『キングスマン:ファースト・エージェント』ネタバレの詳しいあらすじ | アンパンマン先生の映画講座

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映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

監督:マシュー・ヴォーン  2021年

主な登場人物:コードネーム(俳優)役柄。

【オックスフォード家関係者】

オーランド・オックスフォード:アーサー(レイフ・ファインズ)英国の公爵。

エミリー・オックスフォード(アレクサンドラ・マリア・ララ)オーランドの妻でコンラッドの母。

コンラッド・オックスフォード(ハリス・ディキンソン)オーランドの息子。

ポリー・ワトキンズ:ガラハッド(ジェマ・アータートン)公爵の女執事。

ショーラ:マーリン(ジャイモン・フンスー)公爵の側近。

ジョージ5世:パージヴァル(トム・ホランダー)英国王。

米国大使:ベディヴィア(スタンリー・トゥッチ)米国大使。

アーチー・リード:ランスロット(アーロン・テイラー=ジョンソン)英国陸軍伍長。

【闇の狂団関係者】

モートン(マシュー・グード)キッチナーの側近。

グリゴリー・ラスプーチン(リス・エヴァンス)ロシアの怪僧。

マタ・ハリ(ヴァレリー・パフナー)女スパイ。

ガヴリロ・プリンツィプ(ジョエル・バズマン)セルビアのテロリスト。

ウラジーミル・レーニン(アウグスト・ディール)ロシアの革命家。

エリック・ヤン・ハヌッセン(ダニエル・ブリュール)ドイツの偽預言者。

アルフレッド・ル・デュ・ポン(トッド・ボイス)アメリカの実業家。

アドルフ・ヒトラー(ダフィット・クロス)ドイツの独裁者。

【その他】

ヴィルヘルム2世(トム・ホランダー)ドイツ皇帝。

ニコライ2世(トム・ホランダー)ロシア皇帝。

ハーバート・キッチナー(チャールズ・ダンス)英国陸軍元帥。

フェリックス・ユスポフ(アーロン・ヴォドヴォズ)コンラッドの従兄弟。ロシアの貴族。

ウッドロウ・ウィルソン(イアン・ケリー)アメリカ合衆国大統領。

 

 〔1902年、南アフリカ〕オーランド・オックスフォード公爵は、息子コンラッドと妻エミリー、執事ショーラと、馬車で捕虜収容キャンプを訪問する。オーランドはキッチナー元帥と面会を申し込み、彼の側近のモートンが迎える。

 エミリーは幼いコンラッドに「人は皆平等。人を助ける事を忘れないで」と教える。コンラッドはショーラに「父親はアーサー王で、自分はランスロット、ショーラは魔術師マーリンだ」と話す。

 エミリーがオーランドの元に行く。キッチナーを狙った銃撃が起き、オーランドが左足を撃たれ、さらに銃弾がエミリーの腹部に当たる。狙撃手をショーラがナイフで殺す。エミリーはオーランドに「あの子を守って。二度と戦争を見せないと約束して」と言い残して死ぬ。

 (オーランドが妻の遺体に掛けた背広のタグ「Kingsman」が変化してタイトル『The King’sman』に)

 〔12年後〕コンラッドはオーランドから複葉機の操縦を学び、屋敷の庭に着陸する。オーランドの書斎には、エミリーの肖像画が飾られていた。オーランドはポリー・ワトキンズを書斎に呼び「私への不満を顔に出すな」と注意する。

 コンラッドはショーラにナイフでの格闘術を叩きこまれる。ポリーは「ナイフで銃に勝てる?」と言う。

 オーランドはコンラッドを洋服店「キングスマン」に連れて行く。オーランドは、コンラッドに背広を仕立て「母がこれを見たら喜ぶだろう」と話す。さらに「英国紳士と呼ばれる者の先祖は、過去に他人の土地を略奪した無法者だった。同じ人間になってはならない」と語る。

 店に英国陸軍元帥のキッチナーと副官のモートンが来る。キッチナーはオーランドと2人きりになると「オーストリア帝国の皇位継承者フェルディナント大公の護衛をして欲しい」と頼む。

