『魔女の宅急便』ネタバレの詳しいあらすじ | アンパンマン先生の映画講座

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映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

監督:宮崎駿  1989年

主な登場人物(声優)役柄

キキ(高山みなみ)魔女のコキリと人間のオキノの間に生まれた一人娘。13歳。

コキリ(信沢三恵子)キキの母親。魔女。

オキノ(三浦浩一)キキの父親。妖精や魔女についての伝説や民話を研究している民俗学者。

ジジ(佐久間レイ)キキの猫。

ウルスラ(高山みなみ)画学生。18歳。

おソノ(戸田恵子)パン屋のおかみさん。

トンボ(山口勝平)本名コポリ。飛行クラブに入っている少年。13歳。

老婦人(加藤治子)孫娘の誕生祝に温かい料理を届けてもらおうと、キキに仕事を頼む。

ドーラ(斉藤昌)コキリの客。

ケット(渕崎ゆり子)キキが荷物を届けた家の男の子。

 

 少女キキが海岸の草原に寝転んでラジオの天気予報を聞いていると、「素晴らしい満月の夜になるでしょう」と告げる。家に帰ると、母のコキリに「出発は今夜にする」と伝える。1月伸ばすと聞いていたコキリは驚くが、キキは晴れの日に出発したいと言う。

 コキリは客のドーラに、魔女になる子は13歳になったら家を出ると言う、古いしきたりだと話す。コキリも13歳の時に、箒に乗ってこの街にやって来たのを覚えている、とドーラは語る。

 キキは急いで旅立ちの荷物を準備するが、猫のジジは、旅立ちはもっと慎重に厳かに行うものだと、苦言を言う。

 家に帰って来た父親のオキノに、キキは今夜旅立つことに決めたと話す。オキノは知り合いに「今夜、立つことになった」と電話する。キキは母が作った魔女の服に着替える。コキリは「いつも笑顔を忘れずに」と教える。

オキノはキキに「上手くいかなかったら帰ってきて良い」と話す。

 その夜、沢山の友達や知り合いが、キキの旅立ちの見送りに来た。キキは「よその町で1年頑張らないと、魔女になれない」と友達に教える。皆が見送る中、キキはコキリの箒を貰って飛ぶ。

 キキは南の海が見える街を目指して飛ぶ。キキはジジにラジオを付けてもらう。

 (タイトル『魔女の宅急便』。挿入歌・荒井(松任谷)由美『ルージュの伝言』。オープニングクレジット。)

 キキは途中で空を飛んでいる先輩魔女を見つけて苦労を尋ねると「知らない街でも占いができるので、まあまあやっている」と言う。キキには特技が無かった。

 急に嵐になり、キキは雨が止むまで貨物列車の貨車の中で雨宿りする。キキは干し草の中で眠る。そのうちに列車が出発する。朝、キキが目覚めると、干し草の下は牛がいた。

 列車は海辺の大きな町に着く。列車から飛び立ったキキは、この町に住む事にする。キキが時計台守の老人に尋ねると、この街には魔女がいないそうだ。キキが町を飛んでいると、二階建てバスや自動車に衝突しそうになる。キキは町の人に挨拶するが、相手にされない。警察官が来て、交通規則を守らなければならないと言って、キキの連絡先を聞く。

 すると「泥棒!」の声が聞こえ、警察官はそちらに向かう。その隙にキキは逃げる。自転車に乗った少年トンボが来て、さっきの「泥棒!」の声はキキを助けるために言ったと教える。トンボはキキに話しかけるが、キキは無視して飛んで行く。

 キキはホテルに行くが、未成年者は泊まれない。夕方近くになり、キキは公園の噴水の前で落ち込む。キキが街を歩き、高台の手すりの前で途方に暮れる。すると、近くのパン屋のおかみさんのおソノが遠くを歩く客の母親に、赤ん坊のオシャブリを忘れたと叫ぶが、母親には聞こえず去って行く。キキはそれを届けると申し出て、箒に乗って飛び、母親に届ける。

 店に戻ったキキは、受け取ったと言う手紙をおソノに渡す。おソノはキキを気に入り、お礼にキキにはコーヒー、ジジにはミルクをご馳走する。泊まる所がないキキに、家の空き部屋に泊まるように誘う。キキたちは埃だらけの屋根裏部屋に泊まる。他所の町を探すかと言うジジに、キキはこの町で頑張ると言う。

