平安時代の襲の色目(かさねのいろめ)に、初秋から秋に着用する朽葉襲(くちばがさね)がありますが、表が濃い紅色、裏が濃い黄色という組み合わせで遠目に見ると橙色に見えます


秋の季節を楽しむ色として、当時の平安貴族が好んで着用したようです


また、枯れゆく直前の木々の燃えるような生命力を表した“朽葉色”は『朽葉四十八色』と言われるくらいに橙色のバリエーションがあり、多彩な橙色が、冬を前にした日本人の心に大きな影響を与えたようです




橙色(だいだいいろ)

古事記に記されている柑橘類伝来の記録は、ダイダイではないかと言われています

熟しても実が落ちにくく、収穫しないと2~3年も枝に付いているので『代々』の名がつきました

橙色は明治以降の色名です




子孫繁栄の願いを込めてお正月飾りに用いられ、漢方では皮を胃の薬にします





朱色(しゅいろ)

朱は本来、赤色の顔料です

朱は古来から厄除けの意味があり、朱の護符を門口に貼る習慣がありました

琉球紅型の赤は朱で染められています


琉球紅型衣装
白木綿地流水草花貝模様




柿色(かきいろ)


柿の実の色に似た黄みがかった橙色









弁柄(べんがら)


鉄分の多い土の中から生まれ、それを焼いて作る人造の顔料の色です


良質な物はインドのベンガル地方で産出され、地名が色の名前になっているとも言われています




黄丹(おうに)


黄丹は顔料の名称の一つでおうたんとも読まれていました


染料は、紅花と梔子で何度も繰り返し染められ赤みを帯びた橙色です


皇太子が“結婚の儀”で着用された装束は鮮やかな黄丹色でした


上る朝日は黄丹色と言われ、象徴的なイメージで使われているようです


黄丹色は代々、皇太子の礼服の色として長い間禁色とされていました








橙色が印象的な日本画と言えば、速水御舟(1894~1935)の“炎舞”が浮かびます



速水御舟筆  “炎舞”


速水御舟は東京で生まれ、14歳で日本画の勉強を始め、23歳で院展に出品した作品が横山大観から大絶賛され一躍有名画家の仲間入りをします


“炎舞”は、美術の教科書に掲載されていることが多く、過去に何度も印刷物で見たことがあり、速水御舟の代表作です


二年前、山種美術館で開催された『速水御舟の全貌』展で初めて“炎舞”と出会う事ができました


闇夜の中、ゆらめく炎に蛾が集まって乱舞するという妖しさがあり、蛾が天に上って行くように見える構図から、仏様の化身(魂)ではないかと感じました


橙色がとても美しい作品でした







~こんな時は橙色を活用してみましょう~


食欲が無いときは橙色を取り入れてみましょう‼


食欲をそそる色として、ニンジンやカボチャのような橙色が一番人気です


食卓に橙色のお花を飾ったり、ランチョンマットを橙色に変えてみましょう

ランプを白熱灯のような赤みを帯びた光に変えるのもいいですね


橙色には、心を元気にする働きがあり、第二の脳と言われている腸の運動を活発にしてくれるようです


効果抜群なので食べ過ぎにはご注意を…😉