 リフトでしか登れない、高い崖の岩山の頂上のアジトで「羊飼い」が主催する「闇の狂団」の会議が開かれる。参加者はロシアの怪僧ラスプーチン、女スパイのマタ・ハリ、セルビアのテロリストのガヴリロ・プリンツィプ、ドイツの偽預言者エリック・ヤン・ハヌッセンなど。「羊飼い」は「信頼を武器に変えて、世界を征服する」と話し、各自に印付きの指輪を渡す。ラスプーチンの印は亀で、プリンツィプは熊だった。「羊飼い」はプリンツィプに、フェルディナント大公の暗殺を命令する。

 サラエボの町の通りでは、フェルディナント大公達の車列のパレードが行われていた。オーランドとコンラッドは、フェルディナント大公夫妻の車に乗り、警護に当たる。プリンツィプがフェルディナント大公に向かって手榴弾を投げるが、コンラッドが傘で打ち、後続の車の下で爆発する。

 サラエボ市庁舎でフェルディナント大公は「爆弾で歓迎された」と演説する。オーランドはコンラッドに「連れてきて悪かった」と謝る。

 暗殺に失敗したプリンツィプは、指輪から青酸カリを出して自殺しようとする。その時、病院に負傷者を見舞いに行くフェルディナント大公達の車が、目の前を通る。車は袋小路に入り、戻って来る。プリンツィプは拳銃で、車に乗ったフェルディナント大公夫妻を撃つ。

 帰りの列車でオーランドはコンラッドに「オーストラリア軍が動き、セルビア王国を攻撃するだろう」と話す。そして「昔3人の従兄弟がいた。兄はトラブルメーカーでドイツ皇帝ヴィルヘルム2世になった。2人の弟はロシア皇帝ニコライ2世、英国国王ジョージ5世になった」と教える。戦争が始まるのを心配したジョージ5世はキッチナーへ、ヴィルヘルム2世とニコライ2世への使者を頼む。

 ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世はエリック・ヤン・ハヌッセンに、幼い頃ジョージ5世とニコライ2世にいじめられていた事を思い出させられ「英国に復讐しろ。戦争を仕掛けろ」と煽られる。

ロシア皇帝ニコライ2世は、同盟国である英国のジョージ5世は共に戦ってくれるだろうと思いながら、ラスプーチンの巧みな口車に乗せられ、戦争から手を引こうとする。

 キッチナーはオーランドに「英国国王ジョージ5世の言葉を、ドイツとロシアの両皇帝は無視している」と報告する。

 西部戦線では、多数の英国陸軍兵士が塹壕から出て突撃するが、ドイツ軍の銃撃に遭って全滅する。 「わずか2年でヨーロッパのいたる所が戦場になり、資源が枯渇した。ジョージ5世(英国)とニコライ2世(ロシア帝国)対ヴィルヘルム2世(ドイツ帝国)の戦争になると思われたが、ラスプーチンの準備でニコライ2世は戦争から手を引き、ヴィルヘルム2世はジョージ5世の死に集中できるようになった」

 コンラッドは兵隊に志願するとオーランドに話す。オーランドは「若すぎる」と認めない。コンラッドは臆病者の印の羽根を貰ったと見せる。オーランドは昔、戦争参加して貰ったビクトリア勲章を見せ「戦争で人を殺して苦しい想いをした。弱虫と見られても、平和主義の方がいい」と話す。

 ラスプーチンはニコライ2世の息子に、毒入りの菓子を食べさせる。ラスプーチンは「倒れた息子を助けたければ、ドイツに侵攻しないと約束せよ」と言って息子をまじないで治したと見せ、ニコライ2世は約束する。

 それを見ていた、コンラッドの従兄弟でロシア貴族のフェリックス・ユスポフは、コンラッドに「ラスプーチンという怪僧が皇帝ニコライ2世を操っている。君の父の助けが欲しい」と手紙を送る。

 コンラッドがキッチナーにその手紙を見せる。側近のモートンは「直接ロシアに行った方がいい」と助言する。オーランドは反対し、コンラッドを連れ帰る。

 キッチナーとモートンが船でロシアに向かう。モートンが船酔いし、外の空気を吸いに甲板に出る。船は「羊飼い」が乗ったドイツの潜水艦の魚雷によって、撃沈される。

 コンラッドは、キッチナー死亡の新聞をオーランドに見せ、偶然ではないと言う。キッチナーはオーランドに「コンラッドはもう一人前だ。彼を危険にさらさないように」と手紙を書いていた。コンラッドはオーランドに「このままだと戦争が起こる」と怒る。

