『るろうに剣心 京都大火編』『伝説の最期編』の重要な場面のいくつかは、山形県内でロケされています。映画を見た後、そのロケ地を見てきたので紹介します。
1.東海道・小田原の宿場町
まず、『京都大火編』で剣心が京都に向かう途中に立ち寄った小田原の宿場町、および『伝説の最期編』で剣心が東京に戻る途中に通った宿場町は、山形県鶴岡市羽黒地区にある「スタジオセディック庄内オープンセット(旧庄内映画村)」の「宿場町エリア」で撮影されました。
ここの宿場町のセットは、『十三人の刺客』の宿場町での最後の決戦の撮影のために作られたもので、撮影当時のセットがほぼ残っています。また、『超高速参勤交代』では、人数を2倍に見せるために途中で折り返して同じ人が2回通過する宿場町としても撮影されています。
実はここでは、『十三人の刺客』の前には綾瀬はるか主演の『ICHI』、さらにその前には『スキヤキウエスタン ジャンゴ』が撮影されましたが、全面的に改修され、その当時の面影は全く残っていません。
2.新月村
『京都大火編』で志々雄真実の手に落ちた「新月村」は、庄内オープンセットの『漁村・農村エリア』で撮影されています。上の写真は、映画の新月村の場面。下の写真は撮影に使われた、村の広場にあった大木です。大木の幹は、写真を見ると分かると思いますが、何と発泡スチロール製でした。枝は本物の木でした。撮影後は観光の邪魔にならないように、火の見櫓と一緒に村の片隅に移動されていました。もちろん建物のがれきも撤去されていました。
ここのエリアでは、この他に『十三人の刺客』や『座頭市 THE LAST』『必死剣 鳥刺し』も撮影されています。
3.志々雄の屋敷
『京都大火編』で「新月村」で志々雄真実が剣心を待ち構え、剣心と瀬田宋次郎が対決して逆刃刀が折れるほど、凄まじい戦いが繰り広げられた屋敷は、庄内オープンセットの『漁村・農村エリア』の中にあります。この屋敷は『座頭市 THE LAST』で天道一家の屋敷として造られました。クライマックスで、座頭市役の香取慎吾と天道役の仲代達矢の壮絶な戦いが繰り広げられた場面も撮影されています。
4.内務省正門
『京都大火編』で大久保利通が剣心を呼び出した内務省の外観、および『伝説の最期編』でも捕らえられた剣心が連行された内務省は、山形県山形市にある山形県郷土館「文翔館」で撮影されました。大正5年(1916年)に建てられた英国近世復興様式のレンガ造りの建物で、昭和50年まで県庁舎として使われました。
「文翔館」の看板が「内務省」に代えられているのがわかります。実に堂々として、風格のある建物だと思います。映画で見たときは、思わず「おっ、すごい!」と叫んでしまいました。
なお『賭ケグルイ』の私立百花王学園の外観としても使われています。
5.内務省執務室
『京都大火編』で剣心と大久保利通が内務省執務室で面会し、志々雄真実が京都で暗躍していることを聞かされる場面は、文翔館(旧山形県庁)の中の旧知事室で撮影されました。旧知事室だけあり、風格があります。
写真の下側には、ここで『るろうに検心 京都大火編』が撮影されたというパネルがありました。
6.内務省会議室
『伝説の最期編』で、捕らえられた剣心が川路警視総監に連れられて伊藤博文と会った内務省の会議室は、文翔館(旧山形県庁)の正庁(講堂)で撮影されました。重要な会議に使われ、内装は特に豪華に作られ、寄木貼りの床板や大理石の飾柱が見事です。
7.内務省中庭
『京都大火編』で志々雄真実から多くの警察官の遺体が送られてきて、内務省の中庭に並べられる場面。および『伝説の最期編』で、捕らえられた剣心が内務省の中庭に連行されてくる場面は、文翔館の中庭で撮影されています。
文翔館の赤レンガ壁と白い石畳のコントラストが美しいです。出入口の上にある非常口の表示は、木の板でうまく隠されています。なお、写真の手前にはエアコンの室外機があり、映画では写らないようにうまく構図が決められています。
8.剣心と斎藤達が会った京都の料亭
『京都大火編』で京都に来た剣心が、斎藤一たちと会う京都の料亭の場面は、山形県山形市七日町にある料亭・千歳館で撮影されました。 写真は「千歳館ホームページ」の物です。
千歳館は、職場の送別会などで何回か使った事があります。正面玄関は洋風、宴会場は純和風の凝ったつくりをしています。京都の料亭と言われても、全く違和感がありません。中庭がとても綺麗で、料理もとてもおいしいです。山形においでの時は、ぜひ食事で使ってください。
9.剣心と沢下条張が戦った京都の神社
『京都大火編』で剣心と十本刀の1人、沢下条張が戦った京都の神社として登場したのが、遊佐町大字上蕨岡字松ヶ岡51にある鳥海山大物忌神社(おおものいみじんじゃ)の蕨岡口ノ宮(わらびおかぐちのみや)です。鳥海山の麓にある大きな神社です。境内と本殿の床下でも二人が戦いました。広い境内と本殿の高い床を見て納得しました。
ここは『ICHI』のロケ地にもなっており、役人を迎えて地元の農村歌舞伎が行なわれ、そこに万鬼党一派が襲ってくる場面で使われました。
10.逆刃刀を奉納していた社
『京都大火編』で逆刃刀の真打が奉納されていた京都の神社として登場したのが、酒田市山楯字三之宮48にある、この小物忌神社(おものいみじんじゃ)の夢草堂です。新しく作られた道路に近いですが、山の麓にひっそりとたたずんでいました。もちろん中には入れませんが、窓から見たら逆刃刀は無いようでした(笑)。
11.薫が散歩していた海岸
『伝説の最期編』で、意識が戻った薫が病院を抜け出してして散歩していた海岸は、庄内砂丘の、酒田市の赤川河口近くの「浜中海水浴場」の砂丘です。砂丘といっても草原が覆い、優しい感じがする海岸です。剣心が打ち上げられた海岸は、ここの南の湯野浜海水浴場らしいです。