『天空の城ラピュタ』ネタバレの詳しいあらすじ | アンパンマン先生の映画講座

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映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

監督:宮崎駿  1986年

主な登場人物(声優)役柄。

【主人公】

パズー(田中真弓)スラッグ渓谷の鉱山で働く見習い機械工。10代前半の少年。

シータ(横沢啓子)本名リュシータ・トエル・ウル・ラピュタ。10代前半の少女。北方の山奥にあるゴンドアの谷で生活していた。

【空中海賊ドーラ一家】

マ=ドーラ(初井言榮)空中海賊「ドーラ一家」の女首領にして、飛行船タイガーモス号の船長。

シャルル(神山卓三)ドーラの長男で、30歳。豊かな口髭を蓄えた大男。

ルイ(安原義人)ドーラの次男で、25歳。ちょび髭を生やしている。

アンリ(亀山助清)ドーラの三男で、20歳。主にタイガーモス号の操縦士。

ハラ・モトロ(槐柳二)タイガーモス号のベテラン機関士。

【政府・軍の関係者】

ムスカ(寺田農)本名ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ。政府の特務機関の諜報員で階級は大佐。

モウロ将軍(永井一郎)ラピュタ探索の指揮を執る軍人。ティディス要塞の司令官で階級は中将。

黒眼鏡(大塚芳忠/菅原正志)特務機関員。ムスカに忠実に随行する部下。

【スラッグ渓谷の人々】

ポム(常田富士男)鉱夫。鉱物に精通し、スラッグ渓谷の地下を熟知している老人。

ダッフィー(糸博)パズーの親方の鉱山夫。大型機械を扱うベテラン機械工。

おかみさん(鷲尾真知子)ダッフィーの妻。

マッジ(TARAKO)ダッフィー夫妻の娘。

軽便鉄道の機関士(西村知道)軽便鉄道の運転士を務める老機関士。

 

ある夜、飛行中の大型飛行客船を空中海賊ドーラ一家が襲い、船内に侵入し、銃撃戦になる。飛行客船には政府特務機関に囚われたシータという少女がいた。シータは特務機関のムスカを殴ってペンダントを取り返し、窓から出て壁伝いに隣の部屋に逃げようとする。シータを見つけたドーラは胸のペンダント「飛行石」を奪おうとし、シータは足を滑らせて飛行客船から転落する。

(タイトル『天空の城ラピュタ』。オープニングクレジット)

 気絶して落下していくシータの胸のペンダントが光り、ゆっくりと降下する。スラッグ渓谷の鉱山町で見習い機械工として働く少年パズーがその光を見つけ、鉱口に落下するところだったシータを受け止める。ペンダントの光が消えると、シータの体が急に重くなる。

 パズーは親方のダッフィーに、空から女の子が降ってきたと教えるが、蒸気エンジンが壊れ、それどころでない。親方の代わりにパズーがエレベーターを操作して、坑道から鉱員逹を上げる。金属は産出せず、その日の仕事は終わる。

 ドーラ一家は、空からフラップター(昆虫型はばたき機)でシータを探すが、見つからなかった。

 朝、小屋でパズーが目を覚まし、屋根の上に出て鳩を出し、トランペットを吹く。その音でシータが目を覚まし、屋根の上に出る。シータはパズーに助けてくれたお礼を言う。シータはどうやって助かったか覚えていなかった。

 パズーがシータから飛行石を借りて屋根から飛び降りるが、落下して工作室の屋根を踏み抜く。シータが工作室に行くと、伝説の空飛ぶ城ラピュタの写真が壁に貼ってあった。それはパズーの死んだ父が飛行船から撮った写真だった。誰も住んでいない宮殿に、たくさんの財宝が眠っていると言う。

 ドーラ一家がパズーの家に来てシータを探す。パズーはシータに男装させて逃げる。2人が親方の所へ行くと、親方に海賊がシータの事を聞いていた。シータの変装がばれ、親方の家に逃げる。海賊の長男シャルルと親方が素手で殴り合い、周りで見ていた村人も海賊を殴る。その隙に、パズーはシータを連れて逃げる。

 ドーラはオートモービル(自動車)で追ってきた。パズーとシータは、通りかかった軽便鉄道の列車に乗せてもらって逃げる。ドーラは村人と殴り合っている息子達をオートモービルに乗せ、シータを追う。パズーは釜焚きをして、列車の速度を上げる。

 ドーラ一家はオートモービルで線路を走り、列車を追う。パズーは機関車の後ろの貨物車を切り離して非常ブレーキをかけ、ドーラのオートモービルを食い止める。ドーラは息子達に貨物車を谷底に捨てさせ、追跡を続ける。

