『時をかける少女』アニメ版(2006年)ネタバレの詳しいあらすじ | アンパンマン先生の映画講座

アンパンマン先生の映画講座

映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

監督:細田守 2006年  原作:筒井康隆

主な登場人物(俳優)役柄

【学校関係】

紺野真琴(仲里依紗)本作の主人公。東京の下町にある高校に通う2年生。

間宮千昭(石田卓也)真琴の男友達。高校2年の春に真琴のクラスに転校して来た。

津田功介(板倉光隆)真琴の男友達。真琴とは中学時代から親交がある。

早川友梨(垣内彩未)真琴のクラスメイトで、仲の良い女子生徒。

高瀬宋次郎(松田洋)真琴のクラスメイト。

加藤(反田孝幸)真琴のクラスメイト。高瀬をいじめる。

福島(立木文彦)真琴の学級の担任教師。担当教科は数学。

藤谷果穂(谷村美月)ボランティア部に所属する、真琴たちの下級生。

上杉盛子(横張しおり)果穂の友人で、ボランティア部所属。

野分析美(松岡そのか)果穂の友人で、ボランティア部所属。

【紺野家関係】

芳山和子(原沙知絵)真琴の叔母で原作のヒロイン。東京国立博物館で絵画の修復をしている。

真琴の父(桂歌若)真琴の父

真琴の母(安藤みどり)真琴の母

紺野美雪(関戸優希)真琴の妹で中学生。

【その他】

おばさん(山本圭子)坂道で真琴とぶつかる子連れの女性。

 

放課後、高校2年生の紺野真琴は、友人の津田功介、1学期に転校して来た間宮千昭と、野球場で野球をしていた。真琴は何か聞こえた気がしたが、他の者は気付いていなかった。真琴は昨日、妹にプリンを食べられたことを恨んでいた。功介がボールを高く打ち上げ、目覚まし時計になって真琴に落ちて来る。それは真琴の夢だった。

(タイトル『時をかける少女』。オープニングクレジット)

7月13日。寝坊して遅刻しそうになった真琴は、母に帰りに「魔女おばさん」(叔母の芳山和子)に桃を届けるように頼まれる。自転車で学校に急ぎ、坂道で加速した自転車は踏切の遮断機の前でやっと止まる。真琴は千昭と一緒に、遅刻ギリギリで学校に間に合う。先生が数学の小テストを行い、真琴は全く解けなかった。

調理実習の時間、真琴が天ぷらを揚げる時に油がはねたので、後ろに下がるとまな板にぶつかり、キャベツが跳ね上がって鍋の油の中に飛び込み、火が上がる。高瀬が消火器で消す。

昼休みに真琴が早川友梨と中庭の道を歩いていると、投げられた男子生徒の下敷きになる。小テストの結果は散々だった。掃除の時に友梨に質問され、理系か文系か悩む。

日直だった真琴は、理科準備室にノートを持ってゆく。黒板に「Time waits for no one」という文が書かれていた。準備室から物音がし、真琴が中に入ると誰もいなかった。理科準備室の床に、赤いクルミのような物を見つけた真琴が拾おうとすると、人影を見て思わずバランスを崩して倒れてしまい、左肘でクルミのような物を割ってしまう。その瞬間、真琴の体が浮き上がり、光が降って来て、水の中へ沈むような、高速で飛ぶ感覚を覚える。次の瞬間、真琴は理科準備室の中で倒れていた。

帰り道、真琴は功介と千昭に理科準備室での出来事を話すが、千昭は笑って信じない。誰もいない野球場で、3人でキャッチボールしながら、夏休みの計画を話し合う。真琴は母に用事を言われていた事を思い出して、自転車で帰る。

 真琴の自転車は商店街の坂道で加速し、買い物客の母子にぶつかりそうになる。4時になり、商店街のからくり時計が動く。自転車のブレーキが壊れていて、真琴は遮断機が降りた踏切に突っ込む。遮断機に自転車がぶつかり、真琴の体は踏切内に飛ばされ、電車がやって来る。

 気が付くと、商店街の坂道で真琴の自転車は、母と子にぶつかって転倒していた。4時になり、商店街のからくり時計が動く。踏切の遮断機が下り、電車が通過する。てっきり自分が死んだと思っていた真琴は、戸惑う。

