(9) ドイツでは、冬でも、マラリアに感染?(1884年~1888年)
第18章 マラリア蚊媒介説に対する反論、及び、これらに対する再反論
陸軍統計は、比較的、正確であるが、1884年(明治17年)~1888年(明治21年)における統計は、未だ、絶対的信頼をおくには足りなかった。
なぜならば、この時期は、診断上、常に、血液検査がなく、かつ、医家は、不明の発熱疾患を、好んで、マラリアと診断する慣習があったからである。
また、既に、前述したように、4月においても、多少、蚊は生息し、かつ、1日中、少なくとも、四日熱マラリア原虫の蚊体内における発育に適当な時間を有し、新感染の機会が絶無でないだけでなく、再発を起こしやすい等、4月において、マラリアの発生が増加する法則があるのは、疑うことを要しない。 |
↑『我邦ニ於ケル麻刺里亜蚊伝搬ノ証明』(都築甚之助,大町文興著。東京:都築甚之助,明34.10)(国立国会図書館のサイトの近代デジタルライブラリーで無料で閲覧できる)p 45-48を私が現代語訳したもの。
ちなみに、現在では、マラリアはハマダラカにより、媒介されることがわかっている。
もちろん、血小板輸血・医療従事者の針刺し事故などによって感染することもあるが、圧倒的多数のマラリアはハマダラカにより媒介される。