物置の前で四女がフェンス越しにお隣を見ている。おもむろに振り返り、物置と家の壁に張り渡したネットを見上げる。物置とネットが接する所が四女の脱走経路の一つ。ネットを張る為に立ててある杭が、しっかりした足場になるらしい。その様子を庭のベンチに座って眺めている私の方をちらりと見て、またフェンスの向こうを覗き始める。私も読んでいた本に視線を戻す、と見せかけて四女の様子を伺う。案の定、再び脱走経路を見上げる四女。飛びつくか、と思った時に私の視線に気づいたか、何でもなさげにこちらへ向かって歩いてくる。最近身体も大きくなって、以前のようなすばしっこさはない、と思う。我が家に慣れて少しは落ち着いてきたとも見える。しかし、家に入ってまだ一年。外への興味は尽きない若者に油断は出来ない。今日もまた、腹の探り合いは続くのである。