『鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成』ネタバレの感想 脚本に難があるが上手く最後までまとめた | アンパンマン先生の映画講座

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映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

 評価 4/5 ☆☆☆☆★

 前作『復讐者スカー』の公開から1か月後に続編で最終作の『最後の錬成』が見られるとは嬉しい。「ソラリス」で鑑賞した。

 原作では前半から登場していたイズミ・カーティスが、3作目にしてやっと登場したのは嬉しい。ただし時間の都合上、幼いエドとアルが、イズミに特訓される場面は全てカットされたのは残念。実写版では終盤でエドが「真理」の答えを見つけた時に「一は全、全は一」と言っていたけど、幼いエドとアルが特訓で、世の中の真実を悟った時に言った言葉である。名言なので使いたかったのだろうが、この場面に合わないと思った。

 それ以外でも、原作の台詞を入れながら、上手く物語をまとめていると思う。アルの肉体を取り戻す場面は、原作のイメージ通りだった。最後にウィンディへのプロポーズをしたエドが列車に乗り込む場面で、エドの絵が切り取られるが、原作の絵そっくりで凝っていると思った。

 後半の山場の1つである、ブリッグズの北壁の要塞が実写で見られたのは嬉しい。最近の日本映画でもCGが発達し、ブリッグズの北壁の戦闘場面は迫力あった。また、栗山千明は美人だが力強さを感じさせ、オリヴィエ・ミラ・アームストロング少将役にぴったりだと感心した。エドのオートメイルが寒冷地仕様じゃないので上手く動かない話がないので、ウィンディの登場が唐突に思えた。また、ブリッグズの北壁の場面は意外に短かった。原作では地下トンネルのプライドが怖かったが、登場しないのが残念。

 森の中でプライドが登場するが、実写版では意外に弱いのも残念である。

また人形兵が出てくるの?またマスタングがヒューズの仇であるエンヴィーを焼く話が出てくるの?第1作でやったので、要らない気がする。

 原作では目を持っていかれたマスタングに、賢者の石を持ったドクター・マルコーが目を治すと約束する。映画では第1作でドクター・マルコーを殺したので、マスタングの目はどうなるのだろう?

第1作目を制作した時には、続編が作られるか分からなかったので、賢者の石を中心に話を通ったので、あのストーリーになったのだろう。ところが続編の第2作、第3作が製作されると、このように第1作での脚本のひずみが、第2・3作にさまざま出ている気がする。最初から3部作にして、脚本を整理すれば良かったのに、と悔やまれる。

 ともあれ、2017年の第1作から5年越しで、『鋼の錬金術師』3部作が終わってしまった。上手くまとめたとは思うが、脚本に難があるのが一番の問題なので、話に矛盾が無いように、上手く再編集して再公開してくれないだろうか。

 また、日本人俳優を起用したので、コスプレ映画と言う批判もあるが、外国人俳優を使っても原作そっくりになるとは思えず、親近感もないだろう。また字幕版にしたら観客動員数が減るだろうし、吹替版にしても違和感があるだろう。イメージに近い日本人俳優(アームストロング少佐を除く)で制作したのは、最良の選択だと思う。名作漫画を実写化した価値はあったと思う。評価は「4」である。

なお、今後、原作漫画との詳しい比較を行うつもりである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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