煉瓦色は茶色でありながら、それまでの日本の伝統色の茶系とは異なり、明るくハイカラなイメージです。

東京駅や横浜の赤煉瓦倉庫で見られる赤煉瓦のような赤みのあるくすんだ茶色です。


レンガは粘土や泥を練って型に入れ窯で押し固めながら焼くので、原料によって様々な色になりますが、赤くなるのは鉄分の影響です。


明治以降に誕生した比較的新しい色名で、日本の伝統色の弁柄色(べんがらいろ)に近い色です。

過去のブログ、日本の伝統色 〈橙系あれこれで〉弁柄色について書いていますので参考まで。

明治以降、日本でもレンガを作るようになり、煉瓦色は文明開花の象徴的な色として親しまれてきました。


色彩心理的に煉瓦色のような明るい茶色には『温かい』『堅実』『穏やか』『落ち着き』『熟成』『安心感』等のプラス面と『ストレス』『葛藤』『不満』『不完全燃焼』等のマイナス面があります。


煉瓦色の好きな人は、逆境に強く向上心が豊かな人が多いようですが、冷静さを失うと警戒心が強くなり柔軟性がなくなってしまう傾向があるようです。

煉瓦色のような茶色が美しい絵画を探してみました。


東山魁夷『水辺の町』





速水御舟『横浜』





小原古邨『鶲と柘榴』





高島野十郎『雨 法隆寺塔』





奥村土牛『鹿』





徳岡神泉『赤松』





国吉泰雄『カーテンを引く子供』





有元利夫『花降る空の旋律』





松本竣介『黒い花』





サルバドール・ダリ

『Ruin with head of Medusa and Landscape』




フェリックス・ヴァロットン『Venise』





モーリス・ドニ『ミューズたち』





ヨハネス・フェルメール

『窓辺でリュートを弾く女』





ピーテル・ブリューゲル

『The Fight Between Carnival and Lent』



高島野十郎の『雨 法隆寺塔』は、大粒の雨が屋根や地面に叩きつけられ、ザァーザァーと大きな雨音が聞こえてきそうな情景です。

朱塗りの五重の塔は雨でけむり、建物の彩度が下がっています。



晴天の日の法隆寺塔(2023年4月撮影)


画家の描いた時代と、現在では塔の色彩が違いますが、経年劣化が進みこのような深い色調になったのでしょう。


写真の塔は晴れていますが、実際に雨降りを撮影しても絵のような美しさを果たして表現できるでしょうか?

雨で跳ね上がった泥の匂い。

しっとり湿度の高い大気。

人の声をかき消すような雨音。

長年の風雨に左右されない凛とした佇まい。


雨の情景を描いた作品は数々ありますが、これほど五感を刺激するような絵画をあまり見たことがありません。


雨に打たれた法隆寺塔は情緒的で美しいです。




その他、煉瓦色の絵画には包み込むような温かさがあり穏やかな気分になります。



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〜こんな時は煉瓦色を活用しましょう〜

オレンジ色の明度と彩度を下げた煉瓦色には、温かさや穏やかさなど親しみ易い印象があり、大切な人とコミュニケーションを深めたい時にお勧めの色です。



シャツが反対色の明るい水色で地味さが無く、おしゃれな印象です。






テラコッタやベージュなどの類似色とのコーディネートは穏やかで控えめな印象です。


ご自分に合ったコーディネートで煉瓦色を楽しみましょう♪





色を楽しむ素敵なあなたへ...


最後までお読みいただきありがとうございます💕