 翌朝、目覚めたキキはトイレに行くと、主人は仕事を始めていた。キキは手持ち金を数え、ジジに電話を引いて仕事を始めると話す。パン屋の仕事を手伝いながら、キキはおソノに、空を飛ぶしか能がないので宅急便を始めると話す。おソノは感心し、店の電話を使うように言い、店番を手伝うなら、部屋代と電話代は無しで、朝ご飯付きにすると言う。キキは感謝する。

 キキは店番や部屋の掃除をする。その後、町の店で食料品や日用品の買い物をすると、金は残り少なくなる。

 キキはショーウィンドウの赤い靴に見とれる。友達の車に乗ったトンボが車を止めさせ、キキに「魔女っ子さん」と話しかける。キキは怒って走り去る。

 キキがおソノの店に帰ると、届け物を頼みたい客がいると、おソノが知らせる。美人の女性が甥の誕生日のプレゼントに、籠に入ったジジそっくりの黒猫の縫いぐるみを夕方まで届けて欲しいと言う。女性は届け先を地図で教え、配達料を払う。キキは大金を貰って喜ぶ。

 トンボは空を飛んで配達に行くキキを見つけ、自転車で追う。キキは空高く上り、地図で確認して岬の向こうを目指す。キキは「この街が気に入った。これでお母さんに手紙を書ける」と喜ぶ。途中で雁の群れに出会う。突風が吹き、あおられたキキは届け物の籠を森に落とす。カラスの巣に落ちた籠は拾ったが、中の縫いぐるみが無くなっていた。

 キキはカラスの巣に戻るが、卵泥棒だと思ったカラスたちに襲われ、縫いぐるみを探しに行けない。陽が沈んでから、探す他にない。約束の時間に遅れるので、最後の手段で、ジジが縫いぐるみの身代わりになる事にする。

 キキは目的の家に贈り物を届けると、すぐに飛び立って縫いぐるみを探しに行く。家の男の子ケットは縫いぐるみの振りをしているジジを手荒く扱う。

 キキは森の中で縫いぐるみを探す。すると、森の中の小屋の窓に縫いぐるみを見つける。家の主は画学生のウルスラで、屋根でカラスの絵を描いていた。縫いぐるみは森で拾ったものだと言って返してくれるが、縫いぐるみが破れていた。ウルスラが縫いぐるみを直す代わりに、キキが部屋の掃除をする。

 ケットの家には犬のジェフがいて、ジジがバレないかと冷や汗を流す。ジェフはジジを気にいる。

縫いぐるみの修理が終わり、キキがジジを迎えに行く。ジェフはジジをくわえて外に出ると、キキが縫いぐるみを持って待っていた。ジェフは縫いぐるみを受け取ってくわえると、家に戻る。

 おソノの店にはパン屋の主人が作った「おとどけものいたします キキ」の看板が飾られていた。店に帰って来たキキは、主人に感謝する。

 キキは店番をするが、届け物の客が来ないので退屈していた。

そこに配達依頼の電話が来て、キキは喜ぶ。店にトンボが来て、キキを飛行クラブのパーティーに招待し、6時に迎えに来ると言う。男性客が重い荷物を持って来て、キキに配達を依頼する。キキはおソノに、パーティーに招待された事を相談する。おソノは行くように勧める。

 4時。キキは重い荷物を持って、配達に飛ぶ。4時半に青い屋根の家に荷物を受け取りに行く。だが、孫に届けてもらう、老夫人の自慢料理のニシンとカボチャの包み焼きが、電気オーブンの故障でまだ出来ていなかった。キキは薪のオーブンに薪をくべて燃やし、焼き始めたのが5時。

 焼き上がるまで40分。キキは電球の交換の仕事をして待つ。ギリギリでパーティーに間に合うと思っていたが、家の時計が10分遅れていた。キキは、慌てて竈から料理を取り出し、籠に料理を入れて箒で飛ぶ。途中で強い雨が降り、キキはずぶぬれになって飛ぶ。

トンボがおソノの店にキキを迎えに行くが、まだ帰っていなかった。キキは料理を届けに行くが、届け先の孫娘に「私、このパイ嫌いなのよね」と冷たい反応をされ、落胆する。

 だいぶ待ったトンボは帰る。

 雨に降られたキキは、風邪を引き寝込む。翌朝、それを知ったおソノは、ミルク粥を作って持って来る。トンボが店に来たとおソノが教える。キキはずっと寝ていた。

 次の朝、キキは元気になり、朝食を作る。ジジは近所の猫のリリと仲良くなる。キキはおソノに頼まれて、コポリに荷物を歩いて届ける。コポリとはトンボだった。キキは約束に遅れたことを謝る。トンボは車庫に会った人力飛行機の機関部の自転車をキキに見せ、トンボがパイロットだと教える。

