日本でマラリアが再流行するとは思えない。 -21ページ目

(8) ドイツでは、冬でも、マラリアに感染?(1884年~1888年)

第18章 マラリア蚊媒介説に対する反論、及び、これらに対する再反論

Grawitz氏は、この統計から、下記のように立論した。

4月は、蚊の発生が少なく、蚊に刺されることは、非常にまれであると思われるのに、マラリアが既に発生し

7月、8月の両月において、蚊の発生が盛んであるのに、マラリア患者数は減少し始め

9月は、機動演習に際し、士卒は蚊に暴露される月に当るのに、マラリア患者数が、特に、減少するのは、なぜか?

それは、マラリア蚊媒介説が正しくない証拠である。

Grawitz氏は、なお、近年において、マラリア患者数が著しく減少した事実


すなわち


1869年(明治2年)以前において、54.6‰であったものが



1880年(明治13年)には、14.0‰に減少し



1895年(明治28年)、1896年(明治29年)には、さらに、0.55‰に減少した



ことを説き


その原因を、排水の設備、佳良の兵営、高く、乾燥した砂地上における建築、良水供給等であるとした。

↑『我邦ニ於ケル麻刺里亜蚊伝搬ノ証明』(都築甚之助,大町文興著。東京:都築甚之助,明34.10)(国立国会図書館のサイトの近代デジタルライブラリーで無料で閲覧できるp 45-48を私が現代語訳したもの。

ちなみに、現在では、マラリアはハマダラカにより、媒介されることがわかっている。

もちろん、血小板輸血・医療従事者の針刺し事故などによって感染することもあるが、圧倒的多数のマラリアはハマダラカにより媒介される。

佳良(かりょう):すぐれて良いこと。

という意味である。