真琴は東京国立博物館に行き、「魔女おばさん」こと叔母の芳山和子に、踏切での出来事を話す。和子は「それはタイムリープよ。時は戻らない。真琴が時間を超えて過去に戻った。」と説明する。また「私はよくある。」と教える。真琴は腑に落ちなかった。

 真琴は風呂の中で、和子が「コツさえつかめれば、またできるんじゃない」と言っていた事を思い出す。踏切に突っ込んだ事を思い出し、部屋のベッドからジャンプするが駄目。窓から飛び降りようとした所を、妹に止められる。

 真琴は、川原で猛ダッシュして川に飛び込むと、あの時の感覚になる。気付くと家に飛び込んでいた。冷蔵庫には妹に食べられる前のプリンがあった。テレビでは、今日は7月12日と報じていた。妹が帰って来てプリンを食べようとし、真琴が止める。

 気付くと、真琴は川の中に飛び込んでいた。見ていた少年が、一瞬消えたと言っていた。真琴は「タイムリープ」が出来たと確証する。

悔しかった真琴は前日にタイムリープし、妹より先にプリンを味わう。

次の7月13日、真琴はのんびり起きて来て、歩いてゆっくり登校する。遅刻ギリギリで千昭が登校すると、真琴は先に登校していた。数学の小テストの問題を全部解く。

調理実習では、高瀬と班を代わってもらう。高瀬が天ぷらを揚げる時に油がはね、後に下がるとまな板にぶつかり、キャベツが跳ね上がって鍋の油の中に飛び込み、火が上がる。消火器で消そうとした高瀬が、なかなかピンを抜けないで、周りの人に噴射する。

昼休みに学校の中庭の道を歩いていると、真琴は投げられて飛んできた男子生徒をよける。小テストは100点だった。掃除の時に友梨に理系か文系か質問され、留学が良いと答える。

放課後は功介と千昭で野球ではなく、カラオケに行く。時間が来るが、真琴は「タイムリープ」して部屋の中にジャンプして転がり、さらにカラオケを楽しむ。また時間が来るが、また真琴は「タイムリープ」して部屋の中にジャンプして転がり、さらにカラオケを楽しむ。真琴はのどが嗄れるまで、合計10時間くらいカラオケにいた。

家に帰ると夕食は筑前煮で、真琴は鉄板焼きが良いと駄々をこねる。母は、一昨日食べたばかりだとたしなめる。真琴は一昨日に「タイムリープ」し、鉄板焼きを楽しむ。

放課後野球場で、真琴は功介と千昭と野球をする。真琴は「タイムリープ」して打球を全て捕球する。打者の時は、全ての球のコースを読んで打つ。

真琴はいつも相談に乗ってもらっている和子に、奮発してケーキを持って行く。真琴は「小遣いが無くなれば、また小遣い日に戻ればいい。行ったり来たりし放題。ゆっくり寝られるし、忘れ物しても取りに行かなくて済むし、食い放題は90分だけじゃないし」と「タイムリープ」が出来る事を喜ぶ。

和子は「大した事に使ってないみたい」と安心し、「真琴が良い目を見ている分、悪い目を見ている人が居るんじゃないの?」と聞く。真琴は「何があっても大丈夫。また戻ればいい」と言う。

ある放課後、真琴と功介と千昭が一緒にいると、功介がボランティア部の後輩の藤谷果穂に呼び止められる。真琴と千昭が先に野球をしていると、功介が来て「紺野先輩と付き合っているのか?と聞かれ、違うと答えたら、告られた。でも断った」と教える。

功介と帰り道の交差点で別れた後、真琴は千昭の自転車に乗せてもらい、夕暮れの土手を走る。真琴は「功介に彼女が出来たら、野球できなくなる。ずっと3人でいられる気がしていたんだ。遅刻して功介に怒られて、球が取れなくて千昭になめられて」と話す。

千昭が「真琴、俺と付き合えば?」と提案する。それを聞いた真琴は怒る。不意に千昭から告白されて動揺した真琴は、タイムリープして逃げる。

真琴は帰り道の交差点に戻る。また真琴は千昭の自転車に乗せてもらい、夕暮れの土手を走る。千昭が「真琴、俺と付き合えば?」と提案する。それを聞いた真琴はまたタイムリープする。

