『パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト』死者の宝箱をめぐる策略と攻防が楽しい | アンパンマン先生の映画講座

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映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

 評価 5/5 ☆☆☆☆☆

 第1作『パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち』(2003年)の続編が、本作第2作『同 デッドマンズ・チェスト』(2006年)である。話が1本に収まらず、第3作『同 ワールド・エンド』(2007年)も同時に撮影された。

 第1作で名前だけ出てきたウィル・ターナーの父ビル・ターナーが、登場するのが嬉しい。ビルの体は海の生物と合体しているのが不気味。1作目でアステカの呪いは解けたはずだが、デイヴィ・ジョーンズの契約で生身の人間に戻らなかったらしい。ウィルが父を必死に解放する話になっているのが良い。

 デイヴィ・ジョーンズの顔や体はタコやカニのような海洋生物になっており、ヌメヌメと触手が動いて何とも不気味である。手下達の体も海洋生物が合体しているのが不気味である。特に壁と一体化しているウィバーンが怖い。このデイヴィ・ジョーンズと手下達が第1作の骸骨の海賊以上に怖い。フライング・ダッチマン号のデザインも生物的で不気味である。

 ジャックもデイヴィ・ジョーンズの契約で、100年間フライング・ダッチマン号での労働に就かなければならないと言うのが面白い。それを何とか誤魔化そうとするのが彼らしい。

 今回はベケット卿が野望を達成するために、一番欲しい物のありかを指すと言う、ジャックのコンパスを取ってくるようにウィルに命じる。ジャックはデイヴィ・ジョーンズを出し抜くため、彼の心臓が入った宝箱と、それを開ける鍵を探す。ジャックはウィルに、コンパスと交換に鍵を盗って来いと言う。また、エリザベスもウィルを探しに出て、男装して活躍するのも楽しい。

 デイヴィ・ジョーンズを恐れて島に上陸したジャックと海賊達、そしてウィルが原住民に捕まる。ウィルたちが巨大な球形の籠ごと脱出する仕方が、ユニークで面白い。

 ウィルがデイヴィ・ジョーンズと賭けをするのがスリルあった。それは鍵を隠している場所を探るためで、その後、ウィルが寝ているデイヴィ・ジョーンズの触手をかき分けて鍵を盗む場面がスリルあった。

 宝箱が見つかると、ジャックは自分の契約を解除するため、ウィルは父を解放するため、ノリントンは地位を取り戻すため、それぞれ宝箱を狙う。三人が三つ巴になって剣で戦うのが面白い。さらに転がる水車の上と中でも戦いを繰り広げる。よくこんな複雑な戦いを考えたと感心する。その後、ジャックが箱から出して心臓を隠し、ノリントンがそれを奪い、そして本当は空の宝箱をめぐって、海賊達とデイヴィ・ジョーンズの部下達が取り合いを面白い。

 また、デイヴィ・ジョーンズが操る海の魔物クラーケンが船を襲う場面が怖い。巨大な触手がヌメヌメと船を這い上がり、人々を襲う場面が怖い。クラーケンの攻撃を経験したウィルが、火薬を爆発させて撃退するのが感心した。

 エリザベスはジャックに良い面があると言う。確かに1作目でエリザベスを救い、今回もウィルを救っている。エリザベスはウィルを好きであるが、ジャックにも惹かれる三角関係が面白い。

 さて、デイヴィ・ジョーンズの心臓はノリントンによってベケット卿に渡る。ジャックはクラーケンに飲み込まれて行方不明になる。ジャックを探すために、ティア・ダルマはルボッサ船長を復活させる。原住民の王にされた犬の運命も含め、第3作『同 ワールド・エンド』(2007年)の展開が楽しみな終わり方になっている。評価は「5」である。

 原題は『Pirates of the Caribbean:Dead Man’s Chest』で、副題の意味は『死人の大箱』の意味。