 ムスカもシータの行方を捜していた。軽便鉄道の列車が進むと、前方から軍用の装甲列車が来たので止まる。装甲列車の中から出てきた男たちを見て、シータが逃げる。後ろからはドーラたちのオートモービルが来たので、シータは引き込み線に逃げる。軍用列車と海賊との撃ち合いになり、高架線路が破壊される。パズーはシータを抱いて、片手で崩れた線路にしがみつく。

 力尽きたパズーの手が滑り、2人が落下する。シータのペンダントが光り、2人はゆっくり降下する。それを見たドーラは「飛行石の力だ。必ず手に入れてやる」という。軍隊が撃って来て、ドーラ一家はトンネルに逃げる。

 2人は廃坑の底まで降り、追っ手を振り切る。パズーは「飛行石」の光が消える前に、ランタンに火を点け、出口を探す。パズーは鞄から目玉焼きを乗せたパンを出し、シータにご馳走する。シータは北の山奥の国のゴンドアに住んでいて、両親は死んだと話す。ある日、黒メガネ逹にさらわれたと話す。シータは母が死ぬ前に貰った石の力については、何も知らなかった。

 そこに鉱山師のポム爺さんがきたので、出口を聞く。ポム老爺はテントで2人にお茶をご馳走し、昨夜から石が騒いでいると教える。灯りを消すと、周りの石が星空のように光る。ポム爺さんが石をハンマーで割ると、石が光ってすぐに消え、この辺りの石には飛行石が少し含まれていると話す。

シータがペンダントを出すと、光っていた。それを見たポム爺さんは、飛行石の結晶だと言って驚く。彼は、昔のラビュタ人のみが結晶化できる技を持っており、大きい石を空に浮かばせたと話す。パズーは、父が言っていたラピュタは本当にあると知って喜ぶ。ポム爺さんは「その石には力がある。力がある石は持っている人を幸せにするが、不幸を招くこともある」と忠告する。

 ポム爺さんと別れ、2人は地上に戻る。パズーは空の雲を見て、ラピュタを見つけると誓う。シータは、石と一緒に古い名前「リュシータ・トエル・ウル・ラピュタ」を受け継いだと教える。すると、2人は軍のロケット艇に見つかり、兵隊達に包囲され捕まる。

 パズーは国防軍のティティス要塞の地下牢に閉じこめられる。ムスカは政府の密命を受けており、要塞の司令官でラピュタ捜索の指揮官であるモウロ将軍に、兵隊を必要な時に動かせばよい、と釘を刺す。

 シータは要塞の一室に囚われていた。ムスカはシータを要塞最下層部の部屋に連れて行く。そこには、ある日、空から畑に落ちてきた正体不明のロボットが置かれていた。その胸には伝説のラピュタ帝国の紋章が刻まれていた。これにより政府はラビュタの存在を確信し、軍を使って探索に乗り出していたのだ。ムスカはシータに、飛行石にラピュタの位置を示させる呪文を知っているはずで、パズーの自由と引き換えに、教えるように迫る。

 ムスカはシータの本名「リュシータ・トエル・ウル・ラピュタ」を知っており、ラビュタの正統な王位継承者リュシータ王女だと教える。

 パズーは釈放される。ムスカは、ラピュタの調査はシータの協力で軍が独自に行うと話し、シータは「ラピュタの事は忘れて」と言う。パズーはムスタから、お礼にと金貨を貰う。

 パズーは納得できないまま要塞から帰る。ムスタはシータに「石を働かせる呪文を思い出したら、自由になる」と話す。

 パズーが自分の小屋に着くと、待ち伏せしていたドーラ一家に捕まる。パズーが金貨を持っていたので、ドーラはシータを金で売ったのかと問う。パズーは否定するが、ドーラはシータがパズーを助けるために別れたのだと見抜き、一喝する。

 その時、海賊の無線機が軍の暗号無線を傍受した。軍は飛行戦艦を呼び寄せ、シータを連れて出発するらしい。シータ奪取のため要塞に出撃しようとするドーラに、バズーは一緒に連れて行くよう懇願する。その方がシータは言う事を聞くと思ったドーラは、パズーを連れて行く事にする。家に戻れないパズーは、飼っていた鳩を解放する。ドーラ一家とパズーは4機のフラップターに便乗し、要塞を目差す。