 また真琴は、千昭の自転車に乗せてもらい、夕暮れの土手を走る。今度は真琴が妹の話をしようとするが、千昭が「真琴、俺と付き合えば?」と提案する。

 また真琴は、帰り道の交差点に戻る。真琴は一人で歩いて帰る。

博物館で仕事をしながら和子は真琴に「真琴は千昭君が好きだと思っていた。千昭はやんちゃだから私が付いていてあげなくちゃ、と言っていた。どうして無かった事にするの?付き合えばいいのに」と話す。真琴は「無理。千昭が友達以上になっている事を、全然想像できない」と話す。和子は「千昭君、可哀そう。せっかく思いを伝えたのに。でも本人は気付いてすらいないのか」と言う。

昼休み、友梨が真琴に、千昭の事を色々質問する。消火器の腹いせで、高瀬が加藤達男子生徒に水を掛けられて虐められていた。千昭が水道を止めてやめさせる。真琴は、千昭によそよそしくする。高瀬は、天ぷらを揚げさせた真琴のせいだ、と八つ当たりする。千昭は高瀬にズックを投げて止めさせる。真琴はその場から去り、千昭と友梨が仲良く話す。

学校で真琴は千昭を避ける。放課後、功介と千昭が野球場に行くが、真琴はいない。千昭は真琴が自分を避ける理由が分からず、苛立つ。千昭は誰かに携帯で電話する。

家にいた真琴に友梨から「凄く良い事があった」とメールが届く。真琴が「教えて?」と質問するが、返信はなかった。

次の日の昼休み、真琴が友梨を昼食に誘うが、友梨は断る。友梨は千昭を昼食に誘っていた。高瀬が虐められた男子生徒に、消火器を噴射していた。真琴が止めるが、高瀬は原因を作った真琴に消火器を投げつける。千昭が飛んできた消火器から真琴を庇う。

真琴はタイムリープし、千昭を押し倒して消火器が当たるのを防ぐ。しかし落ちた消火器は床にバウンドして、友梨の肩に当たって怪我する。

保健室で肩の手当てを受けた友梨が「傷が残ったらどうしよう」と心配する。真琴は「私がどうにかする」と話す。千昭が保健室にやって来て、友梨の怪我を心配する。真琴は保健室から出て行く。

放課後、3人で野球をしていると、千昭は友梨との最初のデートでナイターを見に行くと言う。3人で行くつもりだった真琴は動揺する。

落ち込んで家に戻った真琴は、夕食をやけ食いする。風呂で「私に好きだと言ったくせに」と怒る。真琴は左肘に「90」の数字を見つける。

放課後の教室で、千昭と友梨が楽しそうに話していた。野球場で真琴と功介がキャッチボールをしているのを見て、功介に告白して振られた藤谷果穂と友人が「いっぱい食わされたわね」とがっかりする。

キャッチボールしながら功介は「千昭は真琴に振られたから友梨と付き合っているのでは?」と聞くが、真琴は「振っていない」と否定する。「功介も彼女を作ったら」と言うと、「俺が彼女を作ったら、千昭が一人になる」と言う。その意味を真琴が気付く。

和子は「真琴は功介を好きだと思っていた。いつも真琴を助けてくれる」と話すと、真琴は「誰にでもそうだ」と答える。和子は「付き合っちゃえば。上手くいかなかったら元に戻せばいい」と話す。真琴は「絶対にしない。人の気持ちをもてあそぶなんて」と断わる。和子は、いままで過去に戻ってやりたい放題だった真琴に呆れる。真琴は「やっぱり魔女だ」と呟く。和子が修復していた絵が展示されていた。和子は「なんだか緩やかな気分になる不思議な絵」と話す。この絵が描かれたのは何百年も前の、大戦争と飢饉の時代だと教える。

進路希望調査を出していないのは真琴だけだった。真琴の腕の数字は「50」に減っていた。功介に振られた果穂の友人二人が、真琴に「功介先輩と付き合っているのですか?」詰め寄る。

果穂は「中学校の頃、祖母が入っている老人ホームにボランティア部の生徒がやって来た。祖母は優しい男子生徒をとても気に入って、果穂に何度も話すので、果穂もその男子生徒を好きになった。高校に入って、その男子生徒が功介だと知った」と話す。友人は「果穂は引っ込み思案で、先日の告白までこぎつけたが、功介は「普段馬鹿だと思っていや奴が、俺より良い点を取りやがった。俺もうかうかしていられない」と断った」と言う。友人は「その時、功介は真琴と付き合っていないと言ったのに、最近何ですか。話が違うじゃないですか」と詰め寄る。真琴は「私が何とかする」と約束する。

