『NOPE ノープ』ネタバレの感想 怪現象と馬や人を食う物体が実に怖い | アンパンマン先生の映画講座

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映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

 評価 4/5 ☆☆☆☆★

 予告編を見て、SFホラーで面白そうだと思い「フォーラム山形」で鑑賞した。

最初に空からコインや鍵などが降って来て、目を貫通した父が死亡すると言うあり得ない事件が起きる。馬のゴーストが行方不明になる。OJが雲の隙間から巨大な物体の影を目撃する。馬の像が吸い込まれる。と、不思議な現象が次々に起こり、スリルの盛り上げ方が上手い。終盤にOJとエムがUFOに襲われる場面は、怖さの絶頂であった。でも、予告編でOJがUFOに襲われる場面が出るので、UFOだとバレバレである。本作でそんなに引っ張るのなら、予告編で秘密にしてほしかった。

 最初、そのUFOは宇宙人の乗り物かと思っていたら、生物で、馬や人間を捕食している事が分かる。ヘイウッド家の上空に停まり、血の雨を降らせる場面が怖い。「それ」は、最初に円盤型(捕食の時は下部に穴が出来て帽子型)だったが、終盤にクリオネのようにと言うか、私には『エヴェンゲリオン』の使徒のように見えたが、変形するのにも驚いた。こんな生物をどうやって倒すのだろうと思っていたら、巨大風船を飲み込ませ、風船の破裂で退治するのに感心した。

 ところで、父の死後半年は、ヘイウッド家では何も奇妙な出来事は起きていなかった。ところが『ジュピターズ・クレーム』の『星との遭遇』のショーによると、パーク家では半年間毎週金曜日「絶対的な光景」を見ていた。つまり、UFOが馬を捕食していたと分かる。ヘイウッド家から馬を10頭も買いながら、園内に馬がいないのを不思議に思ったが、全部餌として与えていたと思うとゾッとした。馬を食う危険な物を使って、ショーを行うと言う考えが怖い。そのため40人もの犠牲が発生してしまった。

 映画の冒頭で、コメディー番組中にチンパンジーのゴーディが狂暴化して、出演者を襲うと言う凄惨な事件が発生する。この惨劇をテーブルの下に隠れて目撃していたのが『ジュピターズ・クレーム』の経営者のジュープだった。動物が急に牙をむく恐怖を体験したのに、『星との遭遇』のショーを考えるとは正気の沙汰ではない。

 この事件後に「私は汚らわしいものをあなたに投げかけ、あなたを辱め、見世物にする」の、旧約聖書ナホム書3章6節が引用される。これはチンパンジーの事件と『星との遭遇』を意味していると思うのだが、私は旧訳聖書に詳しくないので、どんな意味かよく分からなかった。どなたか教えて欲しい。

 なお、父親が死亡した事件の時、硬貨や鍵が落下したので、この直前にUFOは人間を捕食したと思われる。いつ誰が殺されたのだろう?また、「最悪の奇跡」とは、結局何だったのだろう?

 ところで、パンフレットにジョーダン・ピール監督は『新世紀エヴァンゲリオン』に刺激を受けたと書いてあった。私がUFOを使途に見えたのは、間違いではなかった。また、エメラルドが電動バイクを横滑りさせて急停止させる場面は『AKIRA』(1988年)を思い出させる。これも日本アニメの影響だろうか?

 さて、ジュープが「信じますか?1時間後には、あなたは別人となってこの場を離れる」と言って『星との遭遇』のショーが始まるのは、上映開始から1時間06分後頃。映画の上映時間は2時間11分なので、ショーが始まって約1時間後に映画が終わる。観客は別人となって映画館を離れただろうか?評価は「4」である。

 原題は『NOPE』で、「いいえ」の意味の「no」の俗語である。映画中では多数の登場人物が、この単語を「まじかよ」「ありえない」「無理」など、いろいろな意味で使っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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