ビーナス #4
「ごめんね?夜遅いのに」『いえ……………』彼女………白石麻衣が再び隆太の前に姿を見せたのは、2週間後のことであった。前に会った時より、髪色が暗めになっていた。『あの…………』ふと、隆太は言った。なぜなのか、自分でもわからなかった。「うん?」『何でここに越してきたんですか?』「何で?」『言いたくなら大丈夫』「別に大丈夫だよ。ここね、仕事…………ロケとか行く時、ちょうどいい距離なの」『はあ…………』「だからかな」『そうですか』「別にタメ口でいいよ?お隣さんのよしみで」『はあ…………』その後も、隆太は麻衣と話し込んだ。明日も仕事じゃないのか、と思ったが、いつの間にか話に夢中になって忘れていたーーーーーー。