 オーランドはコンラッドを書斎に連れて行くと、本棚の隠し扉を開け、奥の隠し部屋に連れて行く。そこにはポリーとショーラがいて、コンラッドを歓迎する。オーランドが「政府に任せておけないので、我々が何かしようと思った。人々に知られない戦いをしている。ポリーとショーラを中心に、世界中の使用人のネットワークを作り、情報を集める諜報機関を独自に作った」と説明する。

 オーランドは、捕まったプリンツィプが警官に拷問されているのを助け「なぜ友人を殺した?」と尋ねると「赤いストールの女に言われた」と答えた。さらに、彼の指輪に、アーモンド臭の青酸カリの臭いがして、熊の印があったと教える。ポリーは「ロシア皇帝のメイドの情報で、ラスプーチンは同様の指輪を持っているが、印は亀だ」と教える。オーランドは「直ぐロシアに行かなければ」と言い、ショーラは「ラスプーチン1人死ねば、100万人の命に代えられる」と言う。オーランドは「妻への誓いを守るため、自分の誓いを破る。ラスプーチンを殺す」と誓う。

 列車にオーランド、ポリー、ショーラ、コンラッドの4人が乗り、ロシアに向かう。ポリーは「ラスプーチンが出席する、従兄弟のクリスマス・パーティに出る。ラスプーチンは甘いケーキと若い男が好き」と教える。ショーラはコンラッドがラスプーチンの相手をするように言う。オーランドはポリーに、毒入りタルトを作るように指示する。

 オーランドはコンラッドに拳銃を渡す。会場に2人の美女を連れたラスプーチンが来る。ラスプーチンはオーランドに「英国の給仕か。飲み物を持ってこい」と馬鹿にする。オーランドもラスプーチンに「バレエダンサーか。踊りながら飲み物を持ってこい」と言い返す。ラスプーチンが「なぜ遠くから来た?」と尋ねると、オーランドは「皇帝に合わせてくれる人を探している」と答える。

 食事会で向かい側の席のラスプーチンにコンラッドが「ロシアではどんな楽しみがある?」と聞くと、ラスプーチンは「食事、音楽、バレエ、芸術。そして炎のようなファック」と答え、父と席を替わるように言う。席を替わったオーランドにラスプーチンは、オーランドの足の怪我を治すと言う。

 誰もいない部屋に入ったラスプーチンは、オーランドにズボンを脱ぐように言う。部屋の外から、コンラッドとショーラが様子をうかがう。ラスプーチンはテーブルの上のタルトに食いつく。

 ラスプーチンは「血のめぐりを良くする」と言って、オーランドの足をマッサージながら催眠術を掛け「なぜ皇帝に会いたい?」と質問する。オーランドは「戦争を助けて欲しい」と答える。さらに「その理由は?」と聞かれ、オーランドは「お前を殺したい」と答える。

 ラスプーチンが吐く。オーランドの足が治っていた。ラスプーチンは部屋の外扉を開け、池の氷を割って、オーランドに池に入って足を冷やすように言う。ラスプーチンは「ケーキにアーモンド臭がして、青酸カリが入っていると知った。訓練して青酸カリに耐性がある」と教え、オーランドを冷たい水に沈めて殺そうとする。

 騒ぎを聞いたコンラッドとショーラが、ドアを蹴破って部屋に入る。ショーラが剣を抜いて攻撃すると、ラスプーチンは踊るように回転しながらナイフで戦う。その間にコンラッドがオーランドを助ける。ラスプーチンがショーラに剣を振り下ろそうとしたとき、コンラッドが拳銃を撃って剣をはじく。ラスプーチンがコンラッドを襲う。オーランドが剣でラスプーチンを突き刺し、池に沈めて殺す。オーランドはコンラッドに「お前に命を救われた」と感謝する。

