に脱出できるのでは?」
司会「中島さんはどこ?」
中島「楽屋。どっきり企画みたい」
監督「ステージが始まるのに、楽屋から出られない」
中島「疲れていると、夢で見る。マンホールができたので、何でもできる」
監督「ワンシチュエーション俳優」
司会「顔のアップだけで、違いを見せられる俳優は少ない。今後、どんなジャンルをやりたい?」
中島「アクションをやりたいと監督が言っていた」
監督「素晴らしい。いじめがいがある」
中島「いじめられたからできた映画」
司会「2月23日からネタバレ解禁、副音声付き上映が始まります」
中島「オーディオコメンタリー付き上映。このためにかなりしゃべっている」
監督「DVDにも付く予定」
司会「スマホにアプリをダウンロードして、イヤホンで聞いてください。最後の挨拶を」
監督「撮影中も、編集中も、中島君の最初と最後で顔が違う。表情を楽しむ映画」
中島「昨日から公開。今日は全国中継。次はベルリン映画祭に出られて光栄です。熊切監督と組んだ、今までにない映画です。ネタバレ厳禁で楽しんでください」
15時10分、終了。
予定通り、ちょうど30分の舞台挨拶だった。監督と中島氏2人だけなので、かなり質問の数が多く、ためになった。でも、奈緒さんの話も聞きたかった。黒木華さんの話も聞きたいが、登場したら犯人だとばれるので、無理だろう。
中島氏の話から、この上映前の舞台挨拶の直前に、上映後の舞台挨拶があり、ネタバレの話もあったようだ。どうせなら、上映後の舞台挨拶を生中継してほしかった。
泡の撮影の苦労を聞いてから映画を見て、ここの場面だったかと苦労がよく分かった。2人が言っていた「裏設定書」はパンフレットに川村俊介、折原奈津美、吉田の設定が4ページに渡って書かれてあった。奈津美がどうして川村が偽物で、吉田がすり替わったと知ったのかなど、映画では描いていなかった設定が分かって、理解が深まった。監督が言っていた「複雑な設定」とは、吉田が川村を殺してすり替わっていた事である。