『コンフィデンスマンJP』ドラマ版と映画版の関係の小ネタ(再掲) | アンパンマン先生の映画講座

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映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

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  映画『コンフィデンスマンJP ロマンス編』にはドラマと関わりのある小ネタがたくさん出てくる。「ネタバレの詳しい感想」でも多少触れたが、ここでまとめて紹介する。
 
第1話『ゴッドファーザー編』
第1話に登場した公益財団「あかぼし」の会長で、裏では日本のゴッドファーザーとも称される赤星栄介は、海外に現金20億円を持ち出そうとするが、ダー子たちに騙し取られる。映画版ではダー子達に復讐しようとするが、逆に30億円、総額50億円を騙し取られた。
 
第2話『リゾート王編』
第2話で桜田リゾート社長の桜田しず子は、ダー子達に5億円を騙し取られ、社長を辞任した。彼女は旦那ともに外国人向けゲストハウス「Michikusa」をオープンさせて再起を誓っていた。映画版でダー子たちが滞在した香港の「ゲストハウス・みちくさ九龍」に桜田しず子の写真があったことから、香港にゲストハウスを展開するまで成長していた。リチャードが沖縄で宿泊していたホテルも、かつて桜田が社長を勤めていた「桜田リゾート」のホテルだった。
 
第2話の冒頭でリチャードとボクちゃんが寿司屋に変装し、ロシアンマフィアを騙そうとした。映画版で、スイートルームで「海鮮丼祭りじゃい」とはしゃぐダー子に、リチャードとボクちゃんが「あいよ」と威勢よく応えるのは、その寿司屋を受けてのもの。
 
第3話『美術商編』
第3話では、美術商の城ヶ崎善三が、ダー子達が勝手に作り上げた架空の画家「山本巌」の絵を3.5億円で買い、巨額の損失を出す。詐欺を受けたことで、美術が好きだった過去を思い出し、心を入れ替えた。映画版で城ケ崎は、赤星から依頼を受けてパープルダイヤの鑑定をして、贋作と判定した。また、城ケ崎の部屋には、ダー子が書かせた山本巌の「初恋」の絵が置かれていた。
ただ、美術商が宝石の鑑定ができるのか疑問である。さらに、以前は絵画を贋作だと偽って安く買い取り、高値で販売していた。パープルダイヤも贋作と偽って安く買い取るつもりかと疑ったが、ダイヤにダー子が偽物製造の宝石師に彫らせた「©ダー子」の文字があったので、正しく鑑定していた。
 
第7話『家族編』
第7話のターゲットである与論要造の愛人の娘の矢島理花は、スリの常習犯で服役し、リチャードに詐欺師の仲間になりたいと言っていた。映画版では、沖縄のリゾートでもリチャードに「詐欺を教えて」と頼んでいた。その後、ダー子の指示で赤星の会社に入り、ダー子の行方を捜していた赤星に「ジェシーという詐欺師がよくダー子の話をしていた」と吹き込んだ。赤星はまんまと引っかかり、ジェシーを雇った。
 
第7話でキンタとギンコは、与論要造の長男の祐弥と長女の弥栄に化けて、与論要造の遺産を狙っていた。映画版では2人が組んで、遊園地で家族客相手に財布のスリをしていた。また、赤星がダー子達を狙っていると業界で噂になっていと、ボクちゃんに教えた。
 
第7話で与論要造の本当の長女の弥栄に扮してキンタとギンコを騙したのが、ダー子の子猫ちゃんの一人である鈴木さんである。映画版ではジェシーに結婚詐欺に合い、3000万円を騙し取られた。ダー子は、お金を取り戻してジェシーに仕返しすると約束する。鈴木さんは香港でコウカイトウの愛人の金髪美女に変装し、ジェシーに見破られず「やってやった。あいつを騙してやりました」と喜んでいた。
 
第8話『美のカリスマ編』
第8話では、美の総合商社「ミカブランド」の代表の美濃部ミカに、ダー子が山形の美人村に伝わる偽の伝説の化粧水「弁天水」を売り込む。福田ほのかが、週刊誌にミカのパワハラをリークし、マスコミが誇大報道したことでバッシングを受け、ミカは社長を辞任。弁天水の販売も中止になった。映画版で、鈴木さんがこの「弁天水」を使っていた。ミカは復活し、「弁天水」の販売にこぎつけたらしい。第2話『リゾート王編』でも、ボクちゃんが働いていた旅館「すずや」のコスメに「弁天水」が使われていた。全国的なヒット商品になったのか?
 