 トンボはその自転車にキキを乗せ、海岸に不時着した飛行船を見に行く。自動車と衝突しそうになり、自転車は空を飛ぶ。プロペラが取れて、自転車は坂を転げ、2人は投げ出される。

 2人は海岸に座って飛行船を眺めながら、トンボがキキに、初めて空を飛んだ時の感想を聞く。キキは「小さくて覚えていないけど、怖がらなかったと母さんが言っていた」と答える。キキは自信を失くしたが、海を見て元気になれそうだと話す。

 車に乗ったトンボの友達が海岸に来る。その中に、ニシンパイを届けた少女もいた。トンボは友達と一緒に飛行船の中を見学しようと誘うが、キキは怒って帰る。

 キキは歩いて疲れて家に帰る。キキは、前にもまして落ち込む。キキは魔法が弱くなり、ジジの言葉が分からなくなり、箒で空を飛べなくなる。

 夜中、ジジは坂道で、飛ぶ練習をするが、箒を壊す。

 次の日、その事をおソノに話す。飛行船がテスト飛行で空を飛び、窓からトンボが手を振っていた。

 トンボがキキに電話するが、キキは「もう電話しないで」と言って切る。キキは「魔法が無くなったら、何の取り得も無くなる」と落ち込む。キキは部屋で新しい箒を作る。

 次の日、買い出しに来たウルスラがキキを訪ねる。キキは魔法が弱くなった事を教える。ウルスラは彼女の小屋に泊まりに来るように誘い。2人はバスに乗り、さらにヒッチハイクでトラックに乗せてもらう。

 ウルスラの小屋の中には、描きかけの絵が飾られていた。絵の少女はキキがモデルだと言って、ウルスラはキキをスケッチする。魔法と同じで、ウルスラも「時々描けなくなるが、そういう時は描きまくる。それでも描けない時は、散歩したり景色を見たり昼寝したり、何もしない。そのうちに急に書きたくなる」と教える。

 夜、ウルスラは「キキくらいの歳に絵描きになろうと決心した。ある日、全然絵が描けなくなった。人の真似ではなく、自分の絵を描かなくてはと思った」と話す。「苦しかった?」とキキが聞くと「今も同じ」と答え、「そのあと少し、絵を描くことが分かった」と言う。キキは「魔法は血で飛んだって」と教える。ウルスラは「そういうの好き。神様か誰かがくれた力なんだ。お陰で苦労もするけど」と話す。悩んでいたキキは、ウルスラが来てくれたことに感謝する。

 翌朝、テレビの中継で、飛行船「自由の冒険号」は修理を終え、南極大陸への冒険の旅に出発すると、報じていた。キキは帰り路の途中で公衆電話からおソノの店に電話かかけると、この前の老婦人がまた来てくれと言っていた。

 キキが老婦人の家に行くと、先日の御礼にキキの絵が描かれたケーキをプレゼントされる。老婦人はキキの誕生日にもケーキを焼くと言い、キキは感激して涙ぐむ。

 老婦人の家でも、飛行船のテレビ中継を見ていたが、突風で飛行船のロープが切れて流される。残った1本のロープを人々が引っ張って飛行船を固定しようとするが、ロープをトンボが掴んだまま、飛行船は上昇していく。それを見たキキは、走って現場に向かう。トンボは力尽きて、だんだん下がって来る。

 キキは道路脇にいた清掃夫からデッキブラシを借りると、それにまたがって飛ぶ。キキは上手く制御出来ないデッキブラシに乗って、飛行船を追う。

 飛行船はシティータワーに衝突し、ガスが抜けて次第に倒れ、建物の屋根に落ちる。トンボはまだロープに掴まっていた。キキはデッキブラシでトンボに近づこうとするが、なかなか上手くいかない。

トンボは力尽きて落下するが、途中でキキがトンボを掴む。

キキとトンボはゆっくりと地上に降り立つ。キキとトンボは記者に囲まれ、インタビューを受ける。

 おソノに陣痛が起きる。

(エンドクレジット。主題歌・荒井(松任谷)由美『やさしさに包まれたなら』)

 人力飛行機で飛ぶトンボと並走するキキ。おソノに赤ん坊が生まれる。ジジにも子供が生まれる。箒で飛んで配達するキキ。

キキからの手紙が両親に届く。「仕事の方もなんとか軌道に乗って、少し自信がついたみたい。落ち込むこともあるけれど、私、この町が好きです」

 「おわり」

(写真は「IMDb」「スタジオジブリ公式ホームページ」より)