「ごめんね?夜遅いのに」


『いえ……………』


彼女………白石麻衣が再び隆太の前に姿を見せたのは、2週間後のことであった。前に会った時より、髪色が暗めになっていた。


『あの…………』


ふと、隆太は言った。なぜなのか、自分でもわからなかった。


「うん?」


『何でここに越してきたんですか?』


「何で?」


『言いたくなら大丈夫』


「別に大丈夫だよ。ここね、仕事…………ロケとか行く時、ちょうどいい距離なの」


『はあ…………』


「だからかな」


『そうですか』


「別にタメ口でいいよ?お隣さんのよしみで」


『はあ…………』


その後も、隆太は麻衣と話し込んだ。明日も仕事じゃないのか、と思ったが、いつの間にか話に夢中になって忘れていたーーーーーー。