 ところがラスプーチンは死んでおらず、剣を持って2人に向かって来る。ラスプーチンの額をポリーが銃で撃ち「男ってだらしないね」と言う。

 岩山のアジトで、ラスプーチンの死を知った「羊飼い」が怒って、山羊の片方の角を切り落とす。ラスプーチンの代わりにウラジーミル・レーニンを入会させる。

 帰りの列車で、ポリーが作ったケーキでコンラッドの誕生日を祝う。コンラッドが「19才になったので、軍に入隊する」と言うと、オーランドは反対する。

 コンラッドはバイクで家を出て、陸軍に入隊する。

 ドイツの城の中で、ハヌッセンがヴィルヘルム2世に手紙を見せ「これを送れば戦争に勝てる」と言う。ヴィルヘルム2世はアルトゥール・ツィンメルマンに「最高レベルの暗号で打て」と命令する。

 〔英国海軍情報部〕その通信を傍受した軍は、沢山の職員に暗号を解読するように命じる。職員にお茶を運んで来たメイドが、ティーポットに仕込んだカメラで暗号文を撮影する。それを別のメイドがオーランドの元に持って来る。オーランドはポリーに解読を命じるが、ポリーは暗号解読にはもっと情報が必要だと言う。

 陸軍に入隊したコンラッドは、厳しい訓練を受ける。

 ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世は、暗号解読盤を見ながら電話で「8はZだったかRだったか?」と質問する。その会話を執事が、ティーポットに仕掛けた録音機で録音する。

 コンラッドは軍隊の訓練を終了し、「キングスマン」で新しい軍服を着て写真を撮る。

 録音が伝書鳩でショーラに届く。「8はZ」と話す録音を聞いたポリーは、ついに暗号解読に成功する。ポリーはオーランドに解読した文章を見せる。ドイツがメキシコへ送った「アメリカが参戦したら、ドイツとメキシコで対米同盟を結びたい」と言う電報だった。オーランドは「米国大統領が見たら、参戦する。戦争が終わる」と喜ぶ。

 オーランドは解読した暗号文を、英国国王ジョージ5世に見せる。ジョージ5世は「君は暗号を解読して、多くの人を救った」と喜び、2人で乾杯する。

 米国大統領にその解読文が伝えられるが、大統領は「これが本物だと言う証拠は?」と疑う。

 〔西部戦線、司令部〕コンラッドにロンドンに戻るようにと命令が伝えられる。コンラッドはリード伍長を呼ぶ。

 オックスフォード家にリード伍長が来て、ショーラに「コンラッドの使いのデュークだ。君はマーリンだね。ランスロットからアーサー王に伝言がある」と伝える。

 オーランドは「米国大統領は電報が本物か疑い、参戦せず」の新聞記事を見ていら立ち、ポリーに、メイドからの情報を調べるように命ずる。

 ショーラがオーランドに「ランスロットからアーサー王に伝言がある」と伝える。リードがコンラッドからの手紙をオーランドに渡す。それには「僕を策略でロンドンに戻そうとした。僕も策略で、リードと入れ替わった。明日、前線に出る」と書いてあり、詩が添えられてあった。

 コンラッドは最前線の塹壕に入る。英国旗を持ったドイツ兵のスパイが、英国軍の塹壕に向かって走って来る。英国軍が援護射撃するが、スパイは途中でドイツ軍に撃たれて倒れる。英国軍の士官が、スパイの回収に6人の兵士を送ると言う。コンラッドは志願する。

 その夜、コンラッドら6人の英国兵が塹壕を出て、スパイの死体へ向かう。途中で同じ目的のドイツ兵と遭遇する。銃声がすると、お互いの軍の塹壕から銃撃されるので、英国兵はナイフで、ドイツ兵はハンマーや刃物で戦う。コンラッドも自分が殺されそうになり、若いドイツ兵を殺す。コンラッドを救おうとして、仲間がドイツ兵を撃つ。その途端、照明弾が上がり、コンラッドは双方から銃撃を受け、爆弾が開けた穴に飛び込む。

 穴の中には探していた、片足を失ったスパイがいて「これを持って司令部に届ければ、戦争が終わる。私は歩けないのでお前が英雄になれ」と小箱を渡す。

 朝日が昇ると、コンラッドはスパイを担いで英国軍の塹壕へ歩く。それを見つけたドイツ軍がコンラッド逹を射撃し、英国軍が援護射撃する。塹壕の直前で爆弾が落ち、コンラッドとスパイは塹壕の中に飛ばされる。スパイは死んでいた。コンラッドは小箱を司令部に届けたいと言い、アーチー・リードと名乗る。ところがリードの友人が「お前はアーチーじゃない。ドイツのスパイめ」と額を撃ち、コンラッドは死亡する。