真琴は階段を駆け上がってジャンプして、タイムリープする。果穂が功介に告白しようとする所に真琴が現れ「果穂のおばあちゃんが、老人ホームで功介に世話になったので感謝している」と言って、2人を取り持とうとする。果穂は、何で祖母を知っているのか驚き、失敗する。

真琴は再び、階段を掛け上がってジャンプして、タイムリープする。果穂が功介に告白しようとする所に真琴が現れ「私の成績と、果穂が功介を好きなのは別」と話す。果穂は恥ずかしがって走り去り、失敗する。

もっと根本的な事から始めなければと、真琴はプールの高飛び込み台の上からジャンプする。真琴は7月13日の朝にタイムリープする。数学の小テストで、真琴は寝る。昼休み、真琴は果穂と友人二人を中庭の木の下に座らせ、功介を呼んでくる。投げられた男子生徒が功介に当たり、果穂が功介の下敷きになる。足をくじいた果穂を功介が保健室に運ぶ。果穂の友人二人と真琴は、この展開に満足する。真琴の腕の数字が「01」に減っていた。

放課後、真琴は理科準備室にこっそり入り、謎の人物を待つ。理科準備室に入って来たのは、真琴の代わりにノートを持ってきた友梨だった。真琴は友梨に、誰かとすれ違わなかったか聞く。

真琴の携帯に功介から「告られた。自転車を借りる」とメールが来る。その日、自転車のブレーキが壊れていた事に気付き、真琴は慌てて功介を探しに行く。友梨は千昭とすれ違ったと言うが、真琴に聞こえていなかった。功介は捻挫した果穂を真琴の自転車に乗せ、父の病院に向かう。真琴が功介に電話すると、功介は父と話し中だった。真琴は遮断機が下りた踏切に走るが、何も起こらなかった。

そこへ千昭から真琴の携帯に電話があり、功介は家に帰ったと教え、野球場で待つと言う。千昭は「真琴、お前に聞きたい事があるんだけど、お前、タイムリープしてるだろう?」と質問する。はっとした真琴は最後のタイムリープを使って質問の前に戻り、話題を変える。千昭は質問を止める。なぜ千昭がタイムリープを知っているのか、真琴は疑問を持つ。腕の数字は「0」になり、タイムリープの残り回数を表していたと確信し、つまらない事に使ったと後悔する。

 ほっとした真琴の真横を、自転車に乗った功介と果穂が坂道を降りて行く。真琴は必死で二人を追いかけるが、買い物客の女の人にぶつかる。時計は4時になり、遮断機が下りた踏切に電車が近づく。功介の名前を叫びながら自転車を追い、真琴は転んでけがする。自転車は遮断機に衝突し、2人は踏切内に投げ出され、電車が迫る。

 真琴は「止まれ、止まれ、止まれ、止まれ」と叫び続けるが、タイムリープを使い切った真琴には止められない。真琴が気付くと、周りの時間が止まっていた。時間が止まっている中で「やっぱり真琴か」と千昭が話しかける。功介は家だと言って、千昭は真琴の壊れた自転車を押していた。「千昭も飛べるの?」と聞くと「俺、未来から来たって言ったら、笑う?」と答える。

時間が止まった空間の中で、千昭は「俺の時代では、自由に時間を行き来できる装置が開発されている。」と言って、赤いクルミのような物を見せ「身体にチャージして使う」と教える。千昭は「その装置でこの時代にやって来たが、どこかに落とした。探し回って理科準備室で見つけたら、使用済みだった。悪用されてはと心配だった。自分の時代では焼失した、どうしても見たい絵があった。もう意味がない」と話す。その絵は、和子が修復中の絵だった。千昭は「功介が乗るはずだった自転車を取ってきたために、チャージされていた最後の1回を使い、自分の時代に戻れなくなった」と話す。

真琴は「何で使っちゃったの」と聞くと、千昭は「功介と彼女は、あの踏切で1回死んでいる。真琴は責任感じて泣きわめくし、こうするしかなかった。お前達と一緒にいるのが楽しくて、いつの間にか夏になった」。さらに「自然や、人が沢山いる事を初めて見た」と話す。