 巨大戦闘飛行船ゴリアテが要塞に着く。

 要塞の一室に幽閉されて途方に暮れたシータは、幼い頃に祖母に教わった、困った時のお呪い「リーテ・ラトバリタ・ウルス・アリアロス・バル・ネトリール(我を助けよ。光よ蘇れ)」を思い出す。シータがそれを呟いた時、胸のペンダントが強烈な光を発する。ムスカが来て「古文書にあった、聖なる光だ」と感激する。

 同時に、壊れていたはずのロボットが動き、ビームを発射して壁を壊して脱走する。ロボットは鉄の隔壁もビームで溶かし、シータを探して階段を登り、腕を翼にして飛び、シータに近づく。シータがロボットから逃げて屋上に出ると、飛行石からある方角に光線が出る。光が指す方向にラピュタがあるのだ。

 ムスカは要塞指令部の通信回路を切断して指揮権を奪うと、北の塔にいる少女を狙うロボットが現れたら、信管を抜いた砲弾で攻撃するように命じる。要塞の砲塔から発射された砲弾が命中し、胸がへこんだロボットが倒れる。衝撃でシータも倒れ、飛行石が塔の下に落ちる。兵士逹がロボットに掛けよると、ロボットは生きており、ビームで砲塔を破壊し、シータを抱きかかえる。

 4機のフラップターに乗ったドーラ一家とパズー達は、要塞に火の手が上がっているのを見て、急ぐ。

 シータが気付くと、周りが火の海だった。シータはロボットに破壊を止めるように頼む。巨大戦闘飛行船ゴリアテがロボットを狙って動き始めた。パズーは塔の上にいるシータを見つけ、ドーラに真っ直ぐ飛ぶように頼む。

 パズーとドーラが乗ったフラップターがシータに近づくと、ロボットはシータを離す。するとゴリアテがロボットを砲撃する。飛んで来た爆発の破片でドーラが気を失い、フラップターが落下する。パズーが操縦桿を握って、必死で墜落を食い止める。ドーラが意識を取り戻し、もう一度フラップターが塔に近づき、シータはパズーにしがみ付く。

 ドーラの息子達のフラップターは、ゴリアテの周りを飛び回って煙幕を張り、攻撃を邪魔する。パズーたちのフラップターは逃げる。ロボットは完全に破壊されていた。ムスカは塔の下に落ちていたペンダントを手に入れる。将軍に光線が示す方向に出発すると伝える。

 パズー、シータ逹を乗せたドーラ一家のフラップターは、スラッグ渓谷を後にする。パズー、シータ達は、空中海賊の本船タイカーモスに乗せてもらう。パズーはベテラン機関士ハラ・モトロの元に機関室で働く。

 シータはドーラに、飛行石の光線は東を指したと教える。タイガーモス号は、貿易風を利用して足の速いゴリアテを追跡する。ドーラは、ゴリアテを最初に見つけた者には褒美を与えると宣言する。タイガーモス号は進路を変え、全速でタイガーモス号を追う。シータは調理室を任される。

 パズーは命綱を付けて、垂直尾翼の修理をする。ルイが調理室にシータの手伝いに行くと、既に他の手下がいて、次々に兄弟や手下が手伝いに来る。

 夜、ドーラがモトロとチェスをしながら、モトロは「ゴリアテに手を出すとは、勝ち目はない」と話す。ドーラは「ラピュタの宝なら無理をする」と応える。

 夕食時、兄弟と手下、パズー達は料理にかぶりつき、一斉にお替りする。

 夜、パズーがタイガーモス上部にある見張り台で当直していると、シータがやって来た。パズーはシータと一緒に毛布にくるまり、見張る。シータは他にもいろいろ呪いを教わり、その中には絶対に使ってはならない滅びの呪いもあると教える。シータは、あの石は早く捨てればよかったと後悔していた。その様子を伝声管で、部屋で寝ていたドーラが聞いていた。

 自分の運命に不安をつのらせるシータをパズーは励ます。そしてラピュタが本当に危険な物なら、ムスカに渡してはいけないと言う。パズーはシータをゴンドアの谷に送ると約束する。

 その時、パズーはタイカーモスの下の雲の中に、巨大な影を見つける。パズーはゴリアテを見つけたと、伝声管で通報する。ゴリアテが雲の中から浮上し、タイガーモス号は慌てて雲の中に隠れる。

 ドーラはゴリアテを見失わないように、パズーとシータを乗せた見張り台を凧のように母船から切り離し、雲の上に出す。見張り台は突風にあおられる。パズーとシータはお互いの体を縛る。