 オーランドに息子が戦死したと知らせが届く。オーランドは妻の名を呼んで泣き叫ぶ。

 コンラッドの葬式が教会で行われ、オーランドは「国のために命を捧げる事は美しい、と言うのは嘘だ」と言葉を捧げる。

 ニコライ2世とその子孫は、ロマノフロシア皇帝の座を永遠に捨てると宣誓する。レーニンがその宣言を民衆に見せ、ロシア革命が完了する。

 悲しむオーランドにポリーが「コンラッドが届けたのは暗号の手書きの原稿で、米国は参戦し、戦争は終わる」と慰める。

 岩山の上のアジトで「羊飼い」が剣の訓練をしていると、ハヌッセンとマタ・ハリが来て「ロシアとアメリカの計画が失敗した」と知らせる。「羊飼い」は「デュボンの手引きで、米国大統領にハニートラップを掛けろ」と命じる。「羊飼い」は剣に仕込んだ銃で、練習相手を殺す。

 コンラッドを失ったオーランドは、酒に溺れていた。ポリーが「濃いお茶を飲んで酔いを醒まして」と頼むが、オーランドは拒否する。ジョージ5世が来て「米国大統領は参戦しない」と教え、コンラッドへ勲章を置いていく。

 ポリーは「憐れむのはいい加減にして。息子の代わりにあなたが戦って。執事を辞めさせてもらう」と言って、オーランドにキスする。その言葉に目覚めたオーランドは「辞めるのは認めない。濃いお茶を入れてくれ」と頼む。

 オーランドは髭を剃り、背広に着替えて秘密の部屋に行くと、ポリーとショーラが待っていた。ポリーはホワイトハウスを探っていると報告する。大統領は何かに慌て、ロンドンの大使館に電話していた。メイドが盗み聞きすると、ロンドンの米国大使館に面会者が来る事が分かる。

 そこで、オーランドがロンドンの米国大使館に行き、秘書に大使への面会を申し込む。部屋のコート掛けに赤いストールが掛けてあった。プリンツィプが「なぜ友人を殺した?」と聞かれ、「赤ストールの若い女性に言われた」と言った事を思い出す。

 大使の部屋からマタ・ハリが出て来て「私のストールよ」と言う。オーランドは「最高級のカシミヤの品質をどうやって見る?」と尋ねる。マタ・ハリが「指輪に通す」と言って、胸にかけていた指輪を見せると、ナイフで襲って来る。オーランドは傘で対抗し、ストールでマタ・ハリの首を絞め「黒幕が誰か言え」と脅す。マタ・ハリは答えず、オーランドは彼女を絞め殺す。

 マタ・ハリの死を知った米国大使がオーランドに映像を見せ「アメリカ大統領が、マタ・ハリに誘惑された映像を撮影され、大統領は「羊飼い」に逆らえない」と教える。

 オーランドはマタ・ハリのストールを持って「キングスマン」に行き、最高級のカシミヤの産地を聞く。それは切り立った岩山だった。

 その岩山の麓でオーランド、ショーラ、ポリーが偵察する。岩山の頂上へはリフトでしか行けず、上下のリフト小屋を手下が守っており、突破は不可能と思われた。そこでオーランドは自分が飛行機を操縦し、ショーラがパラシュートで飛び降り、上のリフト小屋を制圧して合図する作戦を提案する。高所恐怖症のショーラは断固拒否する。ポリーは、オーランドが飛行機を捨てて、飛び降りればいいと提案する。

 オーランドは複葉機で岩山に近づき、操縦桿を紐で固定してエンジンを切り、パラシュートを背負って翼に移動する。ところが紐が外れ、飛行機が大きく傾いた拍子にオーランドは翼の布地を踏み抜き、身動きできなくなる。オーランドは翼をナイフで切って、墜落する飛行機からパラシュートで脱出するが、岩山の頂上へ着陸寸前に風でパラシュートが煽られる。