真琴は、あの絵と千昭が住んでいた時代の関係を聞く。真琴は、あの絵はもう少しで直るので、3人で観に行こうと誘う。千昭は「明日から姿を消す。過去の住人にタイムリープの存在を知らせてはいけないルールを破った。だからお前とはもう会えない」と言って、人ごみの中に姿を消す。時間が動く。

次の日、真琴が学校に行くと、千昭は自主退学していた。級友が様々な悪い噂を話し、友梨は泣いていた。功介も噂を否定する。中庭で功介は真琴に「真琴にも一言も無しかよ。真琴の事好きだったくせに」と言う。真琴が「千昭がそう言った?」と聞くと、「見ていて分かった。千昭はそういう事、苦手なので、言い出せなかったんじゃないのかな」と話す。真琴は「私は最低だ。人が大事な事を話しているのに、それを無かった事にして」と泣く。真琴は階段を駆け上がり、屋上で大声で泣く。

 真琴が和子の所に行く。和子は「真琴は功介とも千昭とも、友達のままだと思っていた。付き合わないうちに卒業して、いつか全然別な人と付き合うと思っていた。」という。真琴も「昨日まではそう思っていた」と言う。和子も「高校の時に初めて人を好きになったが、大人になる前に駄目になった。いつか戻って来ると言っていたけど、こんなに時間がたった」と話す。そして「待ち合わせに遅れてきた人がいたら、走って迎えに行くのがあなたでしょ」と諭す。

 家で真琴は夕食も、スイカも食べなかった。妹は父に、失恋したと教える。真琴がベッドの上で考え事していると、腕の数字が「01」に戻っていた。千昭が時間を元に戻したので、真琴が最後の1回のタイムリープを使う前に戻ったと気づく。千昭も同じだと思い、坂道を駆け下りてジャンプし、時間が戻る事を強く願う。

彼女は時の異次元に飛び込み、千昭と功介との過去を思い出す。真琴は初めにタイムリープをした理科準備室へ戻る。赤いクルミのような装置が落ちていた。

 理科室にやってきた友梨に千昭の事を聞かれ、真琴は黒板に書かれた「Time waits for no one」を見ながら、「千昭が好きだ」と伝える。友梨も「そうだと思った」と答える。友梨は、千昭とすれ違ったと教える。

 グラウンドで待っていた功介が真琴に、千昭は先に野球場に行ったと教える。真琴は功介に、木の下にいる果穂と2人の友人も野球に誘うように頼む。また、自転車の自転車を使ったら罰金5000円だと言う。真琴は野球場にいる千昭の元へ走る。

 真琴は野球場で待っていた千昭に、功介は来ないと伝え、理科準備室で拾った赤いクルミのような装置を見せる。真琴は未来の千昭から聞いた全てを話す。真琴は千昭の腕の数字を見て、タイムリープがまだ1回残っている事を確認して安心する。千昭は何で未来の自分が話したのか、嘆く。

 その日、踏切で事故は起きなかった。真琴は帰り道の川原で、千昭が見たかった絵画を千昭の時代にも残っているように何とかすると約束する。千昭は「帰らなければならないのに、いつの間にか夏になった。お前達といるのが楽しくて」と話す。真琴は「そんな言い方していなかった」と言い、千昭は「俺が何と言ったか教えろ」と言う。少年たちが2人を「カップルだ。熱いね」と冷やかす。

 千昭は、功介に挨拶無しに姿を消す事を詫びるように、真琴に頼む。千昭は「注意力が足りないので、怪我するな」と注意する。告白を期待していた真琴は怒る。千昭の姿が消えて真琴が泣いていると、千昭が真琴をそっと抱き寄せ「未来で、待っている」と囁く。真琴は「すぐ行く。走って行く」と笑顔で千昭を見送る。

翌日、千昭は留学を理由に高校を退学していた。功介は千昭が急にいなくなった事に不満だった。果穂と2人の友人も一緒に野球をしていた。真琴は「やりたいことが決まったんだよ」話し、「私もこれからやることが決まった」と、青い空に伸びる入道雲を見上げる。

 (タイトル『時をかける少女』。エンドクレジット。主題歌『ガーネット』奥華子)

(写真は「IMDb」「映画com」より)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ABEMAプレミアム