 夜が明け、タイガーモス号は東ではなく北に向かっていると分かる。風が変わり、流されて進路が変わっていた。巨大な雲がタイガーモス号に近づいていた、ドーラは、それは巨大な低気圧で、引きずり込まれないように全速で逃げるように指示する。

 タイガーモス号は雲から出る。ドーラは巨大な雲は「竜の巣」だと教える。パズーは「父さんは「竜の巣」の中でラピュタを見つけた。ラピュタは「竜の巣」の中だ」とドーラに教える。ドーラは機体がバラバラになると言う。

 そこへ突如ゴリアテが姿を現わし、タイガーモス号にすさまじい砲火を浴びせる。砲弾によって見張り台を繋いでいたワイヤーが切れる。砲弾を浴びたタイガーモス号は、「竜の巣」の雲間に飲みこまれていった。ゴリアテの航海士は退避すると言うが、ムスカは「光は雲の渦の中心を常に指しており、ラピュタは雲の中にいる。このまま進め」と指示する。

 稲妻が飛び交う雷雲の中で、パズーは必死に見張り台の凧の操縦悍を握る。嵐の中でパズーは、目の前に凧を誘導しているような父の飛行船を見る。稲妻の間を進むと、パズーの見張り台の凧は雲の壁を抜け、青空に出る。ワイヤーが木の枝に引っかかり、見張り台は地面に落ち、2人は投げ出される。

 パズーとシータは、花畑の中で目を覚ます。そこには緑におおわれて、遺跡のような城がそびえ立っているラピュタだった。2人は夢がかなったと大喜びする。雲が晴れ、青空が見えていた。

 2人の所に1台のロボットがやって来る。ロボットが見張り台を持ち上げると、その下には鳥の巣があった。2人はロボットに付いて行く。池の中を覗くと、都市が水没し、古代魚が泳いでいた。ロボットは植物に覆われた建物の中に入って行く。パズーはこの立派な街がどうして滅んだのか、疑問に思う。

 ロボットは城の中の巨大な木の前で待っていた。そこは石板があり、墓と思われた。ロボットが置いたと思われる花が供えてあったが、隣に立っていたロボットはさっきの物ではなく、朽ち果てていた。巨木の根元には、ずっと前に壊れたと思われるロボットが沢山眠っていた。

 さっきのロボットが、墓に供える花を摘んできて、シータに渡す。肩には数匹のキツネリスが乗っていた。

 突如、爆発音が起こり、2人は音の方へ行く。そこには不時着して大破したタイガーモス号と、そばに横付けしたゴリアテがあり、ゴリアテから沢山の兵士がラピュタに降りていた。タイガーモス号の乗員は皆捕まっていた。2人は助けに行く。

 兵士達は爆破して城の壁に突入口を開け、中はお宝で一杯だとモウロ将軍に報告する。兵士達は財宝を略奪し始めた。ムスカと部下達は別の場所に向かう。

 2人は木を降り、窓から宮殿内を見ると、兵士逹が財宝を略奪している所だった。パズーは飛行石を取り戻そうと言う。シータの呪文によって、この城は眠りから覚めた。このままではムスカが王になってしまう。シータは滅びの言葉を思い出す。

 パズーはタイガーモス号の下の階層の通路に飛び移るが、床や柱が次々に崩壊し、パズーは必死に登る。近くにムスカと部下達がやって来て、飛行石で隠し通路の入口を開ける。部下がパズーを見つけ、銃で撃って来る。それを止めようとしたシータが捕まる。ムスカ達はシータを連れて、隠し通路に入る。上の兵士達は、パズーが潜む通路に手投げ弾を投げる。

パズーは爆風で脆くなった床に穴を空け、捕まっているドーラの縄を切り、ナイフを渡す。ドーラは隠し持っていたランチャー銃と弾をパズーに渡す。パズーはシータを助けに行く。

 モウロ将軍に兵士が「ムスカがゴリアテの無線機を破壊し、当直兵が数名重傷」「ムスカは、下部の半球体の中にいる」と報告する。モウロ将軍は兵を集め、スパイ狩りをすると指示する。

 ムスカと部下達はシータを連れて、下部半球体の中のラビュタの中枢部にいた。ムスカは、ラピュタの科学が全てここに結晶していると話す。ムスカとシータは、王族しか入れない聖域に入る。ここにも木の根が侵食していた。2人が通路を進み、突当りの壁にムスカが飛行石を当てると壁が開く。その中にも植物が生い茂り、水が溜まっていた。草をかき分け、木の根を払いのけると、中心に巨大な正八面体をした飛行石が浮いていた。これがラピュタの力の根源で、700年の間、王の帰りを待っていた。