オーランドは気が付くと、パラシュートが切り立った崖の木に引っかかっていた。その木が落ちて、慌ててパラシュートを切り離す。オーランドは山羊のようにして何とか崖を登る。頂上に手を掛けると、角が片方ない山羊が襲って来て、オーランドは山羊の角に掴まって、何とか頂上に登る。

 頂上のアジトでは「羊飼い」がデュ・ボンを脅し、フィルムを渡して「大統領の恥ずかしい姿をマスコミに流すと言いに、ホワイトハウスに行け」と命じる。デュ・ボンは慌ててリフトで降りる。

オーランドは上のリフト小屋に入り、中から扉を閉める。オーランドはリフトを操作する大男に捕まり、信号弾を撃つ。その合図を見たポリーは、下のリフト小屋を守る手下達を狙撃するが、逆に機関銃で狙われる。ショーラは剣で手下達と戦う。

 上の小屋で、オーランドが大男にナイフを投げても剣で刺しても効果が無く、追い詰められる。ショーラが錘の岩が付いたロープに掴まり、ポリーが岩のロープを銃弾で切る。リフトが落下し、ショーラが上のリフト小屋に引き上げられ、大男の首を切ってオーランドを助ける。ポリーは地面に激突したデュ・ボンの死体からフィルムを回収する。オーランドとショーラは、リフト小屋の外の手下達と戦い、全滅させる。

 2人がアジトに入ると、「羊飼い」が機関銃で撃って来る。「羊飼い」は「紳士らしく剣で戦おう」と提案する。「羊飼い」の正体はモートンだった。モートンは、先祖がイギリス人貴族から土地を奪われ、そのまま苦しい想いをしたことを恨んでおり、イギリスの壊滅を企んだと言う。船の甲板に出たモートンは、ボートで潜水艦に移り、キッチナーが乗った船を撃沈させたのだった。

 オーランドとモートンが剣で、1対1で戦う。モートンの剣に銃が仕組まれているのを見たショーラは、オーランドの盾になって銃で撃たれる。オーランドとモートンが剣で激しく戦う。足を切られたモートンは、手榴弾をオーランドに投げる。オーランドは、飾られていた金属の盾で爆風を防ぐが、壁を突き破って外に吹き飛ばされる。

 モートンは剣で戦いながら、オーランドを崖に追いつめる。崖に片腕で掴まったオーランドに、モートンがとどめを刺そうとすると、モートンが片方の角を切り落とした山羊が、もう1つの角でモートンの足を刺す。その隙に崖から上ったオーランドはモートンを殴り、ネクタイを掴んでモートンが崖から落下するのを防ぐ。モートンは「お前は殺せない」と言うと、オーランドは「前の俺だったらそうだが、今は違う」と言い、コンラッドの勲章でネクタイを切る。モートンは崖から落下する。

 ショーラは無事だった。2人は「どうやって降りる?」と相談する。

 米国大統領に使用人がクッキーを持って来る。クッキーの下にフィルムが入った缶があった。大統領はフィルムを暖炉で焼き、参戦を決める。

 戦争が終結し、宮殿の前の広場に大勢の人々が詰めかける。それを見たジョージ5世はオーランドに「コンラッドの功績だ」と感謝する。ジョージ5世は国民の反独感情を考慮して、ドイツ由来のサクス=コバーグ=ゴータの家名を、ウィンザー家と改称すると言う。また、従兄のニコライ2世一家は、殺されたと話す。オーランドは、明日午後3時に「キングスマン」に来るように頼む。

 コンラッドの肖像画が掛けられた「キングスマン」の一室で、オーランドが「後世の若者に、息子のような目に遇わせたくない。政府に関係ない諜報組織を独自に作るために「キングスマン」を買い取った。メンバーはコードネームで呼ぶ」と伝える。オーランドがアーサー王。ポリーがガラハット。アーチーがランスロット。米国大使がベディヴィア。ジョージ5世がパージヴァル。ショーラがマーリン。「キングスマンは永遠に」と皆で乾杯する。

 (エンドクレジット)

 新たな「羊飼い」が「圧倒的な右派と左派が世界には必要だ」と、レーニンに代わる男を「闇の狂団」に入れる。その男は「アドルフ・ヒトラー」と名乗る。

(写真は「IMDb」より)