煉瓦色は茶色でありながら、それまでの日本の伝統色の茶系とは異なり、明るくハイカラなイメージです。
東京駅や横浜の赤煉瓦倉庫で見られる赤煉瓦のような赤みのあるくすんだ茶色です。
レンガは粘土や泥を練って型に入れ窯で押し固めながら焼くので、原料によって様々な色になりますが、赤くなるのは鉄分の影響です。
東山魁夷『水辺の町』
速水御舟『横浜』
小原古邨『鶲と柘榴』
高島野十郎『雨 法隆寺塔』
奥村土牛『鹿』
徳岡神泉『赤松』
国吉泰雄『カーテンを引く子供』
有元利夫『花降る空の旋律』
松本竣介『黒い花』
フェリックス・ヴァロットン『Venise』
モーリス・ドニ『ミューズたち』
ヨハネス・フェルメール
『窓辺でリュートを弾く女』
ピーテル・ブリューゲル
『The Fight Between Carnival and Lent』
高島野十郎の『雨 法隆寺塔』は、大粒の雨が屋根や地面に叩きつけられ、ザァーザァーと大きな雨音が聞こえてきそうな情景です。
朱塗りの五重の塔は雨でけむり、建物の彩度が下がっています。
画家の描いた時代と、現在では塔の色彩が違いますが、経年劣化が進みこのような深い色調になったのでしょう。
写真の塔は晴れていますが、実際に雨降りを撮影しても絵のような美しさを果たして表現できるでしょうか?
雨で跳ね上がった泥の匂い。
しっとり湿度の高い大気。
人の声をかき消すような雨音。
長年の風雨に左右されない凛とした佇まい。
雨の情景を描いた作品は数々ありますが、これほど五感を刺激するような絵画をあまり見たことがありません。
雨に打たれた法隆寺塔は情緒的で美しいです。
その他、煉瓦色の絵画には包み込むような温かさがあり穏やかな気分になります。