 ムスカは伝承にあった黒い石板を見つける。ムスカもシータの一族と同じようにラピュタの王家の一族で、本当の名を「ロムスカ・ハロ・ウル・ラピュタ」と言うと教える。

 モウロ将軍は半球隊の壁を爆破しようとするが、ヒビ1つ入っていなかった。ムスカは石碑を操作して、入口を開ける。半球体の絡みつく木の根にしがみ付いていたパズーは、落ちそうになる。半球体から角のような突起が多数出る。

 モウロ将軍と兵士達は、開いた通路から突入すると、展望室に出る。そこにムスカとシータの立体映像が現れ、ムスカが「自分はラピュタ国王であり、これから王国の復活を祝って、ラピュタの力を見せでやる」と話す。

 ムスカが石碑を操作すると、半球体の突起からプラズマが走り、巨大な火球が発射された。下の海が爆発する。それは旧約聖書にあるソドムとゴモラを威した天の火だった。インドの叙事詩「ラーマーヤナ」ではインドラの矢としても伝えられていると教える。ムスカは、ラビュタは再び全世界を支配すると言う。

 ムスカは展望室の床を開けて、モウロ将軍や兵士達を落とす。さらに半球体内部の通路に格納されていたロボットを動かす。兵士達はゴリアテに逃げる。ドーラ達もタイガーモス号に戻り、パズー達を待って、フラップターで脱出しようとする。

 ゴリアテが半球体に向かって攻撃する。半球体の根にしがみ付いていたパズーが爆風で飛ばされると、展望室側面の穴に落ちる。そこはロボットの投下口で、次々にロボットが投下され、パズーは必死に穴の縁にしがみ付く。投下されたロボット達は、空を飛んでゴリアテを攻撃する。ゴリアテは墜落する。

 パズーは投下口を登り、中に侵入してシータを探す。

 目前に展開する状況を見かねたシータは、腕の縄を解き、隙を見てムスカから飛行石を奪い返して逃げる。ムスカは不気味な笑いを浮かべながら、シータを追いかける。パズーはランチャー銃で壁のような木の根を破壊しながら、シータを探す。シータは壁の割れ目から飛行石をパズーに渡し、海に捨てるように頼む。ムスカは、シータと引き換えに飛行石を渡すようにパズーを脅す。

 逃げたシータがたどり着いたのは、王座の間だった。シータは、石は渡さないと言う。シータは「ラピュタが滅んだ理由が分かった。どんなに恐ろしい武器を持っても、土から離れては生きられない」と言う。ムスカはシータのおさげを撃ち「小僧から石を取り戻せ」と脅す。

 そこにパズーが駆け付け「石は隠した。シータを撃ったら石は戻らない」と言う。パズーはシータと2人きりで話したいと言う。パズーはシータに「あの呪文を教えて。僕も一緒に言う」と話す。パズーの左手に握り絞めた飛行石に、シータも手を重ねる。2人は一緒に滅びの呪文「バルス!」を叫ぶ。

 2人の手の間から光がほとばしり出て、ラピュタを浮かせていた巨大な飛行石は落下し、中枢部の壁を作っていた黒い立方体は崩れ、半球体は崩壊を始める。ムスカは目をやられる。

 ラピュタの宮殿が崩れ、ロボットも破壊される。パズー達は来ないが、仕方ないのでドーラ達はフラップターで脱出する。

 ラピュタの半球体が崩れ落ち、宮殿の建物が崩壊し、ロボットも落下する。巨大な飛行石が木の根の中に絡まり、残った建物と巨木が上昇していく。フラップターで逃げのびたドーラ達は、上昇していくラピュタを眺める。

 パズーとシータは、木の根の間で目を覚ます。2人は根に引っかかっていた見張り台の凧を見つけ、2人はそれに乗って脱出する。ラピュタの庭では、生き残ったロボットが鳥の世話をしていた。2人の凧はラピュタを離れる。

 ドーラ達は、パズーとシータが乗った見張り台の凧を見つけ、大喜びする。シータはフラップターに飛び乗り、ドーラに抱きついて再会を喜ぶ。ドーラ達は時間が無い中、財宝を多少手に入れていた。

 やがてパズーとシータはドーラに別れを告けると、夕方の空に飛び去る。

(主題歌『君をのせて』井上杏美。遥か上空に浮かぶラピュタ。エンドクレジット)

(写真は「スタジオジブリ・ホームページ」「MIDb」より)