第9話『スポーツ編』
第9話に登場したIT企業「モスモス」の社長の桂公彦が、ダー子達が作った架空のバスケットボールチーム「熱海チーターズ」を7.5億円で購入した。映画版では、桂公彦は「熱海チーターズ」の経営を続け、赤星が主催するスポーツ大会「赤星杯」で優勝するなど、強豪チームに成長していた。
 
最終話『コンフィデンスマン編』
最終回で登場した「新・新宿金虎幇」のボス鉢巻秀男(本名は孫秀男で香港出身)は、ダー子達を脅して金を奪ったつもりが、逆に15億円を口座から奪われる。父が死ぬ前まで母親と香港でレンタカー屋を経営していたそうで、その後は香港に戻り、映画版でも母とレンタカー屋を経営していた。ラン・リウの大型施設展開で地元企業が圧迫されてデモに参加し、テレビで現状を訴えていた。
 
映画版でキンタが、遊園地の家族客の父親の服にケチャップをかけていたが、ケチャップを発射していたのは、最終話でダー子が鉢巻秀男の本物の銃とすり替えた「血のり銃」の様な気がする。
 
スペシャルドラマ『運勢編』
不動産屋に化けたダー子が女性に売りつけようとした空き家の洋館は、第7話『家族編』で与論要造が住んでいた屋敷である。要造が亡くなり、確かに空き家になっていた。
 
ボクちゃんとリチャードが、警察から解放されたダー子を待っていた喫茶店に『用心棒大集合』のポスターが張られていた。第4話『映画編』で、ダー子達が映画好きの社長俵屋勤を釣るために作った偽映画の脚本が『用心棒代集合』だった。その後、いらなくなった脚本を伊吹吾郎に挙げたところ、伊吹がその脚本で実際に映画を作っていた。
 
スペシャルドラマには、映画版でモナコがダー子に仕掛けたペディグリーペットに使った犬も登場。名前はもちろん「えいすけ」だ。
 
遺品整理会社「おもかげ」の社長渡辺若葉が、食堂の地主の孫に化けたモナコへ訪問したとき、モナコが物干し竿に干していたのは、映画版の香港で着ていた黄色のトラックスーツだった。
 
スイートルームでモナコが首からぶら下げていた土偶は、第6話「古代遺跡編」でダー子が扮した考古学マニア常滑富子がぶら下げていたもの。
 
スペシャルドラマの最後にダー子が次の獲物として発表したのが、東南アジアの悪徳プロモーターのポー・ナムシェン。ダー子はモナコも誘って地下アイドルグループに扮して騙そうと提案し、歌も考えていた。五十嵐はオタ芸の練習をしていた。
 
映画版のエンドクレジットの後に、ライブハウスでダー子、鈴木さん、理花、モナコが4人組の地下アイドルグループに扮して歌い、リチャードとボクちゃんが中国系のプロモーターに売り込んでいた。その時の歌はダー子が歌った『香港ロマンス』である。五十嵐もオタ芸でダー子達を応援していた。
つまり、スペシャルドラマの時系列は、映画版本編とエンドクレジット後の映像の間になる。
 
映画版『コンフィデンスマンJP 』に登場する映画のパロディ
ダー子、ボクちゃん、リチャード、モナコの4人が、香港の街を観光する2階建てバスで着ていた黄色のトラックスーツは、香港映画『死亡遊戯』(1978年)でブルース・リーが着ていたもの。
 
ニューヨークの回想シーンで、ジェシーがダー子の背後から抱きかかえるようにしながらろくろを回す場面は、『ゴースト ニューヨークの幻』(1990年)のパロディ。
 
同じくニューヨークの回想シーンで、ジェシーがダー子に銃の撃ち方を教える場面は、『レオン』(1994年)のパロディ。でも、いくらニューヨークでも銃を撃っていいの?
 
ジェシーとランのデートシーンで、2人がヘルメットとゴーグルを着け、バイクに2人乗りする場面は、オードリー・ヘプバーン主演の『ローマの休日』(1953年)のパロディ。
 
ラン、赤星、ダー子の3人が両手に銃を持ってお互いを狙う3つ巴の場面は、クリント・イーストウッド主演の『続・夕陽のガンマン』(1966年)のパロディ。ただし、その後、タランティーノ監督やジョン・ウー監督も映画で多用するので、どの映画のパロディとは一概に言えないかもしれない。
 
映画のパンフレットによれば、その他に『恋愛寫眞』(2003年)、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013年)のパロディもあるそうだが、私は見ていないのでどの場面かは不明。自分で確認してほしい。