日本でマラリアが再流行するとは思えない。 -28ページ目

(1) ドイツでは、冬でも、マラリアに感染?(1884年~1888年)

第18章 マラリア蚊媒介説に対する反論、及び、これらに対する再反論

ハマダラカは、マラリアを媒介することがないというのは、マラリア蚊媒介説に反論する人も主張することが難しい。

ただ、疫学的に、蚊媒介に適さない事項を挙げ、反論の論拠となすだけである。

試みに、これを挙げ、同時にこれを論破しよう。

(1) マラリアが流行する地方に蚊が生息していないところがある。故に、このようなところのマラリアは、蚊によって、媒介されたものでないという反論

【再反論】

Koch氏は、オランダ領インドネシアにおいて、蚊が生息していないとされているマラリアが流行する地方を踏査すると、毎回、蚊を発見し、蚊が生息していないところに、マラリアは流行しないという原則を保持することができた。

Grassi氏もまた、イタリアにおいて、蚊が生息していないと称されているマラリア流行地方を探索し、毎回、ハマダラカの生息を確認した。

故に、この反論を唱えるものは、自ら踏査せず、路言を信じ、漫然、蚊が生息していないと称しているに過ぎなく、取るに足らない妄説である。

私は、北海道深川村(現在の深川市)において、兵民が蚊に対し、実に無関心であるのを体験した。

もし、私が、自ら、北海道深川村(現在の深川市)に行かず、深川住民中の誰かに、蚊の有無を質問したならば、質問された人は、『深川に蚊はいないので、私は蚊帳を使用しない』と答えたかもしれない。

路言が信じがたいことは、以上の通りである。

↑『我邦ニ於ケル麻刺里亜蚊伝搬ノ証明』(都築甚之助,大町文興著。東京:都築甚之助,明34.10)(国立国会図書館のサイトの近代デジタルライブラリーで無料で閲覧できるp 45-48を私が現代語訳したもの。

ドイツの話はかなり後の方に出てくるが、このあたりから、訳さないと意味をなさないので、そうした。

ちなみに、現在では、マラリアはハマダラカにより、媒介されることがわかっている。

もちろん、血小板輸血・医療従事者の針刺し事故などによって感染することもあるが、圧倒的多数のマラリアはハマダラカにより媒介される。